竹林亭白房

五代目志ん生「雨の将棋」★落語

□本日落語二席。
◆柳家三三「牛ほめ」(WOWOWライブ『日本最大の落語フェス『博多天神落語まつり』2022其の弐)。
FFGホール、令和3(2022)年11月5日(第16回「博多天神落語まつり」※柳の会)。

◆五代目古今亭志ん生「雨の将棋」(日本文化チャンネル桜『落語動画』)。
※公演情報不明。
ネット上で演目を見つけて、なんだろ、これ?と思うも、ちょっと考えてもしかして「笠碁」じゃないのかと思って聞き進めると、はたして当り。
ただ、これは、尺が十五分程度なので、「笠碁」にくらべていろいろと省かれているプロットがあるし、落げも異なっている。つい最近落げをかえた柳家さん喬の「笠碁」を聞いたばかりだが、あのように趣深い落げでなく、志ん生のは実にばかばかしいものだ。いかにも志ん生らしいというような。

「待った」をするのしないのと言ったことでもめた二人は、仲直りしてふたたび将棋をさし始めるが、相手の王将が盤上にないことに気づいた男が、それを指摘すると、王将は股ぐらの下に落ちていた。そして、「(王将は)金の後ろに隠れていた」で落げ。
この程度のことだが、いちおう破礼ということになるのだろうか。少なくとも、展開に女は関係しないので艶笑落語ではない。

川戸貞吉『落語大百科』によると、「笠碁」をこのように作りかえたのは、まぎれもなく五代目古今亭志ん生その人であるらしい。志ん生がたいそう将棋好きだったというのは、何かで読んだことがある。さもありなん。そういえば、志ん生は「猫の災難」も「犬の災難」にかえて演っている。

この落語では、盤が雨で濡れて笠を脱いでないということに気づくという件(くだり)がない。もちろんこれで落げないからだが、だとすると、「雨の将棋」という演目でなくてもよいし、そもそも雨が降るという情況設定さえいらないのではないかなと思われた。志ん生は何か雨にこだわったのだろうか。元ネタへのオマージュのようなものとか。
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