木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

鉋 その2

2008-05-17 22:26:44 | 道具
今日の作業の主役はこれ!



ドコモの古い携帯ではありません。その右の鉋。そう、携帯よりも小さい「豆鉋」
これも千代鶴貞秀作。それとその上は、京鍛冶竜作こと今井義延作。いずれも、刃のみ鍛えてもらって、台は削るものに合わせて自分で掘りました。

これで何を削るかというと・・



テーブルの漆を乾かす時間を使って制作中の椅子の座を丸く刳ります。

「豆鉋」は、引いて使うだけでなく、

 
押しても使います。

そして、もう一つ大事なのがこれ、



そう、手です。「反省!」しているのではありませんぞ。
微妙なカーブや凹凸は目で見てもわかりません。おかしいところは手でなでて探ります。わずかな違いが感じられる手にしていくのも修行です。

電気を消して遠くの光を反射させてみるとわかるのですが・・・。



もう一息ですね。 
椅子の座もこのように刳るととても座り心地が良くなります。 Iさん、お楽しみに!


最後に、今日の主役達、集合!



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鉋その1(友情の鉋)

2008-05-17 10:32:19 | 道具
ブログのタイトルは、「木・漆・道具」ですが、道具についてがほとんどないので今日は道具。道具の中でも一番好きなのは「鉋(かんな)」


写真は、千代鶴貞秀作「淡路の夕凪」の寸八と寸四鉋と子鉋。(1985年撮影)

 その昔(今から20年以上前)木工を本格的に始めた頃、独学の小生にとって一つ一つが試行錯誤。鉋の切れが悪いのを道具のせいにできないよう、とにかく良い鉋を手に入れようと兵庫県の三木へ行きました。
 その当時鉋といえば「千代鶴貞秀」。いろいろな賞を受けた超有名な鍛冶屋さんなのですが、素人の私が無謀にもおうかがいし、その時お願いして鍛えていただいたのが真ん中の寸八とその下の子鉋。
2ヶ月ぐらいして届いた鉋の美しさに感動。早速研ぎ上げ、台直しをして削ってみると・・・透き通るようなかんなくずが舞い上がるように出て・・また感激。刃物が良く切れる快感と言うものを知りました。
 夏、そのかんなくずを持ってお礼に再び千代鶴さんをおうかがいしました。それ以来二代目の千代鶴貞秀さんと、ずーっと親しくお付き合いさせていただいています。いつの間にか使う鉋はほとんどが「千代鶴貞秀作」になってしまいました。
 世の中には他にも有名な鉋や、最近「削ろう会」などで注目されている鉋もあり、どんなものかと使ってみたこともありますが、やはり千代鶴貞秀作にもどってしまいます。
私の狭い経験ですが、千代鶴さんのかんなより切れる鉋というものには未だ出会っていません。
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