現在、横浜で食べられるバンメンをすべて体験したと思って、先日、記事にあげたのだが、この中華そばは奥が深いというか、しぶとく生き残っているというか、まだまだバンメン探訪のツアーは終わることがないようだ。 というのも、「街角中華」さんのブログに、「廣州亭」(南区弘明寺)のバンメンに関する記事が出ていたのである。 ここは超レトロで、足を踏み入れるのがためらわれる店。 私も以前から気になっていたのだが、独特なオーラに遮られて一度も入ったことがない。 「恰幅の良い彼」を運営するほんまさんも、こんな風に表現されている店だ。 前を通る誰もが存在を知っている、しかし、実際、入ったことのあるヤツは少ないだろう謎の霧に包まれた場所。 先日、上大岡に行く用事があったので、ついでに弘明寺まで足を延ばして「廣州亭」を訪ねてみた。 入口ドアに400円サンマーメンの案内が貼りだされている。 そのフォントも、なんだか異様な…… 建てつけの悪いドアを開けて中に入ると、ほんまさんが“飴色期を通り越して”というとおり、確かに黒くて暗い…… 少しでも明るい所と思い窓側の席につき、とりあえずビールを注文する。 BGMはテレビの音だ。 テーブルに置かれたメニュー。 たしかにバンメン(600円)がある。 ざっと目を通すと、ちょっと気になるメニューが載っていた。 まず、竹の子ソバだ。これって、「華香亭」や「奇珍」にもあったメニューで、両店ともバンメンを出しているのだ。なんだか共通するものを感じさせる。 そしてカレーそば。これは、バンメンを出している「玉泉亭」、「榮濱楼」でも見た。 冷やしソバ類の中にある「冷やしエビソバ」。どんなものなのか不明だが、これと同じ名前のものが本牧の老舗「喜楽」でも出している。 うま煮の種類が多いねぇ。 でも、それ以上に気になるのは「カツ」とか「肉タタキ」だ。 ビール中瓶が500円というのも嬉しい。 グラスもいい感じだ。 喉を潤したところで、店主にバンメンとは何か訊いてみた。 「トロミをつけた五目うま煮がのった中華そばですよ」 「じゃあ、五目ソバみたいなものですか?」 「いや、五目ソバは塩味でしょ。バンメンは醤油味ね」 「じゃあ、広東麺とおなじですか?」 「いや、広東麺はトロミが強いけど、バンメンは少し弱いのね」 なんだか分かったようで、よく分からないのだが…… 注文したバンメンが来た。 まずは具を確認する。 モヤシ、白菜、ニンジン、インゲン、玉ネギ、キクラゲ、ナルト、豚肉、生姜の薄切りだ。 スープは甘めの醤油味で、細麺を使用している。 容器は小ぶりのドンブリ。 外側にいっさい模様がないのが特徴的だね。 そして肝心の味だが、ごく普通に美味しい。 あの独特の店構え、店内の様子からは想像もつかない一般的な味わいであった。 帰り際に「いつから店をやっているのか」訊いてみた。 「戦前からやっています。親の代からなんだよ。バンメンはその時以来のメニューなんだ。うちのオリジナル麺というわけではなく、他の店でも出していたよね。形はいろいろだけど。サンマーメンだって店によって違うでしょ。バンメンもそうなの」 「すごい歴史のある店なんですね」 「まぁ、古いだけの店だよ」 どうやら、昔はバンメンを出す店がもっとあったようだ。しかし、広東麺と似たような中華そばということで、次第にすたれていったのかな。それでも、あまり大きな変化を好まないような店では、そのままずっと残ってきたのかもしれない。 中華そば界のシーラカンスか。 それから、ここのメニューを見ていて思ったことがある。それはバンメンを出す店のメニューをすべて比べてみたいということだ。何か共通するものが見えてくるような気がするのだ……。 なんとなくバンメンの歴史が垣間見えてきたところで、腹ごなしを兼ねて弘明寺商店街を散策してみた。 これも以前から気になっているレストランだ。 こちらもレトロな中華料理店「天華」。 バンメンがありそうな佇まいをしているが、ネットで検索した限りではどうも提供していないようだ。 京急「弘明寺駅」へ向かう途中、なんだか妙なものを発見。 いったんは通り過ぎたのだが、ちょっと振り返ってみると… 山下町内会!? ここは南区のはずなのだが…… 住所は弘明寺だよね。 中区の山下町町内会からお古を貰ったんだろうか? 本家の山下町の方は、こんな新しいタイプに替えているからね。 ←素晴らしき横浜中華街にクリックしてね |
もうずいぶん長いことバンメンを食べていません。
未訪問の店がまだ2つあるので、そこから再開するかなぁ。。。
ありがとうございます。
大口ですね。
山下町で修業したというのも気になります。
この商店街は面白いですね。
近ければちょこちょこ行ってみたいのですが・・・
私もそちらの更新を楽しみにしています。
すごいですよね。
現在、横浜で出されているバンメンの姿は、前の記事で出しましたが、本来の姿がどうだったのかは不明です。
広東麺、五目ソバ、バンメンの3種を同時に扱っている店はないでしょうね。
そちらの調査にも感服しています。
私も具を調べていますので、そのうち公開しますね。
バンメンの歴史は横浜の歴史でもあるような気がします。
「華香亭」で聞いた話ですが、
発音が似ている漢字を使ったということもありうるとか。
でも、
「多くの涼拌レシピとは明らかに違う表記をされている様に思えます。」ということなので、だんだん分からなくなりますね。
情報をありがとうございます。
なんだかそんな気がしていました。
調べたら、「山下」「北ノ前」は昔の字名なんですね。
だから山下町ではなく山下。
あの中にはホースとか消火器が入っているはずです。
聞いた話ですけど・・・
サンマーメンだと塩味もあったりしますが、
バンメンはどこも醤油味です。
それはさておき、ワシも弘明寺好きになりそうデス♪
で結局、バンメンとはどのような形態のヤツを指すのでしょう?
この際ですから3人集めて、広東麺と五目そばとバンメンを同時に注文して比較するしか無いような気もしますが、ますますワケが分からなくなりそうな気も・・・・・・
引き続きバンメン探索をしていますが、なかなか見つけられません。
多くの涼拌レシピとは明らかに違う表記をされている様に思えます。
本には発行年月日が記載されていませんが、大正時代のメモから編纂されたようです。
近く参考資料として、仲介人に預けておきます。(笑
弘明寺町は山下と北ノ前の二つにわかれているようです。
雰囲気としては、今は懐かしき安楽園でしょうか?。
山下町表示赤い箱の謎は深まるばかりですが、
だいたいあの赤い箱は何が入っているんでしょうか?
なんやらマンホールが傍にあるので、
消防のホース入れかな・・と思うんですが?
いや、下水のマンホールかもしれないし・・?