今年もとうとう横浜中華街から「冷やし中華」の貼り紙が消えた。 一店、また一店と、まるで気づかれてはいけないかのように紙が剥がされていき、10月も上旬を過ぎると、中華街中を駆けずり回っても「冷やし中華」の文字を発見することができなくなった。 あの「桃源邨」ですら、上海冷麺の貼り紙が消えている。 毎年、夏が来たなと感じるのは、「冷やし中華あります」という紙が店頭に貼られたとき。早い店では6月頃に出している。 一方、夏が終わったなと感じるのは、海の家が解体されたとき。それまでの明るくカラフルな海岸に、どこか寂しげな色彩が加わってくるのだ。 そして毎年不思議に思うことは、「冷やし中華、終わります」という張り紙が出ないこと。 夏場しか出ない冷やし中華だ、これを食い逃したら来シーズンまで待たねばならない、だからいつ終了するのか事前告知をしてほしい、と思っている人は多いのではないだろうか。 ところで、これは純粋な冷やし中華ではないのだが、一年中、冷やし系の中華麺を出している店がある。本牧町の「喜楽」。冒頭の写真にあるとおり、昭和レトロの雰囲気漂う料理店だ。 このエリアでは、まもなく創業100周年を迎える「華香亭」と並ぶ中華の老舗である。 入口のドア、両サイドのガラスに描かれた龍の絵、学食風のテーブルと椅子など、どれもが歴史を感じさせる。 そんな古めかしい店に、とんでもない料理がある。冷やし系中華麺だ。 メニューブックには、ちゃんと<冷麺の部>なんていうのがあり、こんなのが掲載されているのである。 ■冷たいラーメン 530円 ■冷やしサンマー麺 740円 ■冷やしうまにそば 900円 ■冷やし海老そば 900円 ■冷やしネギそば 900円 ■冷やし肉そば 840円 冷やしサンマー麺! 確かにルックスはサンマー麺だ。 でも、どこに麺があるの…と思ったら… セパレート方式になっていた。 具の方は今つくったばかりという感じでアツアツ。 一口頬張ると、なかなか美味しい。これだけで十分、料理といえる。 麺のほうはストレートでシコシコしている。キンキンに冷えているわけではなく、たった今、水でしめました、という感じ。 醤油系のスープには氷が入れられ、次第に薄くなり冷えていく。 これを別々に食べるのではなく、ここではぶっ掛けにするのが流儀のようだ。 冷たいスープに麺、その上に熱い餡をのせる。これを箸で一緒にたくし上げ、口中に放り込むと、不思議な食感が広がる。 熱いところと冷たいところが混在し、熱い餡はぬるくなり、冷たいスープと麺もぬるくなる。 両者がお互いに譲り合い、適当なところで妥協していくという、最近流行の友愛的中華料理といったところか。 こちらは「冷やしうまにそば」。 別皿に盛られた<うまに>は完全な一品料理といえる。 これを肴に、まずはビール! 定食類が1000円前後と高めの価格設定のなかで、中ビンが530円というのはずいぶんと落差がある。 というよりも、定食類はその値段なりの品質があるのだろう。食べたことはないが…。ここでは、価格に見合った料理が出されているのではないかと思う。 ビールを飲んだ後は、残った“うまに”を冷やし麺の上にのせていただく。 これもかなり美味しい! 冷やし中華ならぬ“冷やしラーメン”。 チャーシュー、味付きモヤシ、メンマ、ネギという具財は、別皿ではなくラーメンの中にすでに投入されて運ばれてきた。 盛り付けの楽しみが奪われてしまった一品だ。できればこれもセパレートにしてほしかったなぁ…。 ←素晴らしき横浜中華街にクリックしてね 「ハマる横浜中華街」情報はコチラ⇒ |
美味しそう。
祖母んちが本牧なので、このラインはチャリでぶっとばしたりバスで通ったりするのですが
外から眺めるだけのお店も多く
今度入ってみます。
レトロな内装も、自分の目で確かめた~い。
この通り、こういう老舗がまだ元気で、新興もいくつかあり、賑やかなのが嬉しいです。
アーケードも歩道行く人には優しいですが、店構えが見えなくなってしまうのは少し残念です。
このアーケードのある商店街をゆっくり歩くと、いろいろな発見がありますよ。
バスを途中下車してみたらどうですか。
この町は古いだけあって、老舗がけっこうあります。
そして新興実力店も。
不思議な町です。
クッチョー ww
つい、通り越してしまうエリアです。
しかも、アーケードだか幌だか判らんもので隠れているので、素通りする人って多いんじゃない。