猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

水曜日が消えた

2023-07-04 21:50:32 | 日記
2020年の日本映画「水曜日が消えた」。

小学生の時の交通事故が原因で、曜日ごとに7人の人格が入れ替わる
青年・斎藤数馬(中村倫也)は、思考や性格はバラバラだが、各曜日の
名前で呼び合いながら平穏な日々を過ごしていた。その中でも1番地
味な"火曜日"は、他の曜日から家の掃除、荷物の受け取り、通院とい
った面倒な用事を押しつけられていた。ある日の朝、目を覚ました火
曜日が水曜日がいなくなっていることに気づく。火曜日は、見慣れな
いテレビ番組などに戸惑いながらも水曜日を満喫するが、その日常は
次第に恐怖へと変わっていく。

多重人格をテーマにした異色のサスペンス。斎藤数馬は小学生の時の
交通事故の後遺症で曜日ごとの人格を持つようになる。1人暮らしだ
が、衣類や靴や食器などは7種類に分けられていた。それぞれの曜日
は他の曜日と話ができないため不便なこともあるが、生活の記録ノー
トや付箋にメモをして伝言を残し、意志の疎通を行っていた。ある朝
「火曜日の僕」が目を覚ますと、「水曜日」が消えていて、火曜日の
僕のままであることに気づく。火曜日の僕は本が好きなのだが、毎週
火曜日が図書館が休館のため、行くことができなかった。水曜日に起
きた火曜日の僕は、喜んで図書館へ出かける。
物語は「火曜日の僕」を中心に進行している。朝目覚めると隣に見知
らぬ女性が寝ていて、それは奔放な「月曜日」が連れ込んだのだが、
火曜日は女性を追い出し、「月曜日へ 女性を連れ込むな」と付箋に
書くといった具合。いつも目が覚めると1週間後になっていた火曜日
は、あらゆることが新鮮でたまらない。そして図書館で働く女性・瑞
野(深川麻衣)と惹かれ合うようになる。彼女は以前から水曜日のこと
を知っていたようで、火曜日は戸惑いながらも彼女と気持ちを通わせ
ていく。
数馬の家には一ノ瀬(石橋菜津美)という昔の同級生がよく遊びに来て
いて、彼女は全ての曜日と交流があるようだった。最初の方で彼女が
火曜日の恋人なのか女友達なのかわからなかったのだが、どうやら彼
女の方は火曜日が好きだけどそれを言っておらず、火曜日は彼女を友
達だと思っているように見えた。私はこの一ノ瀬の存在が何だかうっ
とうしく感じた。何故か自分でもよくわからないのだが「ウザい」と
いう感じ。やがて火曜日は木曜日も消えていることに気づく。
火曜日は自分がいなくなってしまうのではないだろうかという不安を
抱くようになる。いつも通院している病院へ行くが、もう16年も数
馬を診察してきた精神科医の安藤(きたろう)は数馬の変化に気づく。
そして安藤の助手の若い医師・新木(中島歩)は数馬を外科手術によっ
て治した方がいいのではないかと考える。私は精神病を扱った映画は
好きなのだが、この映画はあまり惹き込まれなかった。そんなに興味
を持てなかった。ラストがあっさりしていたのも残念な感じ。病気が
重くなっていって数馬の頭の中で7人の人格が混乱していくシーンは
良かったと思うが。中村倫也の演技はとても良かった。



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