2019年のカナダ映画「マティアス&マキシム」。
マティアス(ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス)とマキシム(グザヴィエ・ド
ラン)は幼馴染で親友。友人の妹が撮る短編映画で男性同士のキスシーンを演じ
ることになった2人は、それをきっかけに心の底に眠っていた互いへの気持ちに
気づき始める。婚約者のいるマティアスは、親友に芽生えた感情に戸惑いを隠し
きれない。一方マキシムは新天地オーストラリアへ旅立つ準備をしていたのだが、
友情の崩壊を恐れ、思いを告げられないでいた。別れが目前に迫る中、彼らは本
当の思いを確かめようとする。
グザヴィエ・ドラン監督・主演作品。30歳のマティアスとマキシムは幼馴染で
親友。マキシムは近々オーストラリアに移住し新しい生活を始めようとしていた。
そんなある日、彼らの友人の妹が作る自主映画に出演して欲しいと頼まれ、映画
には彼らのキスシーンがあることに戸惑う。キスシーンを撮り終えた2人だが、
それをきっかけにお互いに意識し始め、特に婚約者のいるマティアスは困惑する。
物語の初めにマティアスたちが飲み会みたいなのをしていて、大勢でわちゃわち
ゃと楽しんでいるシーンが印象的。青年たちの「言葉遊び」みたいなものは何を
言っているのかよくわからなかったが。会話の中に「ドラゴンボール」や「ベジ
ータ」などが登場したり、料理に醤油を使ったりしているのがおもしろい。
マティアスの家は裕福なようだが、マキシムの家庭は問題があり、精神病で自分
のことも満足にできない母親と放蕩者の弟がいる。マキシムはオーストラリアへ
行くに当たって、母親が何とか生活していけるようにと気を配り、成年後見制度
の手続きなどを進めているのだが、母親はマキシムに文句を言ったり貶したりで、
とにかく観ていてイライラする。自分では何もできないくせに。マキシムの作っ
た料理に手もつけず、暴力を振るったりする。ケガをしたマキシムはさすがに怒
って出ていく。そんな母親でも見捨てられないのがマキシムの優しいところだ。
強制的に入院とかさせられないのだろうか。
長い間親友として過ごしてきたマティアスとマキシムは、自分たちは愛し合って
いるのだろうかと悩むことになるのだが、その過程の描写が繊細でとてもいい。
ドランの本領発揮という感じ。マキシムのオーストラリア行きが迫る中、2人は
どんな結論を出すのか気になる状況で物語は進行する。マティアスは婚約者に素
っ気ない態度をとるようになってしまうが、もちろん彼女には理由がわからない。
マティアス自身にも、そしてマキシムも、お互いの気持ちが恋なのか友情なのか
がわからないのだ。このわからなさがいい。
マティアスがマキシムの新しい勤め先に推薦状を送ると言っていたのに送らなか
ったのは、マキシムときっぱり縁を切るためなのか、それともマキシムにオース
トラリアへ行って欲しくないからなのかがよくわからなかった。けれどもラスト
でマティアスとマキシムが離れたところから見つめ合い、友人たちもその様子を
見守っているというシーンはとても良かった。切なくてキラキラしたラブストー
リーだった。
良かったらこちらもどうぞ。グザヴィエ・ドラン監督作品です。
「胸騒ぎの恋人」
「わたしはロランス」
「Mommy/マミー」
「たかが世界の終わり」
「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」
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マティアス(ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス)とマキシム(グザヴィエ・ド
ラン)は幼馴染で親友。友人の妹が撮る短編映画で男性同士のキスシーンを演じ
ることになった2人は、それをきっかけに心の底に眠っていた互いへの気持ちに
気づき始める。婚約者のいるマティアスは、親友に芽生えた感情に戸惑いを隠し
きれない。一方マキシムは新天地オーストラリアへ旅立つ準備をしていたのだが、
友情の崩壊を恐れ、思いを告げられないでいた。別れが目前に迫る中、彼らは本
当の思いを確かめようとする。
グザヴィエ・ドラン監督・主演作品。30歳のマティアスとマキシムは幼馴染で
親友。マキシムは近々オーストラリアに移住し新しい生活を始めようとしていた。
そんなある日、彼らの友人の妹が作る自主映画に出演して欲しいと頼まれ、映画
には彼らのキスシーンがあることに戸惑う。キスシーンを撮り終えた2人だが、
それをきっかけにお互いに意識し始め、特に婚約者のいるマティアスは困惑する。
物語の初めにマティアスたちが飲み会みたいなのをしていて、大勢でわちゃわち
ゃと楽しんでいるシーンが印象的。青年たちの「言葉遊び」みたいなものは何を
言っているのかよくわからなかったが。会話の中に「ドラゴンボール」や「ベジ
ータ」などが登場したり、料理に醤油を使ったりしているのがおもしろい。
マティアスの家は裕福なようだが、マキシムの家庭は問題があり、精神病で自分
のことも満足にできない母親と放蕩者の弟がいる。マキシムはオーストラリアへ
行くに当たって、母親が何とか生活していけるようにと気を配り、成年後見制度
の手続きなどを進めているのだが、母親はマキシムに文句を言ったり貶したりで、
とにかく観ていてイライラする。自分では何もできないくせに。マキシムの作っ
た料理に手もつけず、暴力を振るったりする。ケガをしたマキシムはさすがに怒
って出ていく。そんな母親でも見捨てられないのがマキシムの優しいところだ。
強制的に入院とかさせられないのだろうか。
長い間親友として過ごしてきたマティアスとマキシムは、自分たちは愛し合って
いるのだろうかと悩むことになるのだが、その過程の描写が繊細でとてもいい。
ドランの本領発揮という感じ。マキシムのオーストラリア行きが迫る中、2人は
どんな結論を出すのか気になる状況で物語は進行する。マティアスは婚約者に素
っ気ない態度をとるようになってしまうが、もちろん彼女には理由がわからない。
マティアス自身にも、そしてマキシムも、お互いの気持ちが恋なのか友情なのか
がわからないのだ。このわからなさがいい。
マティアスがマキシムの新しい勤め先に推薦状を送ると言っていたのに送らなか
ったのは、マキシムときっぱり縁を切るためなのか、それともマキシムにオース
トラリアへ行って欲しくないからなのかがよくわからなかった。けれどもラスト
でマティアスとマキシムが離れたところから見つめ合い、友人たちもその様子を
見守っているというシーンはとても良かった。切なくてキラキラしたラブストー
リーだった。
良かったらこちらもどうぞ。グザヴィエ・ドラン監督作品です。
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