映画「小説家との旅路」を観た。
原題は"Best Sellers"。
2021年のカナダ・イギリス合作。
監督はリナ・ロースナー。
出演はマイケル・ケイン、
オーブリー・プラザほか。
父親の編集・出版の事業を引き継い
だ娘。経営難となり、老作家の新作
に再起を期する。出版後のプロモー
ションで老作家と各地を回るが、
老作家は飲んだくれで、奇行を繰り
返すばかり。
プロモーションはどうなる?
老作家の心情は?
映画としては可もなく不可もなく。
コメディとは言え、あまり笑えず。
老作家の謎解きと心情描写が相反
してどちらも中途半端な感じ。
とは言え、本のプロモーションの
様子はお仕事話として面白かった。
小説の魅力を伝えるのに、作中の
気に入ったフレーズを採りあげる。
それには目から鱗が落ちた。
前後の文脈や、物語全体から切り
離されてもなお心に響くフレーズ
というのは、確かにあるよなぁ。
そんな一文を生み出すことこそ、
小説家のチカラなのだ。と言って
るようにも思えた。
一つのフレーズ、一つのセリフ。
素敵な欠片を探してみるのも、
小説や映画の楽しみ方の1つだな。