真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

『夫の悪夢』 (藤原 美子さん 2010年)  ・・・リンク切れの嵐失礼

2014-04-01 | 読書-エッセイ/小説etc
というわけで、美子夫人の単著に。

夫の悪夢
藤原 美子【著】
価格 \1,500(税込)
文藝春秋(2010/04発売)

文庫

藤原ご夫妻のインテリ夫婦漫才のセンスが、ダンナの長年の訓育で形成されたものか、奥方も元々素質がおありだったのか、に興味を持ったもんだでw

35歳と23歳でご婚約されたという、一回りも違う歳の差なのだが、学者の家系で、父君の東大の研究室に遊びに行き、同僚の小柴昌俊博士にも可愛がられていたという夫人は、十分その素質があったことがわかる。
まあ、変人数学者と響き合うものがあったからこそ、一緒になられたのだろうから、むべなるかな。

小柴博士が親方というか、棟梁タイプなのが良くわかる。
だからこそ、多額の予算を引っ張ってくる必要のあるビッグサイエンスの典型である素粒子物理学のような分野で成果を上げられたのだわね。

クラゲを集めた下村博士
と行き方が異なる。
それぞれ適性に応じた分野で花開いた、と。

藤原美子夫の悪夢: 平成引用句辞典=気になるフレーズ
賢夫人による“家族自慢”本。夫君はその著書で見せる面白イメージそのまま。

うん!このエピソードが最もインパクトがあった。
     ↓
父は「御無沙汰しています。これは娘です」と隣にいた私を紹介し、私にその方の名前を告げた。私はハッとした。ドラムを打つように激しく心臓が鳴り出した。
・・・
その方の名前ははるかはるか昔、私がまだ十代だったころ、母が懐かしむように語ってくれた名なのであった。父との結婚が決まる前、誠実な態度でずっと好意を寄せていてくださったの、と母は言った。そのときの母の表情から、おそらく母もその方に惹かれていただろうことは私にも感じられた。
・・・
その方は父が私を紹介すると、私を見て眩しそうに目を細められ、「ああ、お母様にそっくりだ」とつぶやくようにおっしゃられた。
父の耳にはその言葉が届かなかったようだ。父は四方山話を始めていた。その方は父の話に黙ってうなずきながら、ずっと私を見つめていた。目を離すことができない、といった様子だった。慈しむような優しい眼差しだった。


…この話を読めただけでも、価値があった。

ダンナ以外が映画に出演された件
藤原美子、藤原寛太郎、藤原彦次郎、藤原謙三郎が出演した「剱岳 点の記」

原作は新田次郎の『劒岳<点の記>』です。この映画には、新田次郎の血縁者も関わっています。新田次郎の長男である藤原正広と次男の藤原正彦は企画協力として、さらに、藤原正彦の妻である藤原美子は古田盛作の妻役として出演しています。藤原正彦の息子、藤原寛太郎、藤原彦次郎、藤原謙三郎も出演をしています。

写真1
写真2

「附属の皆さん」にはヨッチンと呼ばれた藤原(田丸)美子さん

凄いな、ファンサイトか?
横国附属鎌倉中学校昭和45年卒同窓HPだそうで。

「田丸先生インタビュー」
1958年 秀子、美子、マミ と
という写真があった。
これね:田丸謙二先生インタビュー
(化学語り部, 第6回)
日本化学会化学遺産委員会, [2009]

田丸謙二先生ホームページ

田丸謙二 (1923年11月2日誕生)

知の専制さん評

東大教授に抜擢され家族も皆元気最も幸せな時代という写真があった。
「ああ、お母様にそっくりだ」の逆で、「成人後の娘さんにそっくりだ」。

息子さんたち、これか?
藤原 寛太郎 理工学研究科 数理電子情報部門 | 埼玉大学研究者総覧
藤原 寛太郎 | 教員プロフィール | 東京理科大学

藤原 彦次郎Graduate School of Economics, Hitotsubashi University

メンバー紹介 - 東京工業大学院 知能システム科学専攻 中村清彦研究室
⇒平成26年度学位論文藤原 謙三郎: 動力学系を特徴付ける不変多パラメータ感度

吉例、重箱の隅:

ソ連の対日参戦は、1945年8月9日の夜ではなくて、8日の夜から日付が9日に変わった時ね。
東京大空襲(3月9日の夜中過ぎ、10日の0時過ぎから。「10日の夜」ではない)と同様。

8月9日午前1時(ハバロフスク時間)にソ連軍は対日攻勢作戦を発動した。
ソ連対日参戦とは、満州国において1945年8月9日未明に開始された、日本の関東軍と極東ソビエト連邦軍との間で行われた満州・北朝鮮における一連の作戦・戦闘と、日本の第五方面軍とソ連の極東ソビエト連邦軍との間で行われた南樺太・千島列島における一連の作戦・戦闘。

2016/9 追記
リソウの夫婦~入門編~なる番組にインタビューご登場。
渡辺明竜王(棋士)、佐藤可士和(クリエイティブディレクター)、藤原正彦(作家・数学者)といった新旧世代の個性豊かな夫婦3組の知られざる私生活に迫りながら「理想の夫婦」像を巡ってスタジオでトークバトルを繰り広げる。

なんだ、ドラマの宣伝かい

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