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原稿確認とかに使うこっそりブログみたいな……

41号公開合評会

2025-03-27 02:59:57 | 日記

きつねゆうびん/ますだすみこ

・おじいさんがキツネの子に遠くまで手紙を届けに行かせるところに少し不安感がある。
・もしかしたらおじいさんにもしっぽが見えていて、キツネの子だとわかっていたのかも?
・最後にルカちゃんからの手紙があるのがとてもよかった。
・自分の子供が大きくなって、ぬいぐるみやキツネがしゃべったりする世界観を、想像する気持ちが薄れていることを感じた。
・子供の頃、自分も持ってるぬいぐるみでお気に入りとそうでないものがあって、ひっそり逃げ出していたぬいぐるみがあったかもしれないと思い出された。
・ほっこりと優しい気持ちになれるお話だった。

増田さんから……
この話を書くきっかけは「落としてしまったハガキを誰かがポストに入れてくれたおかげで、無事に届けられた」という新聞投稿で、この投稿を見た時にこのストーリーを思いついた。


本当は大好きなのに/長利友子

・千歩が四年生という設定だが、幼年童話として千歩の年齢をもう少し下げても良かったのでは?
・長年一緒に暮らしていた猫をあっさり捨てに行くのは少し冷たいのではないか。
・子猫をいっぱい抱っこしたかったとあるが、生まれて二ヶ月くらいまでの子猫は人が触ると親猫が殺してしまうことがあるので配慮が必要。
・児童文学としては希望のある終わり方が望ましかったのではないか。子猫が飼える終わり方であってほしかった。が、この手の話は、やはり難しいところがある。

長利さんから……
実体験を交えての物語ではあったが、児童文学という点をもう少し考慮すべきだったと思う。


リュウは雨を降らせたい/わたなべちさ

・続編だと思って過去の「こてまり」を探した。
・リュウと本田のキャラがよかった。
・主人公よりも本田のキャラの方が引き立っている。
・タカチホヘビのタカチホは高千穂と何か関係がある?と言った意見が出たのだが黒木さんが「タカチホ」は発見者の名前がつけられていることを調べてくれていた。
・作者が知っていることとして神社の手水舎のことやザクロの花のことなど、さらっと書いているが、せっかくなのでもっと専門的に細やかに描写してほしかった。
・P39の下段、後ろから八行目の本田のセリフ「それから水野さん、名前を覚えていなくて、一緒のクラスだったことも覚えていなくてごめんなさい」と謝るところがあるが、なぜ謝るのか。謝る必要はない。本田のキャラがブレてしまっている。
・リュウは雨を降らせたいと言うことがメインなのに、本田もみさきもリュウが雨を降らせることを信じていない。リュウが雨を降らせることよりも虹が出るという現象を願うことに目的が変わっている。もう少し終わり方に工夫が必要なのでは?

渡邊から……
ストーリーを作っていく中で、リュウが雨を降らせたいと願う理由づけやラストシーンの盛り上げ方など、無理やり捻り出したところを、見事に見抜かれたなと思った。さすがに書いている(岩田さん)方の視点は鋭いです。
キャラがブレていると言う点は、自分では気づけていなかったので、言われてハッとさせられた。こちらも読み手の視点ですごく鋭い指摘だと思った。
いただいた意見を参考にもう少し熟考したいと思う


じいちゃんの夏/大枝良子

・大人だと、このような作品をすでに読んでいるので既視感があったり物足りなさを感じるが、対象年齢の子供が読んだら心にスッと入ってくる作品。
・ちょっとウザくてげんきすぎるじいちゃんと、じいちゃんの過去の対比が際立っていることで、戦争の傷跡が深く残ることをリアルに感じさせている。
・戦争を知らない世代が、戦争のついて感じ考えるきっかけとなる作品。
・被爆体験者であるじいちゃんの年齢を考えると、少し元気すぎるのではないかなと思う点があった。
・ラジオ体操の景品であるお菓子を妹にお供えすることに違和感を感じる。妹が好きだったうどん粉で作ったビスケットに近いものや当時の子どもが食べていたであろうお菓子を感じさせるようなものにした方が良かったのではないか(火垂るの墓出でてくるサクマドロップみたいな感じ)
・感想を述べているうちにじいちゃんの過去を想像し、涙が堪えきれないかたもいらっしゃった。

大枝さんから…
戦争を書くと言うことの難しさを感じている。やはり聞いた話や想像だけで書くことになるので、自分などが書いてもいいのだろうかとか、どこまで伝えられるのかなどの葛藤があった。


