春はいろいろな別れがある。
そしてそれは突然やって来るものだ。
3月の初旬、義父が死んだ。
以前から間質性肺炎を患っていたがその日「虚血性心疾患」で急死した。
風邪を拗らせ入院したものの帰宅することを切望し自力で会社に行くほどまで回復していたがある朝突然に義父は死んでしまった。
私達が駆けつけたときは既に氷の様に冷たくなっていた。その躰を温めようと義母が手を握って必死に呼びかけていた。
私はその姿にただ泣くばかりだった。
私は良い娘婿だったろうか。もっと話が出来なかったろうか。
私はとても大事にされ、そして良い思い出ばかりが残った。
葬儀などで慌ただしく日々が過ぎ、残された案件を片付けてゆくうち義父の残した車をどうするかと言う話になった。廃車?それとも誰かにあげる?
今、家内が乗っている車はかつて義父が取引先の事もあって娘である家内に買ってくれた車だった。
もうあまり見掛けることも少なくなった古い年式のRAV4だが私もマメに手入れをし家内も大事に乗っていたので年式ほどの傷みも少なく取り回しの楽なこともあっていろいろ重宝していた。
だがさすがに平成8年式で既に19年も乗っている車だった。
3S-GEUというスポーティなエンジンは吹け上がりも良く勇ましいサウンドを奏でながら小気味良く走ってくれたが、既にダンパーも抜け切ってワイパーの動作も怪しくなり、メーターの表示も覚束なくなってアチコチ故障を抱えているのは明かだったので、たぶん直しながら乗り続けるのはかなりのコストを覚悟しなければならないのは解っていた。
相談した結果、RAV4を処分し義父の車を貰うのがいろんな意味でベストと言う事になり、近所の買取り会社を探して出向いてみた。
果たしてどれ程の値段が付くものか…と思いきや意外に良い金額を貰ったので早速手続きし書類を用意した。
不思議なものでそうなると急に手放すのが惜しくなったが今はそうも言っていられない。
手放す前の日、今までの感謝を込めて普段手の届かない場所まで丁寧に掃除し、WAXも入念に掛けて送り出す日を迎えた。
長距離ドライブから子供の送り迎え日々のお使いまで、思い返すといつも家族の風景の後に車があった。
買取店でキーを渡し係員に見送られながら後にしたとき言いしれない寂しさあった。
これも一つの「別れ」だと思った。
家内の実家を訪れると笑顔の義父の遺影が迎えてくれる。
「やあ!どうも、どうも」と出てきそうな気がするがもう義父は白木の箱に収まって遺影から笑いかけてくれるだけだ。
これから幾つものいろんな別れを経て日々は過ぎて行くのだろう。
そしてそれは突然やって来るものだ。
3月の初旬、義父が死んだ。
以前から間質性肺炎を患っていたがその日「虚血性心疾患」で急死した。
風邪を拗らせ入院したものの帰宅することを切望し自力で会社に行くほどまで回復していたがある朝突然に義父は死んでしまった。
私達が駆けつけたときは既に氷の様に冷たくなっていた。その躰を温めようと義母が手を握って必死に呼びかけていた。
私はその姿にただ泣くばかりだった。
私は良い娘婿だったろうか。もっと話が出来なかったろうか。
私はとても大事にされ、そして良い思い出ばかりが残った。
葬儀などで慌ただしく日々が過ぎ、残された案件を片付けてゆくうち義父の残した車をどうするかと言う話になった。廃車?それとも誰かにあげる?
今、家内が乗っている車はかつて義父が取引先の事もあって娘である家内に買ってくれた車だった。
もうあまり見掛けることも少なくなった古い年式のRAV4だが私もマメに手入れをし家内も大事に乗っていたので年式ほどの傷みも少なく取り回しの楽なこともあっていろいろ重宝していた。
だがさすがに平成8年式で既に19年も乗っている車だった。
3S-GEUというスポーティなエンジンは吹け上がりも良く勇ましいサウンドを奏でながら小気味良く走ってくれたが、既にダンパーも抜け切ってワイパーの動作も怪しくなり、メーターの表示も覚束なくなってアチコチ故障を抱えているのは明かだったので、たぶん直しながら乗り続けるのはかなりのコストを覚悟しなければならないのは解っていた。
相談した結果、RAV4を処分し義父の車を貰うのがいろんな意味でベストと言う事になり、近所の買取り会社を探して出向いてみた。
果たしてどれ程の値段が付くものか…と思いきや意外に良い金額を貰ったので早速手続きし書類を用意した。
不思議なものでそうなると急に手放すのが惜しくなったが今はそうも言っていられない。
手放す前の日、今までの感謝を込めて普段手の届かない場所まで丁寧に掃除し、WAXも入念に掛けて送り出す日を迎えた。
長距離ドライブから子供の送り迎え日々のお使いまで、思い返すといつも家族の風景の後に車があった。
買取店でキーを渡し係員に見送られながら後にしたとき言いしれない寂しさあった。
これも一つの「別れ」だと思った。
家内の実家を訪れると笑顔の義父の遺影が迎えてくれる。
「やあ!どうも、どうも」と出てきそうな気がするがもう義父は白木の箱に収まって遺影から笑いかけてくれるだけだ。
これから幾つものいろんな別れを経て日々は過ぎて行くのだろう。
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