2023年は演奏だけでなく、素晴らしいライブをたくさん鑑賞することができました。9月編に続き、11月編をお送りします。
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・11月3日(金) サルサ・スインゴサ We've got the "REAL”
Fellows(栃木・小山)
Fellows(栃木・小山)
大儀見元さん率いる「サルサ・スインゴサ」のライブ。いつもフラメンコの現場でお世話になっていますが、専門中の専門であるサルサのライブにずっと行きたかったので、ようやく行くことができました。ちょうどこの日の昼間に隣町の茨城県結城市でケーナ奏者のRenさん、ギタリストの犬伏青畝さんとトリオで演奏していて、ぎりぎり開演に間に合いました。
10人編成で大儀見さん含め10名、パーカッション3人、トロンボーン4人、ピアノ、ベース、ボーカルという編成でツアー初日のテンションが高い!大儀見さんのボーカル&ギター弾き語りを拝むこともできました。
遠方からかけつけたと見受けられるファンの方が最初から最後まで踊りっぱなし。若いお客さんもいてきっと(クラブとは別の意味で)刺激の強い夜だったかもしれません。私も踊れないなりに体をユサユサしながら楽しく過ごしました。
サルサ・スインゴサ
大儀見元 Conga, Vo.
岩村健二郎 Vo.
亀崎ヒロシ Timb
加瀬田聡 Bongo
中島徹 Piano, Cho
澤田浩史 Bass
中路英明 Tromb
宮内岳太郎 Tromb
小坂武巳 Tromb
堂本雅樹 B-Tromb
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・11月8日(水) 石塚隆充カルテットwith沖仁&早川純
COTTON CLUB(東京)
丸の内にあるコットンクラブでのカンタオール石塚隆充さんリーダーのスペシャルライブに行きました。ブルーノートと並ぶ敷居の高さ、ここで普通に食事してライブを観るというのは(ご予算的に)ちょっと勇気のいることですが、レストランやホテルでのディナーショー等に出演している身としても、純粋に客の立場で過ごす貴重な経験となりました。
しかも出演者のみなさんとはほぼ全員ご一緒しているので、すごく贅沢な気分でもあり、つい一緒に演奏している気分にもなってしまいます。それくらい気持ちが高ぶる時間でした。石塚隆充カルテットのチーム力、ゲストとのコラボ、スペインやアルゼンチンの名曲をつづったプログラム。本当に感動の時間でした。
個人的には隆充さんとスペシャルゲストの沖仁さんの「Taka y Jin」の並びだけでも胸が熱くなりました。ちょうど私のテーブルと周辺は出演者のお身内の方が多いエリアで、久しぶりにごあいさつすることができました。あらためておめでとうございます!
石塚隆充カルテット
石塚隆充 cante,flamenco gt
大儀見元 perc.
コモブチキイチロウ bass
石塚まみ piano
スペシャルゲスト
沖仁 flamenco gt
早川純 bandoneon
パブロ・セルバンテス flamenco dancer
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・11月10日(金) 柴田亮太郎 Guitar solo live
キッチンHAL(大分・別府)
翌日の大分・宇佐でのイベント出演に備え前日に別府に宿泊。この日はちょうど別府でCD発売記念ライブ中のフラメンコギタリスト柴田亮太郎さんがソロライブ、これはもう行くしかないです。
※以下SNS記事より転載
前半はスタンダードナンバーをアレンジ、後半は新作CDのレパートリーから、ラストはゲストに山根律子さん(踊り)と下郡紀子さん(パルマ/手拍子)を迎えてのステージでした。静かなギターの立ち上がりの奥に比類なきコンパス(リズム)、爽やかな響きの中に芯がびしっと通ったサウンド。さすが先輩!やっぱりすごいです。至福の時間でした。
亮太郎さんのほぼ完全ソロライブは初めて、というか直接お会いしたのがちょうど11年ぶりだったことに自分でもびっくりしました。にも関わらず会場に入った時にすぐ声をかけてくださって感激です。
実は亮太郎さんとはこれまで2回、直接共演していて、一度目は2006年のプリメラギター主催のイベント(新宿エル・フラメンコ)、二度目は2012年の松山での伊須裕巳フラメンコリサイタルでした。
自分にとってはそれぞれ沖仁さんのバンドメンバーになったきっかけ、松山に移り住むきっかけとなった超・転機の2つの舞台をご一緒させていただいた、縁結びの神様的な存在です。
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・11月18日(土) 堀尾泰磨 津軽三味線ライブ
ワイズカフェ(愛媛・松山)
地元愛媛で活動する津軽三味線奏者の堀尾泰磨さんのライブに行きました。Ys cafeは大通りに面してガラス張り越しにライブ風景がよく見えます。堀尾さんは10年前に津軽三味線金木全国大会(青森・五所川原)で最高賞の「仁田坊賞」を受賞されている実力派。直接の共演はありませんが、数年前に今治でのクルーズ船の仕事で同船させていただいたことがあります。
今回こちらは仕事の都合で後半しか行けなかったのですが、迫力ある演奏を間近に体感できて幸せな時間でした。お店に到着する前後にも2~3組のお客さんが入店されていました。飛び入りゲストもあり、最初の師匠というお父様との2人での「じょんから節」、さらに後から来た(自分含む)お客さんのためにアンコールまで追加してくださいました。堀尾さんは定期でライブをされていますので、ぜひまた行きたいです。
