10月18日(火)、北部訓練場のメインゲート前などで米軍車両の前に立ち止まったり、訓練場跡地で発見された米軍廃棄物を置いて業務を妨害したとして、道交法違反、威力業務妨害の罪に問われた宮城アキノさんの初公判が開かれた。
傍聴券は抽選となったが、締切直前に突然、多くの人たちが来て列に並んだ。アキノさんによると、名護署の警察官も私服で来ているという。
以前、沖縄平和市民連絡会の機動隊派遣住民訴訟で、県警職員らが多数、動員され、傍聴の抽選に当たったにも入室しなかったために傍聴席に多くの空席が出来たことがあった。原告や支援者の傍聴を阻止するための妨害活動だったのだ(2021.1.24のブログ参照)。あるいは、今回も組織的な動員かもしれない。
公判が始まった。冒頭、宮城アキノさんは裁判長の質門に対して、「いずれの容疑についても、犯罪の成立について争います」ときっぱりと述べた。
そして検察官の冒頭陳述、弁護側の冒頭陳述が続いた。弁護側は、本件の争点を次のようにまとめ、「公訴棄却もしくは無罪」と主張した。
1.本件起訴は、米軍や防衛局の環境破壊行為を不問に付し、宮城アキノさんの活動を妨げる目的で刑事罰を科そうというものにほかならず、差別的になされた不当な起訴であり、公訴権の濫用にあたる。
2.宮城アキノさんの行為は、表現の自由によって保障された表現活動の範囲内の行為であり、違法性が阻却される。
3.宮城アキノさんが「通行の妨害となるような方法で立ちどまっていた」事実はない。また、時間も短く、宮城さんがちょ立を始めた時点で米軍車両は既に停止していた。
4.本件廃棄物を並べたことは、「威力」とは認められない。また、そのために「業務」が妨害される関係にあるとは認められない。
その後、検察側が証拠の説明をした。警備員らが撮影したという映像が上映されたが、弁護団からの抗議にもかかわらず、法廷の大画面は使われず、裁判官、検察官、弁護団席の小さい画面だけで上映されたので、傍聴席からはまるで分からない。傍聴者からも抗議の声があがった。
30分ほどの上映の後、休憩に入ったので、私は夕刻からのズーム会議の準備もあって退席した。その後、連絡が入り、再開後、裁判長は大画面での上映を認めたという。検察側が抗議し、映像にある第3者の顔を消す等の作業に時間が必要というので、上映は次回になったという。
ともかく問答無用の訴訟指揮が改められたことは良かった。
今後の公判は、11月8日、11月10日、12月6日、12月8日と連続して続く(いずれも13:30~)。