遊び道具の1つに「ドレッサー」があった。
三面鏡になってて、
そこに映される自分を見ながら、
少し大人になった気分で、
母のメイク道具を内緒で拝借し、
口紅をはみ出したり、眉が波打ったり、
頬紅も真ん丸に描いて、、、
それはそれは、
史上最高の下手なメイクだったけど、
自分では、とても満足していた。
そんなメイクごっこ?をしている時、
兄が近付いてきて、こう言った。
「み○~、今見てる鏡あるでしょ、
それは、み○の顔じゃないよ!
本当の自分の顔が見たいか?」と。
そう言いながら、
兄は、三面鏡をパタパタと動かした。
「み○、ここを見てごらん!
皆から見えてる、み○の顔だよ!」
そこに目を向けると、
いつもの見慣れた顔ではなく、
何だか微妙に違和感を覚える私の顔が映し出されている。
「み○、鏡に映る顔は左右反転した姿。
だから、
もう1回、左右を反転させたら、
自分の本当の顔になるよ!」
それ以降、
この三面鏡で、よく確認するようになり、
遊び道具になってたっけ?
この三面鏡は、
母が学生時代から使っていた物で、
10年位前に廃棄したけどね。