前回までのいきさつ。
~思わずツッコミを入れながら開封すると、そのメールには……
件名:○○(その方の名前)です
本文:かたぎりはいりでググる。ちんぱおさんの理想の女性がそこに……!!
ぼくは、言われたとおりにした。
Google検索 片桐はいり
………………。
なるほど。ホントだ。
吊り目、吊り眉……髪も、きちんと揃ってる。
おまけに、がっしりして、大柄だね。
あは。まさに、ぼくの理想……。
文字の上では完璧すぎる程に……!!
ここで、前回の理想と、比較してみよう。
(画面をスクロールさせてお楽しみ下さい)
・
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・
……同じ要素で、ここまで違うか!? と。
でも、お陰で読めたぞ。
ぼくは、彼の意図が読めた。
◇
たぶん、彼は。
ぼくが、googleで画像検索する。
→唖然。
「”片桐はいり”はネーヨwwwwww」
っていう返信を期待してるワケ。
うん。でも、……ぼくは、こう返信したんだ。
ぼくの、偽らざる本心を。
「……ごめんなさい。かなり好きなタイプです」
◇
うん。空気読めなくて、悪いなぁ。
でも、……うん。
なんかね。……
結構、ぐっ、ときちゃった。
ビビビっ、ときちゃったんだ。……ぐぅ。
(森本レオの声で)
ちんぱおの、『蓼食う虫』属性が確定した、瞬間であった。(森本レオ、ここまで)
◇
返信は、五分ぐらいしてやって来ました。
……多分、リアクションに困ったんだね?
ぼくからの返信を、笑う準備万全で開いたのに、あり得ない答えがそこには記されていたのだから。
彼からの返事は、短いモノだった。
「え、まじ」
スペースも、文字飾りもないその返信を見て、
ぼくは、彼が素で引いたのを感じました。
◇◇
朝日がようやく顔を出し、馴染みの屋根屋根を、白く照らし始める。
ぼくは家の前に着き、何となく空を見上げる。
まだ夜の匂いが濃厚で、やりきれないぼくの心みたい。
ぼくは、一言だけ、呟いてみた。
「それでも。片桐はいりは、可愛いと思う」
「可愛い」と呼ぶには、あまりにも年上な彼女を思い、ぼくは少しだけアンニュイな気持ちで、我が家のドアを開けた。
誰も、出迎えてはくれない。
ただ、
家の中に収まっていた夜の空気が、ぼくを素通りして、外へ流れ出していくだけ。
一つ、確かなことがあるよね。
○○さん。
紹介してくれる、って言いながら。
ぼくの腕の中には、依然として誰もいない――ってコト。
「ウソつき」
ぼくはその一言を置き去りにして、玄関の扉を閉めた。
(Fin)
お恥ずかしい……orz
でも、笑っていただいて、嬉しいです。
やー。
でも恥ずかしい……。
身を切るネタ自重!!
……したい……。
・・・・何度も・・・何度も・・・