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「第19回 所沢ミューズシネマ・セレクション~世界が注目する日本映画たち~」

2021-04-20 | 映画/DVD
ミューズマーキーホールにて開催された、「第19回所沢ミューズシネマ・セレクション~世界が注目する日本映画たち~」に行ってきました。前回の18回には行けませんでした。その後会場は改装工事があり、実に3年ぶりの開催となったとか。時節柄、開催されるかどうか心配していたんですが、無事に開催されてよかったです♪

4月16日(金)に『糸』、4月17日(土)に『スパイの妻〈劇場版〉』、4月18日(日)に『風の電話』を観ました。一日に何本も映画を観続けることができないタイプなので、一日1本です。映画のはしごができる人がちょっと羨ましい。

上映後はPFF(ぴあフィルムフェスティバル)の荒木さんが司会を努め、監督とのアフタートーク、観客の皆さんから質疑応答を受けてくださいます。いつもは、パンフレットにサイン&希望すれば握手もしていただけるのですが、この状況下なのでありません。残念ですが仕方がありませんね。

公式サイトはこちら。→ 「ミューズシネマ・セレクション」

感想とアフタートークを思い出しつつ、ざっくりと備忘録として簡単に書いておきますね。
ネタばれがありますのでご注意ください。敬称等は省略させていただきます。


『糸』 ゲスト:瀬々敬久監督
公式サイトはこちら。→ 映画『糸』公式サイト
王道のメロドラマ。幼なじみ、初恋、すれ違い、不幸な家庭環境、災害(3.11)、病気、死、裏切り、再会からのハッピーエンド♡とてんこ盛り。
お涙頂戴風といえばいえなくもないが、ぎりぎりファンタジーまではいかない感じ。中島みゆきの名曲が散りばめられていて、それがよかったな~。おもしろかったし泣けた。
アフタートークは今まで観た中で一番、監督が作品に思い入れがないように見えた。「あまり覚えてないな~」を連発。俳優の名前(成田凌)も失念していたし。苦笑。
PFFの荒木氏が「俳優さんは大変ですよね~」と話をふっても、「いいんじゃないんですか?ちやほやされるし、好きでやっているんだし」と一刀両断に。冗談にしてはかなりきつめ。
ラストのフェリー乗り場のシーンでは、TBSのプロデューサーに何か言われて、台本を叩きつけてその場から立ち去った。ご自身が好きな「『狼になりたい』をフェリーに乗っているシーンで使いたい!」と言ったら、プロデューサーに断固拒否された。現場の雰囲気は悪かっただろうな…。
「映画は嘘をつくけど、嘘はつかない」をモットーにしている。「映画は作りものだから嘘なんだけど、大きな嘘はわくわくするが、リアルじゃない嘘はしたくない」。特攻隊のドキュメンタリーを撮ったとき、「映画は嘘をつくからな…」と言われた(直接言われたのはAD)ことが頭にあるらしい。


『スパイの妻〈劇場版〉』 ゲスト:黒沢清監督
公式サイトはこちら。→ 映画『スパイの妻』
NHKのドラマ版を観たような気が…。ストーリーはうろ覚えだったけど。
第二次大戦下の満州で関東軍が行っていた細菌兵器の人体実験が絡む話。舞台  NODA MAP『エッグ』を思い出した。こちらはもっと生々しい感じだったが…。
サスペンス仕立ての戦争もの?かと思っていたが、戦争自体はそんなに重く扱っておらず、残虐シーンはほとんど映っていなかった。夫婦愛の映画かも?と感じた。改めて高橋一生、蒼井優はいい俳優だな~と思った。
雰囲気のある本物の古い洋館、衣装も素敵♡
アフタートークは前日とうって変わって、監督は明るく話し、質疑応答にも誠実に答えてくださっていた。
衣装は高橋一生、蒼井優、東出昌大と憲兵たちの衣装はフルオーダーという贅沢をさせてもらった。だからサイズがぴったり!
NHKのアーカイブをただで使えてラッキー♪
高橋一生、蒼井優クラスの俳優になると、説明とかしなくていいし、「これはどういうことなんですか?」とか聞いてこない。蒼井優の台詞回しは昭和映画の大女優、田中絹代をイメージしている。
かつてのハリウッド映画のサスペンスが好きでやりたかった。現代劇だと価値観が多様化していてできない。時代劇だとできる。「サスペンス+メロドラマ」の映画。
ラストのテロップは編集中に付け足した。脚本にはなかったので、俳優は試写を観て驚いていた。観客の皆さんで思い思いに感じていただければ。


『風の電話』 ゲスト:諏訪敦彦監督
公式サイトはこちら。→ 映画『風の電話』
3.11で家族を亡くした高校生のハルが、出会った大人たちに助けてもらいながら故郷を目指すロードムービー。余韻の残る素敵な映画だった…。あちらこちらですすり泣く声が聞こえていた。
出会う人たちはみなそれぞれ背負うものがあり、傷ついている。ハルだけでなく…。
主演のモトーラ世理奈がとにかくよい! ハルは彼女しかいないと思う。
アフタートークで登壇した監督はスタンダールの『赤と黒』よろしく、赤と黒の装いで現れ、PFFの荒木氏も赤と黒の装いで一致するという偶然。
広島から岩手まで順番どおりに撮っていった。普通は順番どおりには撮らないと思う。
台本には台詞はほぼなく、3~4行の「こんな感じで」みたいなことが書いてあるだけ。ほとんど俳優の即興。PFFの荒木氏曰く、「西田さんは西田さんでしたね~」と感想を話す。
子供たちに観て欲しい。各地で上映会を行っていた。長野県上田市では不登校の子供たちを市が招待して、参加すると出席扱いにする。いいアイデアだと思う。
オーディションでモトーラ世理奈を観たときに、「彼女しかいない!」と思った。名前の“ハル”は自分がつけた。“春香”は脚本家がつけた。
森尾とハルは精神年齢が一緒。年齢は森尾のほうがずっと上だが、ハルは森尾を呼び捨てにする。同じ傷をもつもの同志だから。支えてもらっていたのはハルでもあり、森尾でもある。
退席のとき、監督はテーブルに飾られていた真っ赤なガーベラを一輪、すっと持っていかれた。スマートね~。ちなみに、4月18日は「ガーベラの日」♪

余談。監督のこの振る舞いを観て、某若手舞台俳優のことを思い出した。彼は自分に送られたファンからの花を一輪だけ持ち帰る。先輩からそう教わったのだそうだ。素敵だな~♡


ホワイエに飾られていたポスター、監督の直筆サイン入り♪
『糸』



『スパイの妻〈劇場版〉』 



『風の電話』
 



パンフレットいろいろ♪











1階チケットカウンターの近くで、ディレクターチェアに座ったゆるキャラの「トコろん」。可愛い♡
スタッフらしいです。何のお仕事するんだろう~?




これからもPFFの荒木氏は所沢市と協力して、シネマ・セレクションを続けていく意向らしいので期待していま~す♪






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