木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

左久作さんを偲んで

2008-09-12 22:03:21 | 道具
 去る8月21日、東京月島の鑿鍛冶左久作さんこと、池上喬庸さんがご逝去されました。
生前作っていただいた道具の数々を改めて眺めながらご冥福をお祈りしました。

 私が左久作さんを知ったのは今から約30年ほど前、本格的に指物をはじめた頃でした。
古書店で見つけた「木工と道具」という雑誌の中での秋岡芳夫氏(故人)とのてい談の記事を読んでだったと記憶しています。

使う目的や削る木に合わせていろいろな鋼や鉄を使って刃物を誂えてもらえるということに大変魅力を感じ、欲しかった何本かの追入鑿を注文しました。
できあがってきた鑿が大変気に入り、10本組に揃えたくて追加注文しました。
さらに1分半、2分半を加え12本になりました。





その他鑿は1寸2分の中叩きのみ、8分の鎬鑿などを作ってもらいました。



追入のみの1寸以上と、中叩きのみの地金には三原鉄などの和鉄を使って作っていただきました。

さらに、



塗師屋包丁や刳り小刀




3分の櫛形作理鉋




蟻作理鉋 など、今ではあまり市販されていない刃物もいろいろ鍛えてもらいました。

もう、20年近く前になりますが、上京した折りに一度月島の工房をおたずねして直接お話をおうかがいしたこともあります。
その際購入した「ばんかき鉋」は当時の木工仲間にも好評で、まとめて注文して作っていただきました。




長年道具を作り続けてこられた左久作さんが亡くなられたのは本当に寂しく残念なことではありますが、その技はご子息の善幸さんが立派に受けついておられます。

私も作っていただいた道具を大切に使い、木工の技術を少しでも磨いていきたいと思います。

心よりご冥福をお祈りします。合掌
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