2019年の香港映画「眺望良好」。
ロー・ワイ・マン(フランシス・ン)は海が眺望できるアパートを購入し、妻サク・
イン(アニタ・ユン)と息子、娘、父親の5人家族で暮らしている。アパートのロー
ンはあと20年残っており、一家は倹約生活に勤しんでいる。しかしアパートの住
人は変な人たちばかりで悩まされている。上階の住人は肉加工業者で、毎晩豚肉
を細切れにする包丁の音が大きく響いてきてうるさい。階下の住人はヘビースモ
ーカーで、いつもベランダでタバコを吸うので煙たい。隣人は家賃を滞納し、役
所から執行官が退去を求めて訪れるが自殺騒ぎを起こす。また別の隣人は大音量
で音楽を流す。こんな環境に一家はうんざりしているが、夜に窓から見える美し
い海の風景で心を癒されていた。ところがある日突然、向かいのビルの屋上に巨
大な広告看板が設置され、夜景が見えなくなってしまう。一家は看板を設置した
男ウォン(ルイス・クー)に違法建造物であると抗議に行くが、ウォンに芸術だと
言われ相手にされない。困ったワイ・マンは政府の民事局に勤める友人チェン(
アンソニー・ウォン)に相談する。
香港の住宅事情を題材にしたブラック・コメディ。笑って泣ける(?)おもしろい
映画だった。香港の住宅事情は日本に似ているようで、国土が狭いのに人口が多
いため住宅が狭く、ひしめき合っている。主人公のワイ・マンのアパートは3LD
Kだと推測されるが、家族5人で住むには狭すぎる。それにこの家、すごく物が多
いのだ。私は家にあまり物を置かない方なので、ああいうゴチャゴチャした家を
見ると「何を置いているの?」と思ってしまう。それに香港は物価がとても高い
らしく、日本より環境は厳しいのかもしれない。
ワイ・マンのアパートの住人たちもヘンテコな人たちばかり。特に上階の肉加工
業者(すごいデブ)は毎晩のように豚肉をミンチにしていて、大きな中華包丁でま
な板を叩く音がとても響くのだ。サク・インは何度も苦情を言いに行っているが、
「俺は機械じゃなく包丁でミンチにするのが好きなんだ」と取り合ってもらえな
い。肉の種類は色々あるだろうに、何故いつも豚肉のミンチなのかが笑える。そ
してワイ・マン一家の心の安らぎだった海の夜景が、ある日突然巨大な看板によ
って塞がれてしまったのでさあ大変。ワイ・マンは看板を立てた男ウォンに抗議
に行ったり役所に相談に行ったりと奔走するがどうにもならない。一家の神経は
追い詰められていく。
キャストがフランシス・ン、アニタ・ユン、ルイス・クー、アンソニー・ウォン
とスター揃い。アニタ・ユンは年をとってもかわいい。フランシス・ンとアニタ
・ユンのやり取りは笑える。香港映画を観ているとよく思うのだが、登場人物た
ちのテンションがとても高い。あれは映画上の演出なのか、それとも香港の人は
本当にあんなに普段からテンションが高いのだろうか。画面から人々の熱気が伝
わってくるようだ。
物語は終盤意外な方向へ向かう。まさかあんな展開になろうとは…。ある意味と
ても怖い結末なのだが、ワイ・マン一家が満足しているのならバッド・エンドで
はないのだろう。キャラクターが皆おもしろかった。あー広東語を聞くと安心す
るなあ。
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ロー・ワイ・マン(フランシス・ン)は海が眺望できるアパートを購入し、妻サク・
イン(アニタ・ユン)と息子、娘、父親の5人家族で暮らしている。アパートのロー
ンはあと20年残っており、一家は倹約生活に勤しんでいる。しかしアパートの住
人は変な人たちばかりで悩まされている。上階の住人は肉加工業者で、毎晩豚肉
を細切れにする包丁の音が大きく響いてきてうるさい。階下の住人はヘビースモ
ーカーで、いつもベランダでタバコを吸うので煙たい。隣人は家賃を滞納し、役
所から執行官が退去を求めて訪れるが自殺騒ぎを起こす。また別の隣人は大音量
で音楽を流す。こんな環境に一家はうんざりしているが、夜に窓から見える美し
い海の風景で心を癒されていた。ところがある日突然、向かいのビルの屋上に巨
大な広告看板が設置され、夜景が見えなくなってしまう。一家は看板を設置した
男ウォン(ルイス・クー)に違法建造物であると抗議に行くが、ウォンに芸術だと
言われ相手にされない。困ったワイ・マンは政府の民事局に勤める友人チェン(
アンソニー・ウォン)に相談する。
香港の住宅事情を題材にしたブラック・コメディ。笑って泣ける(?)おもしろい
映画だった。香港の住宅事情は日本に似ているようで、国土が狭いのに人口が多
いため住宅が狭く、ひしめき合っている。主人公のワイ・マンのアパートは3LD
Kだと推測されるが、家族5人で住むには狭すぎる。それにこの家、すごく物が多
いのだ。私は家にあまり物を置かない方なので、ああいうゴチャゴチャした家を
見ると「何を置いているの?」と思ってしまう。それに香港は物価がとても高い
らしく、日本より環境は厳しいのかもしれない。
ワイ・マンのアパートの住人たちもヘンテコな人たちばかり。特に上階の肉加工
業者(すごいデブ)は毎晩のように豚肉をミンチにしていて、大きな中華包丁でま
な板を叩く音がとても響くのだ。サク・インは何度も苦情を言いに行っているが、
「俺は機械じゃなく包丁でミンチにするのが好きなんだ」と取り合ってもらえな
い。肉の種類は色々あるだろうに、何故いつも豚肉のミンチなのかが笑える。そ
してワイ・マン一家の心の安らぎだった海の夜景が、ある日突然巨大な看板によ
って塞がれてしまったのでさあ大変。ワイ・マンは看板を立てた男ウォンに抗議
に行ったり役所に相談に行ったりと奔走するがどうにもならない。一家の神経は
追い詰められていく。
キャストがフランシス・ン、アニタ・ユン、ルイス・クー、アンソニー・ウォン
とスター揃い。アニタ・ユンは年をとってもかわいい。フランシス・ンとアニタ
・ユンのやり取りは笑える。香港映画を観ているとよく思うのだが、登場人物た
ちのテンションがとても高い。あれは映画上の演出なのか、それとも香港の人は
本当にあんなに普段からテンションが高いのだろうか。画面から人々の熱気が伝
わってくるようだ。
物語は終盤意外な方向へ向かう。まさかあんな展開になろうとは…。ある意味と
ても怖い結末なのだが、ワイ・マン一家が満足しているのならバッド・エンドで
はないのだろう。キャラクターが皆おもしろかった。あー広東語を聞くと安心す
るなあ。
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