裏長屋ストーリー/えま

・登場人物がとてもイキイキしていて、とても読んでいて楽しかった。
・空堀商店街など知っている地名が出てきて、親近感がもてた。
・なにわ言葉がとても自然で嫌味がなかった。
・押入れで貧乏神や福の神が暮らしているという発想が斬新。
・福の神の力で住人にお金が入ってくるようになるのだけれど、仕事が忙しすぎて幸福感を得られないのは、貧乏神の力が影響しているのか?
・普通だったら神頼みでお金が入ってくることを望むところを、神様なんかいらないと追い出してしまうところに面白さを感じた。
・茂吉の子供に、源九郎という名前は少し似つかわしくないのでは?
・貧乏神と福の神は常に一緒に行動しているの?
全体的な意見として、貧乏神と福の神が夫婦だということを知らなかった。また貧乏神の好物が味噌ということも初めて知った。と言ったことが挙げられていた。

江馬さんから……
「押入れ」の課題で書いた作品で、江戸時代と設定するつもりであったのだけれど、調べてみると江戸時代には押し入れがないということを知った。そのため時代設定を明治の初めとすることになった。
時代物を書くときは、そういった時代考証をきちんとしなければならないことを考えさせられた。
貧乏神と福の神はいつも一緒に行動しているわけではなく、貧乏神が家主が嫌な人だととことん地獄に突き落とし救いはなく、家主が善人だと後から福の神がやってきて助けてくれる。といった感じで普通は別行動しているのが一般的なのだけれど、今回の話では一緒に行動させてみた。


波の音に誘われて/大枝良子

・不思議な雰囲気があって、とても好きな作品。
・海に帰っていくのが救いと捉えるのか、異世界に飲み込まれてしまうと捉えるのかで、見方が変わってくる。
・散々苦労してきたコンビニの店長が「この世界も捨てたもんじゃない」と言うことが心に響くし希望が持てる。
・介護などの経験から、この世に引き留めることが果たして本人にとっての幸せとなるのか考えることがある。そんな思いでこの作品を読むとぐっと胸にくるものがあった。

大枝さんから……
「押入れ」の課題で書いた作品。
押入れの中にあるものを考えていて海があるとどうだろうと言う発想からこの話を書いてみた。


天使は輝いた/藤田通代

・メタバースの住人たちはみんなメンタルクリニックの患者なのかどうかがわからなかった。
・藤田さんらしい面白い作品。
・アンジェラというアバター名とステンドグラスの天使がうまく繋がって「天使は輝いた」というタイトルがとても効いている。
・玲子先生のアバターと実像のギャップの説明がなかなかに辛辣?(笑)
・産業医で一度診た患者のことを覚えている玲子先生は、本当に親身に患者を診ている優秀な医師であることがわかる。それだけに実際にあった事件、逆恨みで放火された事件と重ねる部分があり、そのクリニックの精神科医も本当に親身で診てくれるいい医師だったのだろうと想像できる。そういう事件が起こるのはとても残念でならない。
・カッパドキアやバーミヤンの遺跡などの細かな描写がリアル。
・最後はやはり「恋」に持っていくのかと(笑)

藤田さんから……
メタバースの住人たちは、クリニックの患者というわけではない。いろんな人が集っている。
メタバースの世界観よりももっと主人公のリアルな心の動きや変化に重点を置いて書けると良かった。


乃々子 八昔【前編】/松浦信子

・今までの戦争の作品と違って淡々と語られている。淡々と語られているからこそリアルに伝わってくるものがある。
・表現方法に「すべての見えない光」を思わせるところがあった。
・実際に体験してきた人の話には重みがある。
・貞子さんがゴム飛びをしている時に見える白い足の表現が、最後にある真っ白い大きく腫れた足という表現をより際立たせている(生と死の対比)
・昨年亡くなられた声優の堀絢子さんが、山本真理子先生の『広島の母たち』を題材にした舞台「朝ちゃん」を公演していた。
『広島の母たち』も『広島の友』もまだ読んでいないので、改めてきちんと読まなければと思った。
・後編も期待している。
・ガザ地区など、世界にはいまもまだ戦争をしている国がある。子ども達には平和で明るい未来を残せるように自分たちに何ができるのかを考えていきたい。

松浦さんより……
『こてまり』の創刊号から今回までに先生のことを題材にした作品を4回書いている。
最近になって、ようやく山本先生の作品にこめた思いに気付かされたことがあった。
不穏な政界情勢、ガザ地区の子ども達を思うととても辛い。戦争を体験した者として残していきたいという思いがある。それが自分にできることだと思っている。
白い足の件については、狙っていたわけではなく、今回言われて初めて気がついた。

 

コメント
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