「香港」に隣接する中国大陸の「深圳」。90年代から経済発展をとげた一方、大陸からみた香港人への嫉妬や憧れは現在も渦巻いているのだろう。
さて、高校生「運び屋」の物語と聞き、まさかドラッグではないだろうといぶかったが、iphoneだとわかり妙に身近に感じた。というのも、数年前ウチのスタッフで中国出身T君も、iphoneに執着していたからだ。彼は日本語学校に籍を置き、まだ来日一年に満たないころからiphone最新型を持ちその操作に長けていた。
「iphone高くない?中国にはHauwaiとかOppoとかもっと安くて良いスマホあるんじゃないの」
「実は、中国人はアメリカ製品を好きなんです。」T君はゆっくりだが正確なニホンゴで答えた。米中貿易戦争が騒がれ始めた頃である。曰く「アメリカ側のGoogleもInstagramもみんな知ってるし、使っています。」
さて、もっとも恐怖を感じたのはヒロインが壊れたiphoneを修理しようとショップにいくシーン。どんどん周りを第三者が囲み、「一万だ」「一万五千だす」「こっちは二万だす...」と一台のiphoneを奪い合うさまが群衆心理と相まって恐ろしかった。
そして、女子高生二人の関係の危うさ、金持ちと庶民、BFいるとBFなし:獲った獲ってない、そんな格差に揺れる思春期の彼女達が生々しかった。衝撃の瞬間はストップモーション、癖ある女首領も存在感あった。
#ザ・クロッシング 香港と中国をまたぐ少女
過春天:THE CROSSING
2019年中国
監督:白雪 出演:Yao Huang