庭であそぼ

07年12月に突然母を亡くし、主を失った実家の庭と田畑の
世話を引き継いだ、土いじり超ビギナー夫婦の記録。

11月の百合

2008-11-14 23:09:13 | 田舎の庭

うちの庭の石垣の上にはYさんの畑がある。間には小さな溝があり、年季の入った石垣は苔や草におおわれている。その石垣から、すっくと立った百合の花。まさか花が咲くとは思わなかったけれど、温暖化の賜物か、やたら立派に咲いている。
  
            
  
たぶん彼女はうちの庭から弾け出たおてんばさん。ガレージの影で見上げんばかりの、やたらノッポな百合が何本も咲いていたから、そこから種が飛んだのだ。なんだか嬉しい。家出した娘がアイドルになって、テレビに出ているのを見たような気持ち、とでも言おうか…。…イヤ、違うか
  
昨年は母の病気で、庭に目をやる余裕もなかった。母が亡くなった後、ガレージの裏あたりは、数種類の背の高い植物が化石のように立ち枯れていた。その中のひとつが百合だと判ったのは、花の季節になってからだった。
  
生前の母なら、立ち枯れる前に整理していただろう。今も母が元気で生きていたら、ここに彼女が咲くことはなかったかも知れないのだ。何だか不思議な気持ちだ。


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