映画「こちらあみ子」を観た。
2022年公開の日本映画。
監督・脚本は森井勇佑。
出演は大沢一菜ほか。
マイペースで、人の気持ちが
分からず、トラブルを誘発して
しまう女の子の話。
発達障害、と言ってしまうと、
「ああ、あれね」とある類型に
はめられてしまいそうだが。
そうした類型化や、善いとか悪い
とかという倫理や、どうこうすべし
という道徳や、そうしたモノサシを
抜きにして素のまま描かかれると、
観る方は却って考えてしまう。
学校とか、会社とか、ともすると
家庭でさえも、許容度の狭い社会
になってしまっているのだな。
原作は今村夏子。
芥川賞作家のデビュー作の短編。
この人は「星の子」も書いている。
そうか。モノサシを当てない描き
方は原作者の特徴かもしれない。
「こちらあみ子、こちらあみ子」。
返事の無いトランシーバーに向けて
話し続ける声が耳に残る。