Kent Shiraishi Photo Blog

北海道美瑛町の大自然や身近な写真を、
海外へ配信するArtistの呟き。

世界で通用する写真家になるために学ぶ!Vol.6

2014年06月22日 | 世界で通用するArtistになるために学ぶ!
世界で通用する写真家になるために学ぶ!Vol.6
正しい知識を持とう!
そうしなければ未来は無い!


さて今日は本当はさらに進んで書こうと思っていたのですが…
意見を頂きました。それも印刷関係の方から…。

「あなたは間違った知識を書かない方が良い。
・・・・・
あなたは有名な写真家なんですから、
人が読むような場所で、間違った知識を書かない方が良いでしょう。
参考までに私どもが基準にしている指針・ガイドがあります。
どうぞあなた様もそちらを一度お読みください・・・。」
・・・・・
この方が仰っている「指針・ガイド」とは下記の事です。

デジタルカメラ入稿ガイド Ver.2

天下の大日本印刷株式会社様が書かれた物だそうです。

まずはご意見頂いた事にお礼申し上げます。
ご丁寧に、ご意見いただきありがとうございました。

常々僕が感じている事ですが、
写真が絵画と違うのは、
「写真術は現代科学と芸術の融合である」
僕はずっとそう考えてきました。
よって科学的な正しい理論・知識はとても大切です。

ですから識者としっかり意見を交わし、
もし僕が間違っているなら改め、
進む道を修正して、皆様にお伝えします。

それは先端を走る者の使命であり責任だと考えています。
さて本論に戻りましょう。

上で示された「デジタルカメラ入稿ガイド Ver.2」についてですが、
もちろん色々な意見、考え方があると思います。
ですから
皆様自由にお考え下さい!
・・・・・
そう言うのは簡単です。
しかしそれはあまりにも無責任でしょう。
また僕の性格上それは出来ません。
よって出来る限り検証させて頂きます。

さてまず上で指摘された「ガイド」に関して、
3回、僕はじっくり読ませて頂きました。

まず「はじめに」と書かれた部分をお読みください。
次の文章が書かれています。
・・・・・・・・・・
…入稿してくるデジタルカメラデータを見ると
「暗い」「墨っぽい」「色カブリ」といった問題のあるデータが非常に多く、
カメラマン、印刷会社ともにスムーズな運用ができていないのが現状です。
そこで、本ガイド「デジタルカメラ入稿ガイド Ver.2」では、
「暗い」「墨っぽい」「色カブリ」といった問題が発生しない撮影・現像処理方法、画像の確認方法をまとめました。
このガイドが、デジタルカメラデータでの運用をする上で一助となれば幸いです…。

上で書かれている文章は当然の事です。
また大日本印刷に入稿する画像データであれば、
殆どがプロもしくは仕事上での入稿であり、
アマチュアの趣味は少ないはずです。
これは言い換えるなら、
今現在まだ日本では、
この程度の問題さえ理解していないプロが多いという事でしょう。

ですから「本物」は少ないのです。
どの分野でもそうですが。
見せかけだけの「フェイク」も多いのです。
・・・・・
さてここでどうしてもきちんと皆様に理解して頂きたい事があります。
それはここに書かれている内容はとても有意義で素晴らしい事です。
それは否定しません。

しかし、次の点が大切です。
ここに書かれているのは、あくまでも印刷屋さんの目線である。
写真家の立場では書かれていない。

この点が重要なポイントです。

もっと言うならば、
無知な写真家や印刷に関わる者達に書かれた内容である。
ようするに、
正しい色や露出で印刷をするために、
印刷屋の立場からはこうしてもらいたい。
そういう事が書かれているのです。
もちろん
僕は彼らに同情します。
なぜならフィルム時代は「ポジ」があり、
絶対的な色や露出が分かったからです。
それが今では画像データになり、
正しい色や露出が何だか分からない。
確認できる物が無い。

