猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

オアシス

2015-03-06 03:43:14 | 日記
2002年の韓国映画「オアシス」。
暴行、強姦未遂に続いて、今度はひき逃げによる過失致死で2年6ヵ月の刑を終えたばかりの
青年ジョンドゥ(ソル・ギョング)。出所して家族の元に戻った彼を、誰も快く迎えてはくれず、
疎ましい感情を隠そうともしない。ある日、ジョンドゥはひき逃げで死なせてしまった被害者の
遺族の元を訪れる。しかし一家は引っ越しの最中で、部屋にはコンジュ(ムン・ソリ)という女性が
1人取り残される。彼女は重度の脳性麻痺のため手足が不自由で、言語障害もあった。兄夫婦は
彼女の名義で障害者用の大きなアパートを手に入れ、そこへ移ってしまったのだ。ジョンドゥは
ひとりぼっちのコンジュのことが気になり始める。

前科3犯の青年と、脳性麻痺で体が不自由な女性との、変わった恋愛映画である。2人とも社会
から疎外された存在であり、ゆっくりと、ささやかに愛を育んでいく。
コンジュの兄夫婦はコンジュの名義で広い障害者用アパートを手に入れながら、コンジュは
古い家に置いたままで、隣家の女性に金を渡して世話を任せていた。行政の検査がある時
だけコンジュを連れていき、同居を装う。ひどい話だ。
ジョンドゥはいつまでたってもちゃんとした社会人になれないことを兄に説諭され、家族からは
邪魔者扱いされる。孤独なジョンドゥとコンジュは心を通わせていくのだが、ジョンドゥがコンジュ
を家族に紹介しても、受け入れられない。コンジュが重度の障害者だからだ。
それでも2人は、2人でいる時は幸せだった。
とにかく主演2人の演技が凄い。コンジュ役の人は、初め本当に脳性麻痺の人かと思ったくらい
だ。ジョンドゥ役の人も、根は悪い人ではないのだが、どうしようもない男の悲しさや辛さや焦りと
いったものを繊細に表現していて、素晴らしかった。
だが、ラストはちょっとひどいと思った。ジョンドゥはコンジュへの強姦容疑で逮捕されてしまう。
コンジュがひとこと「強姦ではない」と言えば良かったことではないのか。緊張するとうまく話せ
なくなるコンジュは警察署の中でも興奮して自分の思いを伝えられなかったが、後で落ち着いた
時に話すことはできなかったのか。あまりにもジョンドゥがかわいそうだ。これから2人はどう
なるのか。切なすぎるラストだった。

韓国映画はどうしてこんなにおもしろいのだろう。日本映画は完全に負けている。特にサスペ
ンスなどは良く出来ている。いい監督が育っているのだろうか。



人気ブログランキングへ
映画(全般) ブログランキングへ

ウルフ・オブ・ウォールストリート

2015-03-03 03:45:22 | 日記
2013年のアメリカ映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」。
22歳でウォール街の投資銀行へ飛び込んだジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)は
学歴もコネもなかったが、誰も思いつかない斬新なアイデアと巧みな話術で、瞬く間に成り上がって
いく。貯金ゼロから26歳で証券会社を設立したジョーダンは、年収4900万ドルを稼ぐようになるが、
常識外れな金遣いの荒さで世間を驚かせる。

株とか投資とか私にはさっぱりわからないが、ほぼ3時間のこの映画、おもしろく観れた。
セリフや場面転換が多く、物語は目まぐるしく進んでいく。悪く言えばあまり中身はないのだが、
とにかく勢いがあって、観ていて楽しい。
下品な言葉や場面が多いのも、この映画の魅力のひとつなのだろう。アメリカ人って本当にあん
なにクスリをやっているのだろうか。ちょっと信じられないが、これは実話を基にしている。
ジョーダン・ベルフォートという人の自伝である。
若くして成り上がったジョーダンの生活はセレブそのもの。私はお金をもの凄く稼いでいる人が、
ぜいたくの限りを尽くしてしまうのが理解できない。私だったらそこそこ遣って、後は貯金する。
ジョーダンのような人が、結局何もかもなくしてしまうのは、よくある話だ。
ジョーダンの周りの人たちも皆個性的で、おもしろかった。
この映画、原作の権利をレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットが入札で争ったという。ブラッド・
ピットが主演だったら、また違う雰囲気になっていただろう。
レオナルドはせっかくドイツ系美青年なのだから、もう少しやせた方がいいと思う。




人気ブログランキングへ
映画(全般) ブログランキングへ