おかげさまで年始早々すごいスケジュールをいただいてしまった1月も無事楽しく終えることができました。「今月は(できれば)すべてのライブレポートを書こう!」を目標にしていたので…前回の時点で書いていなかった29日と30日のレポートです。
・1/29 祐天寺FJ's-Utau Ashibue
深町純さんがオーナーのお店「FJ's」でのウタウアシブエ。演奏するのは自分にとっては2回目で、とても落ち着いた雰囲気のすてきなお店です。キーボード・シンセサイザー奏者の大御所であるオーナー自らがマイクをセッティング、PAや照明までいろいろお気遣いをいただきます。
岡田浩安さんとシンガーソングライターの須藤かよさんとご一緒しました。私はかよさんにお会いするのはこの日が初めてで、3人のスケジュールの都合でセッティングでの音出しが全体での唯一のリハ時間。岡田さんとかよさんのドゥオ共演は多かったそうなので、それにギターが乗る構成の曲も多く、さらに完全インプロ(即興)もあります。
Chi「インプロってテーマはその時決めますか?」
Oka「そりゃインプロだからね」
Chi「チューニングはどれくらいで?」
Kayo「このキーボードってピッチ(=音の高さ)いくつくらいですか?」
Jun「そりゃ自分の耳で聴いて確かめれば分かる!」
Chi「すみません…」
せっかくいいツッコミを入れてくださったのに、こちらは余裕のない感じです…
これまで私が参加した「ウタウアシブエ」はボリビア音楽や南米をテーマにした岡田さんオリジナルが多かったのですが、この日は大きくテーマを変えて、ゆったりとした曲調のものが中心。静寂の中の音世界は岡田さんのひとつの真骨頂。前半では須藤かよさんのピアノをフィーチャー、かよさんのオリジナル曲の美しい旋律と豊かな遊び心がすてきです。
演奏中お店に入ってきたのはなんとSaigenjiさん!ということで後半は急遽ゲスト参加されました。長年岡田さんのパートナーでもあったSaigenjiさんが岡田さんのために書いた曲をドゥオで、そしてあの「インプロ」を4人で弾きます。テーマは和音「Dで」だけで十分でした。Saigenjiさんのギターのさすがの求心力、かよさんの浮遊感、岡田さんの多彩な笛の音色とともにぐいぐいと引き込まれ、気がつけば私もリラックスして力が自然に入るようになってきています。めくるめくリズム・ワールドを堪能しました。
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・1/30 下北沢テピート-Ricky Rodriguez
朝は須藤かよさんのCDを聴きながらゆっくりと昨日の余韻を味わい、気持ちをきりかえてこの日の準備。その後、福岡稔さんのお店「アンデスの家ボリビア」に顔を出します。最近吉祥寺から小平に移転し、土日の営業。充実の楽器とCDはもちろん、店内も広々としていてくつろぎます。この日は岡田さんも来店、そしてきのうご一緒した須藤かよさんも合流、ちょうどお店にいらしていたお客さんも一緒に5人でお茶します。
Kayo「よくこの辺通るんですよ~看板見て『何のお店だろう?』って思ってたんです」
Oka・Chi「それはすごい!」
(中略)
Minoru「岡田くんのことは中学生のころから、智詠くんはこんなにちっちゃいときから知ってるんだよ、あの看板は智詠くんの親御さんのデザインなんだ」
Kayo「へえ~」
(中略)
Okada「そうそう、福岡さんの前のお店の2階に知り合いが住んでたみたいで」
Minoru「何だって!」
まず「世界はせまい」ということだけは言えます…
ゆっくりしたかったのですが先に失礼してテピートへ。リッキー・ロドリゲスさんと共演するのは1年半ぶり。この日はリッキーさんのお客さんや私の友人も来てくれて大盛況でした。ペルー出身のリッキーさんの名演奏、ケーナ、チャランゴ、サンポーニャ、そして歌。私よりもはるかに完璧な日本語のMCでお客さんをもてなすリッキーさんのやさしさに心がすごく温かくなります。
リッキーさんと私の共通の友人の踊り手、「ダンサ・エレンシア」の哲夫さんとふみかさんも来てくれました。哲夫さんはやや落ち着かない様子、というのもちょうどこの時期、アルゼンチンでは「コスキン・フェスティバル」が開かれていて、しかも50周年。「行きたかったなー」とYouTubeで毎晩観ているそうです。
前回のフェスティバルで日本代表としてコスキンの大舞台でチャカレーラを踊った哲夫さん、その気持ちを察してか、リッキーさんが「一曲ここで踊ってくださいよ!」とリクエスト、5秒後には立ち上がり、すぐに演奏スタート(アデントロ!)。哲夫さんのはじけるサパテオに大盛り上がり、テピートが一気にペーニャのような雰囲気に。やっぱりチャカレーラはいいなあ。
…あらためてすごい1月を過ごさせていただきました。明日からの2月も元気にまいります!