この事は彼らの立場になって考えれば、
いかに大変か理解出来ます。

第一撮影した本人でさえそれを分かっていない場合が少なくないのです。
そんな無知な写真家を相手にするなら印刷屋さんも大変でしょう。

ですからここに書かれた内容をきちんと読む事は、
このブログを読まれている皆さんにとっても大切なことだと思います。
どうかまずはじっくりお読みください。

その上で、写真家として、
ケント白石の意見を述べさせていただきます。
・・・・・
さて、下の写真は一昨日撮影しました。
自分のモニターで正しい色と露出を見れるなら、
目の前の風景を可能な限り再現出来ます。
皆さんはそうしたいと思いませんか?


光と影の丘


初夏の光!- 秋蒔きの小麦
北海道美瑛町

実はご意見下さった印刷屋さんとの知識・理論のバトルがありました。
僕にはそれがとても楽しかったです。
またその事を書こうと考えたのですが、
かなり長くなってしまいます。
また今一番忙しい時期に入り、
毎朝3時前に起きている状況です。

そこで最終的にはお互いの意見が一致しましたので、
その事を書きたいと思います。

まず彼が最初に書かれた言葉、
「あなたは間違った知識を書かない方が良い。」
この言葉はご本人が訂正されました。
彼曰く、
「間違った知識でデータを作成し入稿される方が多いので、
白石さんのような影響力のある方には、
誤解を招く様な事は書かないで頂きたいと思いました…。
ただ白石さんが間違った知識で話していると書いた事はお詫びします。」

そう言って頂けたので、僕もホットしました。

時には誰でも、また何事においても、
誤解というものは生じます。
僕はそんな事は気にしません。
むしろ今回話し合った事で、
さらに自分の考えに自信を持ちました。
よってお礼を申し上げます。
大変有意義な議論、ありがとうございました!
・・・・・
さて、再び本論に戻ります。

上で示されたガイドである「デジタルカメラ入稿ガイド Ver.2」、
これはこのブログを読まれている方なら、
必ず目を通して頂きたいです。
それはとても大切な事が書かれているからです。

特に次の項目。
「入稿前の画像チェックシート」
この項目はしっかり覚えておいた方が良いです。
プロはもちろん、ハイアマチュアであれば知っておくべき事です。

ちなみに僕のハイライト(白とび)設定は10年前からRGB値247です。
すなわち247以上になると画面の白い部分が点滅します。
これは僕にとっては10年前からの常識でした。

シャドー(黒潰れ)に関してはカメラの性能差もあり一概に言えません。
特に優秀な最新のカメラは暗い部分に相当な情報が残っており、
10年前のカメラと同じに語る事は出来ません。

しかしもちろんここで書かれているRGB15以上という数字は理解していました。
よってシャドーの設定を14にするのも一つの考え方だと思います。

僕はと言いますと、
最近はシャドーはRGB7に設定しています。
これは使うカメラによっても違います。

ただここで大切な事は次の知識です。

階調再現がリニア(入力、出力が等比)になっていない部分は階調再現が乏しくなります。
立体感や微妙な色の差が印刷で再現できません。
そのため、被写体の階調と同様な階調再現を得ることができるリニアの範囲が印刷では重要である。

この知識はしっかり頭に入れて頂きたいです。

そしてどんどん話を進めます。
これまで何度も書いて来た事ですが、
一番大切なのは、
「僕達は写真家である」
印刷屋のために写真を撮っている訳ではない。
この事をはっきり宣言します。

多くの印刷関係の方は、
かつてのフィルム時代の考え方を持ちだして、
写真を撮る=印刷する
そういう方程式で考えがちです。

しかしそれは世界を知らなすぎます!
これからは印刷する方は減っても増える事は無いでしょう。
印刷するのが一般的だと思ってはいけません。

また印刷するにしても、
家庭で使うインクジェット・プリンターの方が遥かに色が良いです。
だいたいが4色で印刷するCMYKですから、
7色や8色印刷出来るインクジェット・プリンターに色で勝てるわけがないのです。