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・11月23日(木) ロランド・エンシーナス 日本ツアー2023
自由民権記念館(高知)
この日はもともとI・ris(イリス/太宰百合さん&柴田奈穂さん)のCD発売記念ツアーにゲスト参加予定でしたが2024年1月末に延期(ゲスト参加は1/29高松 1/30松山)となりました。
(以下SNS記事より転載)
さて、(キャンセル対応の)必要な連絡も終わり…空いた11/23をどう過ごそうかと考えましたが、思いきって出かけることにしました。なぜならこの日は高知でケーナ奏者ロランド・エンシーナスさんの公演があったからです。
今回の来日公演のこれまでのステージを観た多くの方がSNSにあげていて、そのレポートは多幸感にあふれたものばかり。ボリビアの音楽が好きな多くの人にとって、ロランドさんの演奏スタイルや音色、音楽観はまさにひとつの象徴的な存在かもしれません。
日本にもこれまで何度も来日していて今回が4年ぶり、ちなみに私はずっと直接聴けていなかったのですが確認したら18年ぶりでした…
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メンバーは甥っ子にしてロランドさんの長年の右腕ジュリアーノ・エンシーナスさん、チャランゴ奏者の福田大治さん、ロランドさんの愛弟子の牧野翔さんが共演&2人通訳体制!両輪の通訳というステージは初めて観ました。
ロランドさんの音楽との出会い、当時のボリビア音楽の変遷がご本人トーク&お2人の好対照な通訳で生き生きと語られて、まるでその歴史を追体験しているようでした。間にちょいちょい日本語フレーズをはさみながら、愛嬌とユーモアに満ちた語り口、その気さくなキャラクターは健在です。
そしてジュリアーノさんによるサウンドの要(かなめ)のギターと、ロランドさんがきっと伝えたいことを全て表現するボーカルに感動しました。
表現は適切でないかもしれませんが、4人とも官能的すぎます。ロランドさんの超越したケーナの音に共鳴するように、どんどん会場のボルテージが上がっていくのを肌で感じました。
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プログラムではボリビアだけでなくベネズエラやアルゼンチンの曲も演奏。個人的には終盤で演奏したチャカレーラが、フアン・カルロス・カラバハル作詞の曲だったことにびっくり、胸がいっぱいになりました…。
急遽決まったという高知公演、唯一空いていた自由民権記念館でのコンサートを仕切られた大目真壱さん(1曲ゲスト出演)はじめ関係者の方々に感謝…6月にゲスト参加したアルボリビエントのライブでお世話になっていたこともあり、開演前から楽しく過ごさせていただきました。
福田大治さん(ダイジート)とも久しぶりにお話することができました。実はロランドさんのユニットの来日公演(2005年・吉祥寺)の際ロビーで初めてお会いしています。毎年参加していた静岡・裾野での公演以外ではなかなかご一緒できなかったのですが、私が20代の頃はたくさん旅に連れて行ってくださり、多くのご縁やきっかけをいただいた恩人です。
ツアー全体の制作も担当されている牧野さんからも開演前忙しいところ声をかけていただきました。こんなに共通の共演者が多いのに、これまであまり直接お話できていなかったので、とてもうれしかったです。打ち上げ(ひろめ市場)にも混ぜていただきありがとうございます。
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・11月27日(月) アナタ・ボリビア ツアー2023
ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ (広島・福山)
秋元広行さん率いる「アナタ・ボリビア」が6年ぶりに来日、広島・福山公演を観に行くことができました。私にとっては5日間の旅(高知~姫路~周南(山口)~広島)のラストで、高知に続いてボリビア音楽を満喫するごほうびタイムとなりました。
「アナタ」とは現地の先住民の言語の1つ、アイマラ語で「お祭り」を意味するそうです。まさに名は体を表すかのごとく、1曲目からテンションの高いこと高いこと。総勢8名のメンバー(ボリビア在住23年の秋元さん含め全員ボリビアからの来日)が躍動。ハードなツアー日程をものともしないタフなステージに感激しました。ボリビアの舞曲紹介コーナーではお客さんをステージにあげたり、最後はオールスタンディングで踊らせてしまうそのパワー、圧巻の2時間をありがとうございます!
(写真左から)
#ギターとボーカルの秋元広行さん
#ダンスのロレーナさん
#ダンスのホアキンさん
#ドラムのファブリシオさん
#CD復興の響きを持った智詠さん
#サンポーニャのフェリックスさん
#ベースのビックさん
#ケーナのフアンカルロスさん
#チャランゴと音楽監督のワルテルさん
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あらためて、ライブ鑑賞はミュージシャンにとっては一番の栄養補給、この時期の自分の演奏にたっぷりフィードバックさせていただいただけでなく、来年に向けてたくさんのエネルギーをいただきました。2024年もどうぞよろしくお願いいたします!