映画「PLAN 75」を観た。
2022年の日仏比カタール合作。
監督・脚本は早川千絵。
出演は倍賞千恵子ほか。
高齢化社会が進む日本。
75歳以上で安楽死が選択可能に。
その制度の名前が「PLAN 75」。
対象となる老人たち。
制度の運営に携わる若者たち。
それぞれの心情を描いた作品。
それを言っちゃあ、お終いよ的な
本音丸出しの大胆なオープニング。
よくぞ大上段から切り下げた。
その後は概ねアンチ制度の展開。
この問題、それだけでいいのか?
死を否定し、生を肯定するだけで。
老人の寂しさや、若者の戸惑い。
心の動きを映す映像表現は秀逸だ。
が、それだけで112分は長過ぎる。
自分の最も印象に残ったシーン。
老婆が最終施設へ向かうバスの中。
車窓から見える朝の空が眩しい。
世界はこんな美しく愛おしいもの
だったのか。
毎日眺めていたはずなのに。
そう思ったかどうかは判らぬが。
今日が最後の一日のように生きる。
それが一番大事なことだと思う。
老人も、若者も、年齢に関係なく。