今生今世~KENNYasia

ミニシアター系映画、お店周りの雑感、アジア旅雑記など

ファヒム パリが見た奇跡

2020-12-16 00:00:22 | 電影Movie/音楽Music/芸術Art
ファヒム。移民。チェス・チャンピオン。実話。

 名前と小耳にはさんだ情報で、あぁイスラム系の少年が欧州へ移住しチェス試合で優勝した物語ねぇ、と軽くみていたのだが、ジュラ―ル・ドパルデューが出演となると突然、絶対これは観なくちゃ!! と体温急上昇。実は20代のころジュラール様にハマった過去があるのだ。
  • 1900年
  • 隣の女
  • グリーンカード
  • シラノ・デ・ベルジュラック
  • 愛と宿命の泉 
  • カミーユ・クローデル
  • ライフオブパイ etc
あぁ懐かしや。そして、本編での頑固者だが実は恋愛オクテの師匠役が今の彼にぴったり、監督が脚本から真っ先にドパルデューをイメージしたというのもうなづける。

 父親とファヒムの対比がせつない。子供は言葉や文化に即・適応力があるが、親世代は言葉もままならず、自分が背負ってきた背景を簡単に捨てられず適応できないのだよ。通訳の意地悪さもわかる、わかる。わが身を持ってしみじみ感じるエピソードが胸を打つ。そして、時間への観念のちがい。これは日本で生まれ暮らしてきた日本人には到底理解できないだろう。”遅刻しても問題ない。大したことじゃない。怒らないで、みんなHappyだろ?!” は日本以外では日常茶飯事だから、いちいち青筋たてて怒っていたらキリがないのだ。

移民問題、民族差別、格差の拡大いろいろ孕んだいい映画だった。

#ファヒム

ファヒム パリが見た奇跡 Fahim 2019年フランス
監督:ピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァル 
出演:ジュラール・ドパルデュー、アサド・アーメッド
2020年8月 

透明人間

2020-12-13 12:00:19 | 電影Movie/音楽Music/芸術Art
はじまりのタイトルバックから引き込まれる。岩場に高波が押し寄せ、不吉なしぶきを上げる嵐の夜。水しぶきの合間から現れる”A24"のロゴタイプ、またしてもA24配給の映画だ。

ホラーやスプラッター映画は苦手の私に、面白いから見たほうがいい、ミステリー調で気に入るはず。と、勧めてくれた映画友Mさん。
たしかに、主演女優の鬼気迫る演技は想像以上だった。

友人や姉妹との関わりを通じ、いる?いない? 病んでる?真実を語っているのはどっち? 見えない恐怖と疑心暗鬼のまま終盤へ。ロマンチックすぎるパスコードが仇となるところが嘘のような真実だった。
翌日、「アス US」を自宅配信で鑑賞。同じ制作会社かつエリザベス・モスが好演し脇を固めてた。やっぱこの女優さん怖いわ~。前月観た「WAVES」も良かったし、A24から目が離せない。

#透明人間

The Invisible Man   透明人間
2020年 122分
監督/脚本:Leigh Whannell リー・ワネル
出演:Elisabeth Moss 
2020年8月

テネット

2020-12-12 00:00:53 | 電影Movie/音楽Music/芸術Art
公開前のTVCMに圧倒され、ノーラン監督初見ながらわくわく。
これからの人は同レベル映画理解度の人とぜひ観てほしい。家族で見た私達の最初の一言は...
K「まとめて言うと、未来の話だね」← まとめすぎ、だろ?!
J「なんかわからんけど、スゴかった」←わからんのに解ってる?

朱と青に彩られたプラスチック空間で大筋が読めた私は、そこから先は過去に戻っても「あぁなるほどねー」、現在に戻っても「そう来たかー」と楽しかった。観終わって答合わせしたかったのだが、前述の感想しか聞けず
 えぇ、そんなとこあったっけ?
 そのシーン意味良くわからんかった。
三者三様のスッキリ感がなく、まるでソロ鑑賞だった。しかし「ニールはハリポタのセドリック役、トワイライトの主人公だった。超COOL」。「音楽が重低音で迫ってきた。気持ち悪くなるほど」。快感と不快感がそれぞれ印象に残ったようで、やはり三人で観てよかったのだろう。
 デンゼル・ワシントンの息子がそっくりだったり、ケネス・ブラナーが相変わらず怪演だったり、何よりジェット機を爆破させたり、とんでもないカーチェイスだったり、一筋縄ではない超娯楽大作。もう一回見て隅々まで愉しみたい。けれど、今度は同レベルの人と鑑賞すべきかもしれない。

#TENET
TENETテネット 2020年 
監督:Christopher Nolanクリストファー・ノーラン
出演:John David Washington 、 Robert PattinsonSir Kenneth Branagh 
撮影:Hoyte van Hoytema  音楽: Ludwig Goransson 
メイキング映像←ネタバレ、あとのお楽しみ  

ウェイブス

2020-12-10 12:00:00 | 電影Movie/音楽Music/芸術Art
配給会社のA24が気になる。#ムーンライト素晴らしかった。ミッドサマー も心に刺さった。そして夏といえば恋のシーズン、波打ち際で音楽に浸るにもってこいの季節だ。

waves-- sound of color 
音楽の鮮やかさ、色の高低深遠さ。高波と凪が交互に現れるのが人生。物語中に編まれる音楽と映像いずれも研ぎ澄まされ美意識高得点!とくにオレンジとブルーの夕陽や炎が彼の光陰を描き、本当に美しかった。
前半の人気者・兄と後半の引っ込み思案・妹の対比も良かった。親子の情もじんわり染みた。

そのうえ、
 あ、知ってる。いつもヒットランキングでかかってる歌だ。
 曲ええやん。この声アノ男性やん。
宣伝キャッチコピーの通り、全部いい曲、全曲プレイリスト♪入
20代青春爆裂真っ最中の娘も気に入り、親子でブルーノマース聴きまくった。
#WAVES ウェイブス

Waves:2019年 135分/アメリカ 
監督:Trey Edward Shults  トレイ・エドワード・ショルツ
出演:Kelvin Harrison Jr. 、Taylor Russell
配給:ファントム・フィルム 

凱里ブルース

2020-12-08 12:00:00 | 電影Movie/音楽Music/芸術Art
 ロングデイズ・ジャーニーが秀逸だったビー・ガン監督のデビュー作。
 湿った大地とゆる~い村びと達の前をバイクで走り抜けるるホコリっぽさ、山道を下って川に至るまでのワンシークェンスカットに、またしてもシビれた。
 しかし、主役の兄と弟が田舎のおじさん(失礼!)にしか見えず、低予算で製作したんだろうな、想いひとの女性がもっと絡んでくると思ったのにな、等ちょっとだけ肩透かしだった、わずかだけど。
 
 それにしても、なんで中国語の原題が道端のピクニックなんだろう、謎だ。そして、男は探していたものを見つけたのだろうか。明かされないまま輪郭がぼやけて終わる、観た後じわじわと心に残る映画だった。#凱里ブルース


路辺野餐
監督・脚本:ビー・ガン/毕赣   2015年・中国
出演:チェン・ヨンゾン、ヅァオ・ダクィン、ルナ・クォック、ユ・シシュ