遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

金澤漆器 総金地鳳凰羽根紋吸物椀(10客)

2021年11月02日 | 漆器・木製品

今回は、蒔絵の吸物椀です。

大きめの古い桐箱に入っています。

何やら煌びやかな品です。

大振りの吸物椀が10客です。蓋が一枚どこかへ紛れ込んで行方不明(^^;

径 10.2㎝、底径 4.8㎝、高 9.8㎝。重 81g。大正―戦前。

全体に薄造りです。端は1.3mmほどの厚さ、底や蓋の中央も3mm以下です。これまで紹介した轆轤引きの木製漆器よりも、はるかにプラスチック容器に近いです(^^;

内も外も金地です。

外側には、鳳凰の羽根が描かれています。

羽根の先のハート型の部分には螺鈿が入っています。

 

椀の内側には、すべて、擦り疵があります。実際に使われていたのですね。

蓋の方はほとんど無疵なのですが、一枚だけ、大きな剥げがありました。そこで、私が金粉を蒔いて補修をしました。下の写真で白っぽく見える所です。金粉も、グレードや粒度によって、色合いが異なります。金は色合わせが難しいです。

この補修は、昔、金継ぎ教室に通っている時に行いました。その教室では、陶磁器だけでなく、漆器の補修も教えてもらえました。

何年か通ったのですが、まもなく止めました。理由はいろいろありますが、一つはお局です。こういう文化教室は女性が多く、いきおい番頭気取りのボスができます。件のお局様は、いつも、教室の一番前にデーンと構えて、睨みをきかせていました。気の弱そうな新人女性が入ると、ネチネチとからむ。その一方で、それらしい男性が入ってくると、やたら、世話をやくのですね。幸いにも、私は難を逃れました。それらしい要素が何もなかったからです(^^;

で、この金地椀を修理しようと取り出しました。すると・・・「あら、いいお椀ね。でも、これプラスチックね、ホホホ」

こういうヤカラは相手にしないのが賢明です。「アンタに言われとーないわ」と胸の中でつぶやきつつ、黙々と作業をすすめました(^.^)

全体の薄造りはプラスチックを思わせますが・・・・・底には、木目がバッチリと出ています。木製でこれだけの薄造り、さすがに金沢漆器ですね。

お局様に、一本勝ち!(^.^)

ところが、この絢爛豪華な吸物椀は、ウチでは不人気です。

曰く、「品がない」

ま、確かに😅

「お前は、秀吉かー」

ですね😇

 

コメント (6)
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