僕は沖縄を取り戻したい 異色の外交官・千葉一夫 - Wikipedia
スペシャルドラマ 返還交渉人~いつか、沖縄を取り戻す~
ドラマの再放送を観て、原案の本の存在を知ったもの。
目次
序章 “鬼”と呼ばれた男
第1章 戦争の影を背負って―一九四五年・沖縄戦と原爆
第2章 「僕は沖縄を取り戻したい」―外務省入省
第3章 「ポトマック川を渡れ」―在米大使館にて
第4章 北米第一課長就任―屋良朝苗主席との出会い
第5章 “核抜き・本土並み”は可能か―返還のシナリオを描く
第6章 佐藤・ニクソン共同声明―返還「大枠合意」の舞台裏
第7章 屋良との約束―“基地縮小”の模索
第8章 返還協定の締結―残された課題
第9章 「沖縄は変わった、しかし、沖縄は変わらない」―晩年
証言ドキュメント “沖縄返還史”(前編)スペシャル - NHK
【ロサンゼルス】LAの総領事、千葉さん離任 父は「沖縄返還交渉人」
2019年8月11日
sashaさん評
なるほどね。
荒井聰 - Wikipedia
今週の本棚・著者:宮川徹志さん 『佐藤栄作 最後の密使』 | 毎日新聞
関係者の信頼を得ることによって深い話が聞けている。
それにしても、千葉課長(当時)が県知事にたいそう気を遣って情報を入れて信頼関係を強固にしながら困難な交渉を進めたことにうーむとなるなど。
上司や関係部門の担当者たち(偉ーくなった諸氏多数)とも信頼関係が強固でしっかり情報共有しつつ難事を推進。
だが、替った新しい上司とはたいそうそりが合わなくて・・・という流れが鮮やかに描かれる。
機密解除文書の課内メモ等々を綿密に解読して、語られてこなかった詳細を読み解いていったことが分かり、敬意を表するわ。
新局長への報告が素っ気なくなっていたことなども、元資料を見るとわかるというのが、興味深い。
細かいニュアンスまで共有して適切な(と信ずる)方向に皆で進めていた時期から、「そもそもあのやり方はどうなのか」と思っている新上司には、余計なことを報告しても睨まれるだけ・・・。
さぞ辛かったであろう~荒れて酒に逃げた場面も記述。
その相手を務めた元部下なども健在だったりして、インタビューで話も出たのかもしれないが、敢えて紹介していないのがよい。
夫人の回想で十分でしょう。絵になる(ドラマに採用)場面も採集できたことだし。
なお(本書から離れるが)、その後、当該役所や他の役所等でも、都合の悪い文書を廃棄して知らんぷりしている役所がある云々と報じられているが、残念至極なこと。
屋良朝苗 - Wikipedia
革新陣営の人物だったが、その前に愛国者という基本がしっかりしていたのでね。
現在は???????????
なんなのあのコロナ対応は??????????
Kazuo Chiba (1925–2004): An Outstanding Japanese Diplomat
本筋に関係ないが光る重箱の隅。
千葉が戦中に学徒出陣で海軍に進んだ(千葉は大和田通信所で通信解析等)際、初期の訓練で一緒だった人たちに関する記述。
門馬祐(ユタカ)氏について、佐世保に近い川棚で「そこで木製のボートへ爆弾を積んで敵艦に体当たりするいわば、“人間魚雷”のような特殊潜航艇」の訓練を行ったとの記述(p15)。
後半下線部分は余計というか、一挙に荒唐無稽になるのが残念。
当該木製ボートは震洋 - Wikipediaで間違いないと考えられる。
この程度なら学徒兵を乗せるに適当と考えられたのだろう。
水上を航走するモーターボートであって、「回天」=人間魚雷や、「甲標的」「蛟龍」「海龍」=特殊潜航艇(学徒兵はちょっと無理では?)とはかなりかけ離れた兵器。
これを一緒くたにするのは、プロのジャーナリストらしくない。
水上特攻艇『震洋』 原寸大模型の展示館が完成 「当時の隊員の気持ち想像して」 | 長崎新聞