市役所の話は一度お休みをして、今日はトマトご飯の話です。
私の父は腸がとても弱く、母からも「本当に、可哀想になっちゃうくらいお腹壊してるよ」と
ため息まじりに言われていました。
母が亡くなってからもよくお腹を壊し、私は買い置きしてあった”カニ雑炊”をお鍋に開け入れ、
「温めるだけでOKだからね。」と、父に渡しました。
その頃、父の認知機能は少しずつ衰えてきていたので、出来ることは自分でやってもらおうと、
頭の体操を兼ねて、私は横で黙視していました。
すると父はその辺にあったトマトをポイポイと鍋に入れ、グツグツ煮込み始めたのです。
今でこそ私も、似たり炒めたりと色々な料理にトマトを使いますが、
その当時、生で食べると水々しくて美味しいトマトを、煮込むという選択は私にはなく、
すぐさま「いやぁーーーー!」と悲鳴をあげ、お鍋を取り上げてしまったのです。
その頃の父は、口に入れてはいけないものを食べようとしたり、
せっかくの揚げ物をお汁の中に全部入れて食べたりと、
今までには無いような行動をし始めていたので、
このトマトの雑炊もそういったものの一つかと思ってしまったのです。
「最高に美味しいご飯になる、と思ったのに。。。」と残念そうにいった父の言葉は
今でも耳の奥に深く残っています。
たまに料理番組などでトマトを煮たりしていると、あの時の事が思い出され、
何ともすまない気持ちでいっぱいになってしまいます。
スーパーで「トマトご飯の素」というのを見つけたので、作って見ました。
ケチャップご飯が好きだった父、このご飯も大好きな味です。
温かいうちに仏壇にお供えしました。ごめんね、お父さん。
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