携帯電磁波の人体影響 (集英社新書) | |
矢部 武 | |
集英社 |
世界各国で携帯電話やその基地局の電磁波(高周波)による健康被害を懸念する声が高まっています。健康影響への懸念から子供の携帯電話の使用を制限する動きの出ている国もあるようです。
世界では、生体への悪影響があるとする研究結果と、それを否定する研究結果があり、予防措置を強く提唱している研究者もいます。
真相は??と思ってしまいますが、日本ではこのような議論が公になっているのをあまり見かけませんから、その是非について深く考えている人はごく一部に限られているかもしれません。
本書では、「携帯は危険」と決め付けているのではなく、世界で行なわれている様々な調査データとそれにまつわる問題を提示してくれています。
「携帯は危険だ、と証明する科学的根拠はまだ十分そろっていない」
「携帯の安全性は証明されていない」
現段階では、携帯電磁波は安全とも危険とも断言できない段階のようです。
ですので、消費者である私たちがその利便性だけでなくリスクも知ったうえで使用し、自分の身を守るための予防策をとることが大切であると著者は強く述べています。
予防策としては、直接頭に近づけて通話せずにイヤフォンマイクなどを使う、多用しない、子供に使わせない、ポケットに入れて持ち歩かない、睡眠時近くに置かない、など。
情報社会で色々な情報を入手できるようになりましたが、やはり自ら関心を持って情報を得て、判断することが必要となります。
携帯は使わないから大丈夫、といっても電車に乗れば半数以上の人は携帯片手に何やらしていますし、いつ家の近所に携帯の基地局ができるかわかりません。
携帯電話はどんどん進化し便利になっていますが、もしかしたら使いすぎには危険性があるかもしれない、多くの人が関心を持ってもらえればいいなと思います。
インターネットの「電磁波なび」というサイト、ここを検索すると携帯電話を含め電磁波に関するニュース・情報を得ることができます。