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梨木香歩『冬虫夏草』あらすじと感想

2023-02-01 14:09:11 | 紙の書籍
新潮文庫 梨木香歩『冬虫夏草』を読了しました。


あらすじと感想をざっくりと備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【目次】
クスノキ
オオアマナ
露草
サナギタケ
サギゴケ
梔子
ヤマユリ
茶の木
ショウジョウバカマ
彼岸花
節黒仙翁
紫草
椿
河原撫子
蒟蒻
サカキ
リュウノウギク
キキョウ
マツムシソウ
アケビ
茄子
アケボノソウ
タブノキ
ヒヨドリジョウゴ
寒菊
ムラサキシノブ
ツタウルシ
枇杷
セリ
百日草
スカンポ
カツラ
ハウチワカエデ
ハマゴウ
オミナエシ
解説


【あらすじ】
亡き友、高堂の家を守る物書き、綿貫征四郎。姿を消した忠犬ゴローを探すため、鈴鹿の山中へ旅に出た彼は、道道で印象深い邂逅を経験する。河童の少年、秋の花実、異郷から来た老女、天狗、お産で命を落とした若妻、荘厳な滝、赤竜の化身、宿を営むイワナの夫婦。
人間と精たちがともに暮らす清澄な山で、再びゴローに会えるのか…?


【感想】
梨木香歩『家守綺譚』の主人公によるささやかで豊かな感性が満ちている続編。
前作同様に全編に流れるのは牧歌的で民話的な風情。現実と非現実の間を絡みあうようにして、物語は粛々と進んでいく。どこまでが現実?などと問うのは無粋で、この不思議な感じをただ味わえばよいのだ。
目次にあるように、各章はすべて植物からなっている。カタカナだったり、漢字だったりして統一していないのがおもしろい。植物好きにはまた別な愉しみかたがあると思う。
ゆらゆらと、ふわふわと小川を流れる木の葉のような味わいの作品。

最後の征四郎の言葉に泣ける。この想いだけで征四郎はこの深奥の山にまでやってきたのだ…。
>来い。
 来い、ゴロー。
 家へ、帰るぞ。


【余談】
梨木香歩『家守綺譚』は蔵書にあり読了しているが、何故か?こちらに投稿していないようだ。おそらく、読了したものの記事を書くのが遅れて、感想が薄れてしまいそのまま放置した模様。「ま、いっか」となったと思われる。苦笑。
面倒がらずにすぐに記事にしてしまわないと、こういうことになるね~。気をつけよう。


【リンク】
梨木香歩『冬虫夏草』新潮社








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