ふと目を下に移した。座っていた石段を五段ほど降りた斜め左側に、ここまで連れてきてくれたリクシャーワーラーのおっちゃんが独りぽつんと座っている姿が見えた。
その背中は少し淋しそうで、小柄なおっちゃんがよけいに小さくみえた。
時計をみると、既に8時近かった。3時間もここにいたのだ。
「あたしちょっと、おっちゃんのところ行ってくる。」
マリオネットみたいにぎこちなく、やや痺れた身体を動かして、わたしはおっちゃんの隣に腰を下ろした。
どうしても、一言伝えたかった。
「連れてきてくれて、本当にありがとう。長い時間、拘束しちゃってごめんなさい。あなたとの出逢いに、心から感謝しています。」
大丈夫だよ、だってわたしたちは友達じゃないか。
虫歯だらけの歯を覗かせて、再度トモダチーと言い、わたしたちは笑い合った。
家族のこととか、日本のこととか、またたわいのない話が始まった。
心なしか、肌を取り巻く熱い空気が、少しずつ覚めてきている気がした。
じゃあ・・・と友人の隣に戻ろうとすると、おっちゃんの声に引き止められた。
「・・・・・・・くれないか?」
・・・え・・・・・・?
聞き違いかと思った。聞き違いであってほしかった。
おっちゃんの青いシャツが、まだ点いている蝋燭の明かりに怪しく照らし出されていた。
その背中は少し淋しそうで、小柄なおっちゃんがよけいに小さくみえた。
時計をみると、既に8時近かった。3時間もここにいたのだ。
「あたしちょっと、おっちゃんのところ行ってくる。」
マリオネットみたいにぎこちなく、やや痺れた身体を動かして、わたしはおっちゃんの隣に腰を下ろした。
どうしても、一言伝えたかった。
「連れてきてくれて、本当にありがとう。長い時間、拘束しちゃってごめんなさい。あなたとの出逢いに、心から感謝しています。」
大丈夫だよ、だってわたしたちは友達じゃないか。
虫歯だらけの歯を覗かせて、再度トモダチーと言い、わたしたちは笑い合った。
家族のこととか、日本のこととか、またたわいのない話が始まった。
心なしか、肌を取り巻く熱い空気が、少しずつ覚めてきている気がした。
じゃあ・・・と友人の隣に戻ろうとすると、おっちゃんの声に引き止められた。
「・・・・・・・くれないか?」
・・・え・・・・・・?
聞き違いかと思った。聞き違いであってほしかった。
おっちゃんの青いシャツが、まだ点いている蝋燭の明かりに怪しく照らし出されていた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます