〜かたることばが歌になる風になる〜

日本のモノづくりが危ない! 

トヨタの創始者豊田英二氏が亡くなった。
氏は生前「コンピュータなんてのは所詮計算機のようなもの。『モノづくり』をないがしろにしたら、日本は潰れてしまう』というような言葉を言われたという。

『半導体のクリーン化技術』に携わった主人が、先日NHKの日曜日お昼に「モノづくり日本再生への道しるべ」という番組で、20年ほど前にNHKで6か月にわたり放映された『電子立国日本の自叙伝』の第4話の再放送を偶然見たらしい。
半導体とは、電気をよく通す電気伝導体や、通さない絶縁体に対して中間的な役割をし、周囲の電場や温度によって、電気を通したり通さなかったりを敏感にを変化させる物質らしい。
今や世界に普及しているコンピューターの中身に使われている。
語源は、英語のsemiconductor(セミコンダクター通称セミコンと言われた言葉)から来ている。
半導体の素材は『シリコン』で、ダイヤモンドのような規則的に並んだ結晶でできていて、それを薄い膜にしたものにたくさんの情報をメモリーしている。
コンピュータも最初は部屋いっぱいの大きさだったそうだが、どんどん小さなシリコンに沢山の情報がメモリーされて、スマホなどの機器になっている。
どこかの国では腕時計のように携帯できるものを作っている。IT産業はどこまで行くのだろうか・・・
我が家には、何もメモリーをしていない鏡のような直径8インチ(約20センチ)の丸いシリコンの見本が、主人の会社人生の歴史のひとつとして飾られている。

主人が携わった『クリーン化技術』のクリーン化とは、材料のシリコンから、製品として使える良品の半導体がどれだけ出来るかという割合『歩留(ぶどまり)』を良くする技術なのだ。
当時、半導体を製造する過程で、いわゆる『目に見えない』ぐらいの『ミクロなゴミ』が問題で、しかもそのゴミの出どころは大半が『人間』なのだということが徐々に判明してきた。
主人はこの半導体を製造する工場での『ミクロのゴミ』対策に寝食を費やした。

このクリーン化が備わった工場で歩留の良い製品ができるようになった頃、会社命令で四国愛媛県西条の海のそば500メートルの場所に、半導体工場を作るという大プロジェクトに関わった。当時会長だった方が、ご自分の故郷西条に半導体工場を作るという夢を実現させた。
当時ほかの企業からは「塩害の多い海のそばに工場を作るなんて気が違ったか?」と笑われた。
会長は「月に人が行く時代にできないわけはない」と強硬にプロジェクトを進められた。
ただでさえ『ゴミ』が大敵な半導体なのに『塩害』はそれ以上に未知な課題でもあった。

科学者魂に火がついた主人は、自分の身体にどれほど塩が付着するか?人間の身体からどれほどの塩が出るのか?など、色々な課題を自ら出して、会社の現場はもちろん地元の海のそばでも色々な実験を実行した。
その際、自分一人ではさびしい?ので家族もついでに実験の手伝いなど「させられた」。
科学者、建設業者、クリーンルームで着る『無塵服(ゴミの出ない服)』を作る繊維業界、諸々の会社の技術が使われた最先端の工場は、最終的にはロボットが作業しているが、半導体産業が日本で衰退していくまで日本の半導体産業の象徴的な建物だったと言える。

家族も巻き込んでの実験等は30年ぐらい前のこと。
その後10年余して、NHKで後の「プロジェクトX」の前身のような番組『電子立国日本の自叙伝』で放映されることになった。
我が家での実験などの再現フィルムを作るために、NHKの撮影隊が1月17日、18日に地元まで来られて何シーンか撮った。
この日奇しくもイラン、イラクの『湾岸戦争勃発』の日でもあって、ディレクターの行成さんが車のラジオで逐一その状況を聴いていたのを思い出す。
会社でのインタビューやこの撮影は『電子立国日本の自叙伝』第6話で取り上げられて放映された。

クリーン化技術による『歩留』100パーに近い製品が作れるようになった日本はアメリカを抜いて行った。
しかしIT産業ももう天井まで来ていて新しい何かがない。
日本の技術は、かつて日本がアメリカにそうであったように韓国、台湾に席巻されてしまった。

そして今また『モノづくり』の重要性が叫ばれているのだ。
主人曰く「How to」から「What?」の流れすなわち「部品の高レベル化に力を入れすぎたが、高レベルなシステム化に日本は乗り遅れた」と。
一時期日本に席巻されたアメリカの産業は、このことに気づきやり方を変えていって元気になっている。
根源は「日本の教育にある」
『答えはいくつもある』という考え方でしかも瞬時に、今必要な答えを出せねばならないと言う。
「マニュアルにはないから」などと言っていたらどんどん世界に取り残されていくのだとも。

活動を終了した「女声合唱団風」のこと、「コーラス花座」のこと、韓国ドラマ、中国ドラマなど色々。

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