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田中康弘『山怪 山人が語る不思議な話』内容と感想

2020-08-24 10:18:42 | 電子書籍
山と渓谷社 田中康弘『山怪 山人が語る不思議な話』(電子書籍版)を読了しました。

内容と感想をざっくりと備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【目次】
序文
Ⅰ 阿仁マタギの山
狐火があふれる地/なぜか全裸で/楽しい夜店/生臭いものが好き/狐の復讐/見える人と見えない人/狸は音だけで満足する/消えた青い池/人魂、狐火、勝新太郎/親友の気配/辿り着かない道/蛇と山の不思議な関係/汚れた御札/マタギの臨死体験/叫ぶ者/白銀の怪物

Ⅱ 異界への扉
狐と神隠し/不死身の白鹿/来たのは誰だ/もう一人いる/道の向こうに/響き渡る絶叫/僕はここにいる/謎の山盛りご飯/山塊に蠢くもの/鶴岡市朝日地区/出羽三山/鷹匠の体験/奈良県山中・吉野町/ツチノコは跳び跳ねる/足の無い人/只見町/山から出られない/行者の忠告

Ⅲ タマシイとの邂逅
帰らない人/死者の微笑み/迎えに来る者/ナビの策略/椎葉村にて/テントの周りには/宮城県七が宿町/なぜか左右が逆になる/不気味な訪問者/奈良県天川村/帰ってくる人/固まる爺婆/お寺とタマシイ/飛ぶ女/帰ってくる大蛇/呼ぶ人、来る人/狐憑き/真夜中の石臼/狐火になった男


【内容】
著者の田中康弘が交流のある秋田・阿仁のマタギたちや、各地の猟師、山で働き暮らす人びとからから、実話として聞いた山の奇妙で怖ろしい体験談を多数収録。
話者が自分で経験したこととして語る物語は、リアリティがあり、とらえどころのない山の裏側の世界を垣間見させてくれる。山の怪談、現代版遠野物語。


【感想】
オカルトやホラーではなく、なんとなく不思議なお話が好きなので、夏でもあるし電子書籍版を購入してみた。

「山怪」と書いて「さんかい」と読む。初めて見た言葉なので、正直、読み方がわからず「やま?さん?えっと~どっち?」と思ったのは内緒。
日本の山にいる何かーはっきりしない何かを「山怪」と呼ぶのだそうだ。
山での不思議な出来事の類や謎の現象譚を、地道に日本各地に赴いて取材して収集しまとめたもの。
大体が狐や狸の仕業で、妖怪?の仕業ということもあるらしい。化かされたり、取り憑かれたり、狐火が見えたり、音が聞こえたりするらしい。
「らしい」ばかりだが、本当のことは誰にもわからないし、あるのかないのかそれもわからない。それでいいんだと思う。全ての事柄において、明確な答えが用意されているほうが逆におかしいと思うし。
答えはあってないようなもの、信じるも信じないも自由だが、ただ「不思議な現象」があったことだけは事実。それはそれとして、ただそのまま受け止めていいのではないだろうか?

ほんのり。。と怖いような怖くないような、どこか懐かしい気持ちがする怪異譚ばかり。するすると読めて楽しめる一冊。
まだ続編があるようなので、また購入するかも。


【余談】
狐といえば…亡くなった父のことを思い出した。父は山育ちで山が大好きな山男で、山菜や植物を採ってくるのが趣味だった。山男といっても登山ではなく、生活に近い山歩きというのだろうか?この本に出てくる男性陣に近いと思う。
その父から子供の頃に聞いたお話をふと。。思い出した。狐のお話だ。
父がまだ子供の頃、親にお使いを頼まれて、一人で油揚げを買いに行った帰りのこと。暗くなった山の細い道を歩いていると、後ろから狐が一匹ついてくる。飛びかかってくるでもなく、吠えるわけでもなく、一定の距離を保ってただずっとついてくるのだそうだ。父はまだ子供だし、「怖かったな~子供だからと舐められていたんだろうな」と言っていた。油揚げは無事だったそうだ。
「山怪」のひとつに出てきそうなお話だな。。

いつも書籍を購入している、ハイブリッド型総合書店 honto で初めて電子書籍を購入してみた。AmazonのKindle版を何冊か購入していたのだけど、最近なぜかDLが上手くいかないものがあったり、読みやすいようなそうでもないような。。微妙な使い勝手が気になっていたので、今回は honto で購入してみた。
結果、DLも問題なかったし、読みやすかったのでこちらでもいいかな~と。DLと削除の速度が遅くなるらしいけど。SDカードに保存先を変更しておいた。メモリが心配なのでね。

そういえば…。AmazonのKindle版の感想をアップしていないことに今、気づいた。まぁ、フラワーアレンジメントの本とかコミックだったので、そのときは別にいいかな~と思ったような記憶が。そのうち気が向けばアップするかも。




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