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『12月30日』その1

2019-12-29 23:33:18 | 明日は誰の日

【誕生日】


☆キャロル・リード Carol Reed (1906.12.30~1976.4.25)



第二次大戦後にデヴィッド・リーンと共に衰退していた英国映画界を復活させたイギリスの映画監督です。
舞台俳優の子息としてロンドンのパトニーで生まれました。カンタベリーのキングス・スクールに学び16歳から俳優として舞台に
立ち、スリラー作家のエドガー・ウォーレスの舞台劇に参加したのを機に舞台助監督をつとめ、そのウォーレスが映画会社を設立
したことからその助手として映画界に入りました。1935年に "Midshipman Easy" で監督デビューを果たし、1937年の『銀行休日』
で新鋭監督として注目を集め、1940年には『ミュンヘンへの夜行列車』はヒッチコック流の快作スリラーを発表しました。
第二次大戦後の1947年に『邪魔者は殺せ』においては政治資金強奪事件で重傷を負った男の生死をめぐってドキュメンタリー手法に
よりその人間関係をスリラー形式で描き上げ、ヒッチコックがハリウッドに去った後の沈滞していた英国映画界を活気づける
傑作となりました。次いで1948年に少年の心理を鮮やかに描いた『落ちた偶像』をスリラー仕立てで演出し、さらに1949年には
『第三の男』において敗戦後のウイーンの澱みに生きた男女をチターの音色に乗せて社会劇スリラーの傑作に仕上げました。
この三作品はいずれもドキュメンタリー手法により英国独特の無機質的な冷ややかな視点で凝視し、モノクロの鋭利な映像で描き
切ったもので、ヒッチコックをはるかに超えるスリラーの名作として高い評価を受けました。
しかし、1951年の南海の小島を舞台に白人と現地女の恋愛を描いた異色作『文化果つるところ』や1955年のロンドンの裏町に住む
人々の哀歓を描いた『文なし横丁の人々』などではそれまでのシャープな切れ味が失せ、1958年の『鍵』で復活の兆しが見えたか
と思われましたが、続く『ハバナの男』『逃げる男』ではお得意だったはずの社会劇スリラーでも手腕を発揮できず、1968年の
ミュージカル『オリバー! 』に至っては輝かしいキャリアの汚点とも言える低落ぶりを露呈てしまいました。

【主要監督作品】
1937年『銀行休日』Bank Holiday

1939年『星は地上を見ている』The Stars Look Down
1940年『ミュンヘンへの夜行列車』Night Train To Munich

1944年『最後の突撃』The Way Ahead 
1947年『邪魔者は殺せ』 Odd Man Out【YOUTUBEより】

1948年『落ちた偶像』The Fallen Idol【YOUTUBEより】

1949年『第三の男』 The Third Man【YOUTUBEより】

1951年『文化果つるところ』Outcast of the Islands

1955年『文なし横丁の人々』A Kid for Two Farthings

1956年『空中ぶらんこ』Trapeze

1958年『鍵』The Key

1960年『ハバナの男』Our Man in Havana 

1963年『逃げる男』The Running Man
 
1965年『華麗なる激情』 The Agony and The Ecstasy

1968年『オリバー! 』Oliver! 


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