明日から、『パッドマン 5億人の女性を救った男』が公開となります。公式サイトはこちらです。劇場用パンフレットにもいろいろ書かせていただき、また先日は12月3日(月)の「しんぶん赤旗」に映画紹介も書かせていただいたので、何だか『パッドマン』ストックも品切れの感が、とか思っていたら、そうそう、これをご紹介するのを忘れていました。それは、主人公たちのファッションです。これにもぜひ注目していただきたく、ちょっとひと言だけ、書いておきます。
1.パリーのファッション
パリー(ソーナム・カプール)のファッションは、基本的にはクルター・パジャマと呼ばれる、インド風の丈長上着とズボンの組み合わせ+スカーフ。同じような丈長上着とズボン、ということで、サルワール・カミーズと呼ばれるドレスもあるのですが、パリーは基本的にはクルターが好きなようです。こうして見ると、インド各地を回っているシーンでは、藍色のクルターが多いようですね。
スカーフはしていない時もありますが、基本的には3点セットです。
このパリーのファッションは、シンプルで着やすいベーシック・ファッションを提供する、ファブインディアとかアノーキーといった店の製品を思い起こさせます。ファブインディアのクルターのサイトを覗いてみて下されば、パリーが着ているようなアイテムをたくさんご覧になれます。私も実はファブインディアが好きだったのですが、近頃は結構お値段が高くなり、もっと大衆的なウェストサイドとかライフスタイルの服にシフトしました。ファブインディアが好きな人は、教育程度が高く、また経済的にも豊かな人が多いようです。このパリーですが、一度だけサリー姿をご披露します。とってもゴージャスなサリーなので、よくご覧になってみて下さいね。
2.ガヤトリのファッション
ラクシュミの妻ガヤトリ(ラーディカー・アープテー)は、冒頭が結婚式のシーンなので、ずっと既婚者ファッションです。インドのサリーは、女性なら誰でもが着ているような印象を受けますが、サリーを日常的にまとうのは既婚者、あるいは既婚者予備軍(つまり、婚約が成立したとか、見合いをするとか)になってからです。ガヤトリは、基本的には木綿のサリーを着ています。そして、サリーの着方も端側(アーンチャルと言って、体に巻く部分とは異なる、きれいな模様が付いています)を後ろから前に持ってきて着る、という着方です。
外出の時は、やわらかなサリーを着ますが、これはジョーゼット・サリーにも、あるいは日本製のナイロン・サリー(今はポリエステルが多い)のようにも見えます。そして、首にはいついかなる時にもはずさない、マンガルスートラという黒と金のビーズでできたネックレスをしています。これは既婚者しかできないネックレスで、既婚者でも夫が存命の人しか掛けることができません。ラクシュミと引き裂かれて実家に戻ったガヤトリが、このマンガルスートラをどのように身につけているのか、にも注目してみて下さい。
ガヤトリを演じたラーディカー・アープテーは、いつもなら都会的な女性を演じるので、このガヤトリはミスキャストではないかと思っていたのですが、R.バールキ監督にインタビューしたところ、監督は彼女をべた褒め。監督インタビューは劇場用パンフレットに収録されていますが、監督の言に私もちょっと見方をあらためました。
3.ラクシュミのファッション
ラクシュミことラクシュミカント(アクシャイ・クマール)のファッションは、ダサい田舎のお兄さんファッションです。ここでポイントとなるのは、シャツの裾がズボンに入っているかどうか、という点。実はそれが、ラクシュミを巡る二人の女性と関係してくるんですね。詳しくは映画を見ていただくことにして、田舎でも都会でも、オフィスに勤める人以外は大体シャツを外に出しているのが普通です。
でも、女性たちは夫を格好良く見せたいというか、オフィス勤めです、と思わせたいというか、シャツの裾をズボンの中に入れさせたいようです。ガヤトリもそうで、いつも出勤前にズボンの中に押し込むのでしたが、夫はシャツを外に出すラフなスタイルが好き、というのも十分承知しています。ですので、しばらく別れて暮らしていた夫が、テレビ出演ではシャツをズボンの中に入れていたとすると....。女性の勘はあなどれませんよ~。
こんなところにもご注目いただけると嬉しいです。では、『パッドマン』、楽しんできて下さいね! あ、そうだ、R.バールキ監督が、皆様の反応を知りたいそうです。「Tomorrow is Pad man release in Japan. Would be lovely to know people’s reactions. Do let me know.」というメールが本日来ました。ツイート、どんどんアップして下さいね。もし、英語でおできになる方は、ぜひ英語でもよろしくお願いします。また、ブログに映画評をアップなさった方は、監督にお知らせしますので、コメント欄を通じて教えて下さい。「2018年は、『バーフバリ 王の凱旋』に始まり、『パッドマン 5億人の女性を救った男』に終わった」にしたいですね!
拙ブログも、お役に立ったようでよかったです。
名言もそうですが、名脇役も多くて、多くの方がイチオシのパリーのお父さんのほか、インドールの工科大の先生とその幼い息子、女子医大のメガネ美人ちゃんなど、とっても好きでした。
今、『PK』で寺院の神像売りをしていたブリジェーンドル・カーラーが人気者になっていますが、この人たちともまたどこかで再会したいものです。
映画の前にはあまり情報を入れないようにしているのですが、シャツの裾についてはこちらを先に見ていなかったら絶対気づかなかった大事な点でした。
すごく生々しいテーマなのに、アクシャイ、ラーディカー、ソーナムの清潔感に助けられてさわやかな印象でした。
10億の頭脳・・・と一人の女性を助けられない男は・・・などなど名言がたくさんありました。
お返事どうもありがとうございます!
また、ブログも読んでいただいて嬉しいかぎりです。バールキ監督にも伝わることを祈っております。
パンフレット、とてもとても勉強になりました!これからも心にぐっとくるインド映画を楽しみにしております。
ブログも早速拝読しました。
お上手な日本文で、お気持ちの伝わる素敵なご文章ですね。
英語でも最後にまとめて下さっていて、感謝!です。
早速バールキ監督に、メールでブログのアドレスをお伝えしました。
日本文も自動英語翻訳で(多少なんちゃって英語になりますが)見てもらえると思いますので、監督、喜ぶと思います。
ありがとうございました!
パッドマンにものすごく感動してcinetamaさんのブログにたどり着きました!早速私も自分のブログに感想アップしました。英語の箇所はなんちゃって英語になっていますが・・・。パンフレットも購入して余韻に浸っております。本当に良い映画でした!大満足です。