母が亡くなる直前、
やっと母に感謝の言葉を伝えたのだけど
その時、というか、それまでも、
『母にそんなことを伝えたら、あの世に行ってしまうかもしれない。』
という気持ちがありました。
実際、母にいろいろとこれまでのことを、感謝の気持ちを、言葉で伝えているときの母の反応は強いものでした。
それまでは、ぼーっとして穏やか過ぎる表情。とくに目元がふっくらと膨らんでなにも考えていない感じでした。
それが、私の言葉を聞いて、ハッと自分が何者なのか気づいたような感じで、こちらを見てなにか言おうとしたのです。声は出たけれど言葉にはなりませんでした。
そして、みるみるうちに目の回りが落ち窪んでいき、向こうの世界に旅立ってしまいました。
私が引導を渡したのかなと思っています。やっぱり、この世への思い残しがなくなれば往生してしまうんだなと。
施設に入った時、
『お母さん(←私のことです)がやれんから、私をここへ入れたんだ。良いから。私は此処に居るから。お母さんが困るから。』と、ずっと私を気遣ってくれた母。
他所のお婆さんが『家に帰りたい。』と泣いて面会の方を困らせる横で、母はいつも私を気遣ってくれました。私が施設に入れたわけではないのだけれど、身元引き受け者にはならないといけませんから。
アルツハイマーは残酷な病気です。
肉体から魂が離れると急に体は物へと変貌を遂げていきます。生あるものと無いものでは、質感が全く違う。魂の不思議です。写真でも、全く違う。命の不思議。
みんな、自分の命を生きているのですね。
いつまで、生きるんだろう。
やっと母に感謝の言葉を伝えたのだけど
その時、というか、それまでも、
『母にそんなことを伝えたら、あの世に行ってしまうかもしれない。』
という気持ちがありました。
実際、母にいろいろとこれまでのことを、感謝の気持ちを、言葉で伝えているときの母の反応は強いものでした。
それまでは、ぼーっとして穏やか過ぎる表情。とくに目元がふっくらと膨らんでなにも考えていない感じでした。
それが、私の言葉を聞いて、ハッと自分が何者なのか気づいたような感じで、こちらを見てなにか言おうとしたのです。声は出たけれど言葉にはなりませんでした。
そして、みるみるうちに目の回りが落ち窪んでいき、向こうの世界に旅立ってしまいました。
私が引導を渡したのかなと思っています。やっぱり、この世への思い残しがなくなれば往生してしまうんだなと。
施設に入った時、
『お母さん(←私のことです)がやれんから、私をここへ入れたんだ。良いから。私は此処に居るから。お母さんが困るから。』と、ずっと私を気遣ってくれた母。
他所のお婆さんが『家に帰りたい。』と泣いて面会の方を困らせる横で、母はいつも私を気遣ってくれました。私が施設に入れたわけではないのだけれど、身元引き受け者にはならないといけませんから。
アルツハイマーは残酷な病気です。
肉体から魂が離れると急に体は物へと変貌を遂げていきます。生あるものと無いものでは、質感が全く違う。魂の不思議です。写真でも、全く違う。命の不思議。
みんな、自分の命を生きているのですね。
いつまで、生きるんだろう。
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