ぼく、深夜に出歩くのが結構好きなんですけど。
人通りが少ないとことか、たまーに歩きたくなるんですよね。
ええ。深夜です。
たまに酔っぱらいに絡まれそうになったりもするけれど、私は元気です。
◇
さて。
ぼくはその湿った夜の日。
寂れたボゥリング場の前を通りかかりました。
し――――ん。
誰も通りかかりません。静寂です。
その時……音が聞こえてきました。
ゴロゴロゴロゴロ…………
ゴロゴロゴロゴロ…………
な
なんと、誰も居ないはずのボゥリング場から、ボゥルが転がる音が聞こえてきたのです!!
マジで怖い!
明かりも点いてないし!!
これって、幽霊じゃ!?
何らかの未練をボウリングに残した幽霊さんが、やり残した青春をレーンにぶつけているのです!! 夜な夜な!
怖っっうっt!!!
……でも。その体験は、大いなる恐怖の序曲でしかなかったのでした……!
◇
五分ぐらい、ぼくは誰も居ないボゥリング場の前で動けませんでした。
ええ。金縛りってやつです。
その間も断続的に聞こえ続けてきてました。あの、ボゥルが床を転がる音が。
ゴロゴロゴロ…………
ゴロゴロゴロ…………
…………ん…………
この音……どこか……おかしい……!!
ゴロゴロゴロゴロ…………
ゴロゴロゴロゴロ…………
あっ!! ない。……この音には完全に、足りないモノがある!!
僕は、そこで恐ろしいことに気がついてしまったのです。
カコーンっ、が一度も来ない!!
そう。
ずっと聞いてても、
ボールが転がる音しかしない!!
ボゥルを投げる音の後には、ピンが倒れる音が付いてくるはずじゃないですか!!
ピンに当たるカコーン、っていう爽快音が聞こえてこない……。
何回投げても。一回も。
それが何を意味するか……。
ゆ、幽霊さん……。
ずっと君はガーター!?
間違いなくガーター!?
どんだけ下手なの!?
ぼくは、その場から逃げ出しました。
いえ。恐怖ではありませんでした。
なんだか、いたたまれなくなって。
ガーターしか放れない幽霊の事を頭から追い出したかった。でも、
ピンを器用に避けていくボゥルのイメージがぼくの頭を埋め尽くしていきました。
……ああっ、なんか、めっちゃイライラするイメージっ!!
◇
「……た、ただいま……」
「げ! あ、アンタなんて顔してるん……?」
家に帰り着いたぼくは……
とってもストレスを溜め込んだ顔をしていたそうです……。(姉談)
ひぃぃ、恐ろしい。
そしてカズユナさんのコメント・・・笑っちゃったwww
ってか、下手だのぉ。幽霊サン。
きっと、初めてボウリングをやる直前に亡くなったのでわ・・・?
はい、勝手な妄想。
これは、実話なんです……。
今思い出すと、結構怖いです。
あの後、二回くらい同じ場所に行ったんですけど、
聞こえてきませんでした。
むぅ。
夜の散歩は、気持ちいいですよね~。
仲間仲間。
確かに、思ってそう!!
そして怖いし!!
ウマい。座布団上げます。
カズさんは心霊体験とかないですか?
ウマいですよね。うん。そー来るとは。
ってか、ボゥリング下手な幽霊って
どんなんよー! って感じですよね。
いたたまれない……。
そうかもよ! そうかもよ!?
あり得るですよ。電気鼠さん!!
うん。そん時は切ない気持ちでしたけど、
今思うとやっぱ、怖いですね。
電気鼠さんは、心霊体験とか、あります?
どうも初めまして~。
気に入ってくださったのなら嬉しいです。
人に笑顔を与えるのが自分の職業ですから。
うん、言い過ぎた。
>ちんぱおさん
心霊体験ですか。
いえ、残念ながら自分には姉がいないので…。
姉リンのことかぁ~っ!!
うちの姉は、怨霊かぁ~っ!!
そんな、可愛いものじゃありませんから~っ!!
残念!!
……
ホントに残念だよ……。