10月10日(金)、猛烈な大きさに発達した台風19号が沖縄を直撃しそうだ。もうこれで一体何日、海上行動がストップしているだろう。防衛局は連日のように「近く大型スパッド台船による掘削調査を再開する」(2014.10.10 琉球新報)と言っているが、この巨大台風のために身動きが取れずあせっているに違いない。
ところで、今日の目取真さんのブログ「海鳴りの島から」で、防衛局が新しく海底ボーリング調査を発注する予定だということを知った。あわてて防衛局のHPを見たが、確かに今日付けで「シュワブ(H26)地質調査」の入札公告があった。「海上ボーリング3本」、「開札:12月9日」、「工期:H27年3月31日」というだけで詳細は分からない。それでも推測できる範囲で、一体何事が起ったのか、私なりの見解をまとめてみたい。
現在行われている海上ボーリング調査は、当初の計画では、浅いところでの単管ヤグラによる調査が9ケ所、深海部での大型スパッド台船による調査が12ケ所ということだった。それが、途中で変更され、単管ヤグラは全て中止、小型スパッド台船による7ケ所の調査に変更された。また、大型スパッド台船の調査は9ケ所に削減され、数合わせなのか、陸上部で5ケ所の調査ということとなった。
台風が明ければ大型スパッド台船による9ケ所の調査が始まると言われているが、そんなときにこの海上ボーリング調査3本という入札公告が出されたのだ。目取真さんは、ボーリング調査箇所を減らしたので、再度、やり直す必要が発生したのではないかと言われているが、それなら従来の調査委託の変更で済んだはずだ。新しく3本だけで入札公告を出したのは何らかの事情が発生したものと思われる。
不可解なことに、工期は現在の調査が11月30日なのに、今回の入札公告は来年の3月31日となっている。こんなに工期を遅らせているのは何故なのか。また、ボーリング調査の結果を受けて実施設計を仕上げることとなるが、実施設計の工期は11月30日だったが、今回のボーリング調査の変更を受けて実施設計も工期は来年3月31日まで延期せざるを得なくなる。埋立工事の工程がどんどん遅れているのだ。
気がついたのは、今回の新しく発注予定の調査では、磁気探査が「鉛直探査 地下30m」となっていることだ。現在行われている海上ボーリング調査でも磁気探査が行われているが、鉛直方向は「地下 10m」でしかない。地下10mから30mまで深くせざるを得ない何らかの事情があったのではないか。磁気探査とは不発弾調査のこと。普通なら地下30mもの不発弾調査は考えられない。不発弾に関して何らかの事情が発生したに違いない。それで工期も大幅に遅らせるを得なくなったのだろう。