〜かたることばが歌になる風になる〜

女声合唱団風「練習日記」より

林光さんは、多くのファンの方がご存知のように、文章を書かれてもまたピアノを弾かれても抜群なうまさで、「女声合唱団風」の伴奏者もあこがれるおしゃれなピアノでした。

「風」の過去のステージDVDを整理していたら、2008年のコンサートで、ピアニストが5人も居る「女声合唱団風」ならではのピアノ連弾の演奏があった。
 「三文オペラ」の音楽を作曲したK.ヴァイルの『タンゴバラード」(佐藤信詩)を林さんが編曲した『ヒモの歌』である。
 
ベルトルト.ブレヒトはドイツの作曲家、クルト.ヴァイル、ハンス.アイスラーの二人と仕事をした。
K.ヴァイルが作曲した「三文オペラ」の中で歌われる『タンゴ バラード』のピアノ連弾版の演奏は多分本邦初演奏じゃないだろうかと思う。
 
B.ブレヒトの「三文オペラ<Mack The Knife>」とは…
ジョン.ゲイの『乞食オペラ』を元に書かれたもので、イギリスビクトリア朝時代のロンドンの犯罪世界を舞台にした音楽劇。
ブルジョアも実は泥棒と変わりはない、腐敗したブルジョア階級を鋭く風刺した作品で、「人間の世界は、悪人ばかり」というのが、この劇の底に流れる皮肉なテーマだ。

「Mack The Knife」は、盗賊団のボスのマックと、乞食集団の元締めのピーチャムの、ひとり娘ポリーとが出会って結婚したことから、極悪で女たらしのマックをとりまく登場人物と娼婦たちとで繰り広げられる、現実社会では起こりえない、悪人たちのハッピーエンドをパロディー化した劇。これは当時のナチス政権への批判でもあった。

ブレヒトがよく使う「異化効果」という手法がある。芝居の途中で、劇の筋書きとは全く関係ない歌が入ったリする手法。これは、登場人物への感情移入を拒否して、舞台で起こることを観客に客観視させるための手法だ。
「風」で歌っている『ソング』の多くはそういうもの、「異化効果」に使われている「ウタ」が多い。
「風」の指揮者は「女声合唱団風」を結成するずっと前から、きれいごとでないそういうものの中に真理があるのだと確信し、林光さんの作る音楽に共感し、団を結成して林さんの音楽を中心に「風」らしいハーモニーで歌ってきた。
 指揮者から常に「これが合唱だ~というような『きれいごと』にならない歌い方で」と言われながら・・・



活動を終了した「女声合唱団風」のこと、「コーラス花座」のこと、韓国ドラマ、中国ドラマなど色々。

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