11月14日(火)、昨日、奥港で石材を積み込んだ台船が大浦湾に入ってくるというので、今日の海上行動は午前6時集合となった。カヌーメンバーや船長らは、なんとしても阻止するとやる気満々だ。私は、昨夜、奥から戻ってからも所用が続き、さすがに那覇からそんな早朝に辺野古に行くことができない。それでも、「台船がやってきたので、抗議船は雨の中、航路入口付近で阻止行動中だ」という連絡が入り、大慌てで辺野古に向かった。
たまたま汀間漁港に戻ってきた「美ら海」に飛び乗り、K9護岸に向かった。昨日、奥で見たあの大きな台船がK9護岸の先端に着いている。
先日のブログでも説明したように、傾斜堤護岸のための石材の海上搬送は、埋立承認願書の「環境保全に関し措置を記載した図書」の変更であり、留意事項により知事の承認が必要である。また、今回の奥港へのダンプ集中など、ヤンバル一帯の環境を大きく悪化させる。ゲート前の座り込みにより、石材の陸上搬送が大きく遅れていることから防衛局が焦って打ち出さざるを得なくなった海上搬送だが、知事の承認なしにはできないものだ。辺野古側でのN5、K1工事もそうだが、防衛局の違法工事は目に余る。
今日の作業を監視していると、いくつかの問題に気がついた。
K9護岸へは、アンカーに繋いだワイヤーロープをウインチで巻き上げて接岸するため、かなりの時間がかかる。護岸の手前で非自航としてから約50分後に接岸が終り、午前11時にやっとダンプが台船に入って、石材の積込が始まった。船から見ていると、ダンプがK9護岸に来て石材を積込み、出ていくまでに約4分ほどかかっている。1日に7時間作業をしても、ダンプ110台分ほどの石材を陸揚げするのがせいいっぱいなのだ。防衛局は、海上搬送の目的を「作業の加速のため」というが、採石場から港までの運搬、港での積込みと海上搬送、そしてK9護岸で陸揚げをして辺野古側までの運送等を考えると、作業効率はむしろ陸上搬送よりも大きく落ちるのではないか? いくら搬出港や台船を増やしたとしても、陸揚げがK9護岸からしか出来ない以上、ペースは上がらない。
そして、台船から石材を運ぶダンプトラックのほとんどが積載オーバーだ。ダンプは、荷台の高さよりも上に土砂や石材を積み込むと過積載となる。海面に近い船から、高さ2mほどの護岸の上を走るダンプトラックを見上げているにもかかわらず、石材が荷台の上に盛り上がった状態で見えているのは明らかな過積載だ(末尾資料参照)。
昨年の北部訓練場のヘリパッド工事でも指摘されたが、基地の中だからといって、このような積載オーバー車の走行は許されない。市民106名が明日、シュワブのゲートに入るダンプトラックが道路運送車両法、道交法違反だとして沖縄県警察本部に告発するが、この過積載の問題についても今後法的措置を検討する必要があるようだ。