真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

ハルバースタム最後の作品 『ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争』(上/下)を読む

2009-11-30 | 読書-歴史
誤算~油断、弛緩、思い込み、決め付け、神格化、無謬性、拘り・・・
安全な隣国から命令を下す司令官。
その誤判断の代償は、前線の兵士が彼らの命で払わされる。

もしかすると、同様のことは、いつの世も、どこの国でも、どの業界でもいえることか・・・。
それは過言の滝?命まで取られるわけではない?
そりゃそうだけどさ。

なぜか、どこかの都知事(どこかじゃないだろ?)を思い浮かべてしまったりする。
カネで済む話ならいいだろ、というものでもないか。

『ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争』〈上〉
原書名:THE COLDEST WINTER
ハルバースタム,デイヴィッド【著】〈Halberstam,David〉
山田 耕介 山田 侑平【訳】
文藝春秋 (2009/10/15 出版)
同〈下〉

小飼 弾氏:忘れてはならぬ戦争 - 書評 - ザ・コールデスト・ウィンター 朝鮮戦争

中日新聞・東京新聞[評者]姜 尚中(政治学者)■米国の挫折の始まり捉える


たしかに表面的にはそういうことにもなるわけで、という例として(こう並べてしまうとナニであるかもしれないのだが・・・)。
マッカーサー伝説覆す 評・榧野信治氏(読売新聞本社論説副委員長)
日本人のマッカーサー観にも大きな影響を与えるのではないか、という部分には同意できる。

仁川上陸の大博打に成功してからは、だれもマッカーサーに異論をさしはさめなかった由。
前線の実情に無関心で、机上の議論で命令を下す司令部として「第一生命ビル」が再三再四登場する。

「ホワイトハウス」や、「ペンタゴン」のような感じで、ビル名として。
(同ビルにはマッカーサーが使った部屋やら調度が保存・展示してあるそうだが)

第30章のタイトルは「東京の命令に戦場の現実をあわせる」。
同章に限らず、随所にその作戦指導の無茶苦茶ぶりがこれでもかと描かれる。
現場の声・実情とは違って当然かも。目的が違うんだからさ。

元帥が解任され帰国した際の、米国内での受け止め方の記述が興味深かった。
せっかく戦争(WWⅡ)に勝ったのに、最終兵器(Aボム)まで持っているというのに・・・・という冷戦自体への米国民の不満がマッカーサー大人気(トルーマン大不人気)に現れていたという指摘。

第50章 議会公聴会での対決
“当時はほとんどだれも分かっていなかったが、ある意味で、これは大規模な反戦運動だった。朝鮮戦争だけでなく、おそらくは冷戦反対の運動でもあった。・・・
・・・ある意味で、それは別の時代への架け橋だった。”

それと、蒋介石軍を投入してはどうか?という議論があったとは知らなかった。
マッカーサーが議会に提言したが、実情を知る軍人らが猛反対。
あれだけ援助したのに内戦に負けて台湾に追い出された連中であり、部隊ごと寝返ったりする可能性もある(前例あり)し…ということで却下。

在任中は小物としてあまり尊敬されていなかったトルーマンが、歴史上果たした役割の大きさ・・・。
引退後に「立派な元大統領」になるケースは意外とある?

日本で大量に生産された元総理で、その類、すなわち元総理として尊敬を集めるケースはあったかな?
鬼籍に入ってしまった?
ご意見番というか、ヒョーロンカは居たか・・・。

<その2>につづく。

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