『鵼の碑』が出たので、久しぶりのじっくり読書でした。
読んだページ数がとんでもないことになっているw
10月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1800
ナイス数:99
鵼の碑 (講談社ノベルス)
★3.5 待ちに待った17年。これこれ、この厚み。しかし17年の間に老眼になり筋力も低下。昔のように徹夜で一気読みとはいけず、読書姿勢に苦労しながら日にちをかけてボチボチと読み進めた。
《ホテルのメイドから過去の殺人を告白された作家の久住は、同宿で知り合った関口に相談する〔蛇〕/薔薇十字探偵社に失踪した婚約者の捜索を依頼した御厨は、益田と日光へ〔虎〕/先輩刑事から20年前に遭遇した消えた三つの他殺体の話を聞かされた木場は、事件について調べるため日光へ〔貍〕/ 日光で発掘された古文書の調査に駆り出された京極堂。共に作業する学僧の築山は、光る猿の噂を耳にする〔猴〕/亡くなった大叔父の診療所を整理するため日光を訪れた緑川は、大叔父が秘密裏のプロジェクトに参加していたことを知る〔鵺〕》
各章別々の語り手で違う出来事が起きていて、少しずつ順繰りに話が進行する。鵼を構成するそれぞれのパーツ。失踪者や過去の殺人らしき事件はあるが、現在進行形の大きな事件は起きない。榎木津は例の如く好き勝手に暴れている。元気そうでなにより笑
次第に部分的な繋がりが見えてくる。しかし繋いだところで、実態はない。“鵼なんて居ない”のだ。京極堂によって謎は一通り解明されたけど、なんと掴みどころのない結末か。まさに鵼。今回は主要キャラ総登場のアベンジャーズなうえ、過去作を思い起こすような話が随所に盛り込まれていたけど、まさか巷説のあの人まで。このシリーズで、あの三鈷鈴の音を聞くことになるとは。「化け物の幽霊」か…。懐かしくも寂しい音色でした。
新キャラの緑川さんが、さっぱりした気性で理知的で、あの面子にも引けを取らない返しができる、いい感じの女性だった。再登場に期待。
読了日:10月04日 著者:京極 夏彦
これ描いて死ね (1) (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)
★3.5 マンガ大賞2023受賞作。電子版で1巻が半額になるので、試し読みして面白そうだったので購入。初見では絵柄があまり好きじゃない感じだったけど、ストーリーに乗ってきたら慣れた。
離島で暮らす漫画好きの女子高生が、憧れの漫画家と意外な形で出会い、漫画同好会を作ろうと自ら漫画を描き始める。技術も知識もなく情熱しかない主人公が最初に仕上げたのは、落書きみたいな拙い漫画。それが周りの批評やアドバイス、作画仲間などを得て、次第に形になっていく。まだ挫折を経験していないので、今後どうなっていくのか楽しみ。
巻末の読み切りは、先生が若き日のサイドストーリー。なぜ筆を折り教師をしているのか、今後またサイドストーリーの方も描かれていくのかな。むしろ本編より先生が真の主人公なのではと思えてくる。
読了日:10月11日 著者:とよ田 みのる
猫の診察で思いがけないすれ違いの末、みんな小刻みに震えました
★4 twitterでフォローしているやーこさんの抱腹絶倒エッセイが書籍化!未読の話もあり、何度も吹き出してしまった。人前で読むには要注意。淡々とした文章で、とんでもないシュールな状況を冷静に描写しているので、そのギャップに笑ってしまう。これ本当の話なんだろうか。ネタなんじゃないかと疑っている。ネタでも面白いからいいけど。
読了日:10月15日 著者:やーこ
税金で買った本(8) (ヤンマガKCスペシャル)
★4 石平君の性格のバランスの良さ本当好きだなぁ。どんどん難しい本も読むようになってるし、面白い子だ。
『ぼくは勉強ができない』「ケーキの切れない〜」みたいに、本当に会話が成立しないくらい勉強?ができない子がいるんだよな。石平君がいて良かった。あと山田君ていつもつるんでる子か!最近あんまり出てこないから忘れてた汗。出会いはこんな感じだったのか。
『音と振動の科学』気持ちは分かるけど○○警察と一緒で傍迷惑。耳が遠いから注意する声も大きかったのか。
『陽気なギャングが地球を回す』灰坂君の過去が明らかに。毒親だ…。お姉さんかっこいい。
『ライブラリアンのためのスタイリング超入門』こんな本まであるんだw 見た目で舐められないようにするっていうのは確かにあるんだろうな。武装だ。
『芥川賞直木賞秘話』話題作人気作の複本問題。何百人待ちでも買わない人は買わない。確かに。
『番外:学習室の灰坂くん』灰坂君何の勉強始めたんだろうな。
読了日:10月16日 著者:系山 冏
やうやう古書店は今日も平和です (カルトコミックス Niμcollection)
★4 試し読みが面白かったので電子版を購入。コミュ障大学生がコミュ力おばけの店長がいる古書店でバイトを始める。店長も周りの人も優しくヨウ君を見守ってて、ほのぼの。高身長でスタイルいいと思ったら、お姉さんはモデルという、実は高スペックなヨウ君。これだけデカくてイカつい人がオドオドしてたら、構いたくなるし、いっぱい食べさせたくなるなぁ笑。包容力の権化みたいな人と、人生迷子な人のコンビ、好きな組み合わせ。こんなんばっか読んでる気がする。
読了日:10月17日 著者:えんか
拾い猫のモチャ8 (KITORA)
★3.5 最終巻。娘ちゃんは実家に戻ってきたんだ。動物看護師とか目指してるのかなと思ってたけど、進路については明確に示されずに終わってしまった。猫も3匹になって、娘も帰ってきて、これからも一家の日常は賑やかに和やかに続いていくんだろうな。
読了日:10月17日 著者:にごたろ
みどりの がけの ふるい いえ
★3.5 絵が可愛いなと思って読んだ。《高い崖の古い家に暮らす猫。ある朝、地響きが起き、強い風が吹きつけた。窓を閉めようとすると、窓辺に色とりどりに輝く石のようなものを見つけて…》
少しずつ大きくなる石。友達のニワトリは怖がり始めるけど、猫はわりと呑気。不穏な展開だと思ったら、オチはほのぼのだった。表紙と、水浸しのシーンの絵が良かった。びしょ濡れの猫が可愛いな…。
読了日:10月21日 著者:なかの 真実
ねことことり
★4.5 『みどりの がけの ふるい いえ』の絵が良かったので、同じ作者の絵本を。こちらはお話は別の人。やっぱり絵がいいな。こちらの絵の方が好きかも。猫はもちろん可愛いし、風景や家の中の背景も、庭にいっぱいの植物も、丁寧に細密に描き込まれていて、額に入れて飾りたいくらい。猫と小鳥の交流を描いたストーリーも、優しくて沁みる。とても良かった。
読了日:10月21日 著者:たての ひろし
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