極論すれば、
もはやプリント印刷も家庭で自分でする時代なのです。

実は僕は今、
カレンダーの制作を印刷屋さんにお願いしています。
それは大きなサイズなので自分で印刷できないからです。
しかし色に関しては期待していません。
自分で印刷して額装している2Lプリントに色で勝てるわけがないのです。
これが現実です。

さて長くなりましたので話をまとめます。
結論から先に書きますと、
僕のこれまで書いた事は間違いではありません。

すなわち、
もしあなたが写真家で、
自分で撮影したカメラの画像を正しい色で見たいのなら、
モニターの白色点は6500Kにすべきです。

「デジタルカメラ入稿ガイド Ver.2」で書かれている、
「モニターが画像の色を忠実に再現していない」という言葉は、
大変誤解を生む言葉です。
実はこの言葉に関して、今回意見を頂いた印刷屋さんと議論になりました。

モニターが画像の色を忠実に再現していない
5000Kに白色点を設定すれば画像の色を再現するのか?

この方もはっきり認めました。
それは
「印刷したプリントを白色点5000Kの光で鑑賞した時の色を、モニターで再現するための設定です」
間違わないで下さい。
カメラで撮った画像の色の再現ではありません!
そこで僕は言いました。
「誤解される様な事を書いているのは僕ではなく、
この指針・ガイドでしょ!」
違いますか?
そう質問しましたら、
「仰る通りです。」
彼はそう言いました。

賢い皆様ならお分かりだと思います。
実はプリントされた物と言うのは、
自ら光りません。
すなわち光を当てて初めて我々は見る事が出来ます。

これはどういう意味かと言いますと、
まず普通に考えましょう。
写真展に行けば分かりますが、
通常蛍光灯で照らしている様な所はありません。
だいたいがスポットライトを使います。

例えば当館であれば、
演色性の高い(色を正しく見る事が出来る)電球色ライト(3000K)を使っています。
その場合にそのプリントを5000Kで見ても当然ですが同じ色にはならないのです。
これは当たり前です。

あくまでも一つの基準として5000Kを評価測光に決めているだけです。
もし3000Kのライトをプリントに当てるなら、
モニターを5000Kにしたところで色は合いません。

実は僕は写真を当館で展示するために、
モニターの白色点を3000Kに設定したプロファイルも作成しています。
その設定にして、印刷したプリントに市販の3000Kのライトを当てると、
ほぼ問題なく同じ色でプリントとモニターを観賞出来ます。

これが正しい考え方です。

ようするに、自ら発光しないプリントを見る場合は、
それに当てる光の白色点が問題なんです。
それをいつもバラバラでは話にならないので5000Kに統一規格にしている。
それだけの話です。

しかしそこには僕が語っている大切な事は含まれていません。
すなわち
カメラの画像の色は白色点6500Kを基準に作られている。
これこそが写真家にとって大切な事のはずです。

ようするに、
僕達はかつて「ポジフィルム」をライトビューアーで見た様に、
モニターで色と露出を確認する必要があるのです。

それをしないで写真家と言えますか?
皆さんはどう思いますか?

印刷屋さんの都合で、
しかも当てる光の白色点で色も変わって見えるプリントなのに、
写真家の基準をその印刷に合わせてどうするの?

写真家が一番最初に見るモニターの色が、
印刷屋の基準で見るなんて、
おかしいでしょ!


5000Kでプリントを見るなら、
別にプロファイルをもう一つ作って、
その時だけ切り替えて見れば良い事です。
たったそれだけの事です!
実に簡単な話です。

そんな事に写真家が振り回されるのはナンセンスです!

さてもう時間が無くなりました。
最後に書いておきます。

正しい知識を持とう!
そうしなければ未来は無い。

僕はそう思います。
写真家の皆さん、
正しい知識を持つように学習しましょう。
(#^.^#)
ケント白石

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