さて、市外局番は最初の番号(011)はどこで、最後の番号(099)はどこでしょうか。
これは案外わかりやすくて、北から南に、順につけられているので、01が北海道、09は九州、となっています。上2桁で塗り分けてみました。
01は北海道から北東北まで、02は南東北、信越、北関東…そして、03と06はそれぞれ大阪、東京ですが、米粒くらいの小さい範囲です。人口が多いと、面積は狭くなるんですね〜。埼玉から栃木、群馬に移動すると、04がいきなり02になり、体感温度が下がります。寒い地域に来たぞと。最も番号の飛びが激しいのは、新潟県・富山県境。02の世界と07の世界が隣接しています。こうして見ると07は寒暖差がありまくりです。
3桁目の「2」に注目
さて、上の地図で022、052…等、3桁目が「2」の都市をピックアップしてみました。前の記事でも書きましたが、市外局番の数字では、あまり0や1は使われず、基本的には2から始まります。3桁目が2の都市は、東北の中心地、仙台(022)や九州の中心地、福岡(092)等、その地域の中心都市が多くなっています。
あれ?しかし札幌だけ011です。以前、4桁だった頃は0122でしたが、3桁になった際に011になったので、例外的に札幌だけ変わっています。
それでは03(東京)や06(大阪)では、その次の市内局番は2から始まる番号が多いかというと、そうではありません。東京は1991年まで、大阪は1999年まで今より1桁少なく、9桁でした。9桁だった頃(03-ABC-XXXX、06-ABC-XXXX)のAは、2から順に中心地から番号がつけられていますが、1桁増えたときに、それまでの番号については03の後に「3」、06の後に「6」がつけられています。
東京と大阪の古いお店を、電話番号で見分ける
そのため、
・03-3ABC-XXXX
・06-6ABC-XXXX
・06-6ABC-XXXX
は、90年代以前からある古い番号です。
東京では、3桁目は3の後、5、6、4…と3の近くの番号から順につけられています。町中の看板で「03-3〜」とか「06-6〜」の番号を見つけたら、古いお店だな…と思って見てみましょう。古いと言っても90年代以前かどうか、なので、そこまで古くはありませんね。
さて、1961年、電話番号自動化の前はもっと桁数が少なく、ABの部分が電話局の番号、XXXXが市内局番が基本形でした。1961年以降、こうした6桁の電話番号に、Cの部分の番号が足されますが、古い番号はここが「1」である場合が多いのです。
・03-3●●1-●●●●
なんて番号をみつけたら、こりゃ老舗だろうな、と読めてきます。
4桁目の「2」にも注目
まだまだ「2」の話は続きますよ。
3桁目の2だけでなく、4桁目の2にも注目してみましょう。
山梨県、長野県、群馬県それぞれの県庁所在地の電話番号上4桁を見てみましょう。
それぞれ、055-2(以前は0552)、026-2(0262)、027-2(0272)…いずれも4桁目が「2」になっています。長野に次ぐ主要都市、松本は026-3、前橋と対をなす大都市、高崎は027-3になっています。
4桁目の番号が後ろになるにつれて、背景色は少しずつ薄くなり、灰色に近づくように塗りました。後の番号や0、1になればなるほど、県内山間部の番号になります。(群馬県伊勢崎市はそうでもないですが)
山間部だけでなく、離島も9や0、1等、末尾の番号がつけられやすいのです。週1便のフェリーでしか行けない小笠原諸島の市外局番は「04998」です。
しかしこれは基本形で、全国的にそうだとも限りません。
四国の市外局番を見てみましょう。
・香川県が087〜
・徳島県と高知県がまとめて088〜
・愛媛県が089〜
になっています。
高松が087-2、松山が089-2…だと、なんとなくしっくり来るのですが、そうでもありません。愛媛県を見てみると、ファーストナンバーの0892は山間部の久万高原、県庁所在地の松山はラストナンバーの089-9です。他の県に至っては2がありません。香川県(087〜)は0875から始まり、徳島県(088〜)は0883から始まりますが、0883は山間部の阿波池田です。
ちょっとこの謎は解明できていません。誰か気になった方、ご存知な方はいらっしゃいますでしょうか。
ラストナンバー099は沖縄じゃない?
さて、ラストナンバーの部分の市外局番を見てみましょう。
こちら、左下が沖縄本島です。あれ、099じゃない?
そうなのです。沖縄県の市外局番は098〜。
しかし右上を見てみると、0997という数字が。これが市外局番のラストナンバーです。鹿児島県の徳之島、沖永良部島、与論島。そう、鹿児島県が099で、沖縄県が098なのです。なぜでしょうか。
市外局番が設定されたのが1961年ですが、ここにそのヒントがあります。この頃の日本最南端はどこなのか。鹿児島県です。沖縄返還はその後の1972年。そう、それまで沖縄県は本土(当時の日本)とは別の電話番号体系だったのです。1972年に返還されると、日本の電話番号網のどこに組み込むのか、という話になります。人口が多く離島もある鹿児島県よりも、隣の宮崎県のほうが余剰の番号の余裕があり、宮崎県(098〜)の末尾が沖縄県に割り当てられました。
鹿児島県が099〜で宮崎県が098〜です。
県境(白い点線)を跨る0986は宮崎県都城市を中心とした単位料金区域(MA)ですが、都城市を中心とした都市圏は、鹿児島県東部からも人が集まります。そのためこのエリア設定は、個人的には納得感があります。
一番大変だったのは…
こちら、北海道東部ですが…アレッ?
ええ、北方領土です。日本政府は日本だと言っているので日本地図には載せましたが、日本の電話番号がかかる訳ではありません。ロシアの電話線が引かれています。ロシアの市外局番を調べるのが一番大変でした。(かかってくることも、かけることもないと思いますが)
市外局番の話は以上です!
ちょっとマニアックでしたがありがとうございました。
愛媛県の松山みたいに、
0xx9の地域がラスボス的存在なのかもしれませんね。
伊勢原は神奈川県です
修正致しました。