鉄道友の会は2019年のブルーリボン賞を小田急70000形『GSE』に、ローレル賞を相鉄20000系と叡山電鉄デオ730形『ひえい』に選定したことを発表した。
『GSE』は60000形『MSE』以来10年ぶりのロマンスカー、展望車付きは『VSE』以来となる。展望車はセンターピラーレスの大型3D曲面ガラス採用と座席配置を見直すことで眺望性を向上、先頭車は荷棚を設けないことで開放感のあるデザインとした。外観はローブバーミリオンを主体とした塗色、先頭部は曲面とエッジラインを組み合わせたデザインとした。
相鉄20000系は、3年後の東急などへの直通運転を考慮した仕様とし、車体巾は2,770㎜と狭くしている。外観は相鉄の新しいカラーである『YOKOHAMA NAVYBLUE』、車内はグレートーンで統一し、LED照明の調光調色は自動で設定できるようになっている。また、鏡も復活させている。
『ひえい』は732号車の台枠、骨組以外を改造、前面は大きな楕円、側面もドア窓も含め楕円の窓をあしらったものとした。車内は濃緑色の壁と黒色の吊り輪、黄色のシートは525㎜のバケットタイプで背もたれとヘッドレストを配置している。
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去年のブログの予想通りとなった『GSE』のブルーリボン賞受賞と相鉄20000系のローレル賞受賞、『ひえい』は忘れていたけど。票数的にはGSEがローレル賞2種の倍近く集め、ローレル賞2種は他の車両の倍以上集めていたから、例年に比べて選考しやすかっただろう。
今回、選定対象となった車両は、特急車が小田急GSE、通勤車が相鉄20000の他に、東急2020/6020、都営5500、関西からは『ひえい』の他に大阪モノレール3000、六甲ライナー3000、路面電車が札幌の1100、高知の3000、JRで唯一の候補が自転車搭載可能の209系2200番台『B.B.BASE』といった具合だ。
『GSE』は、1958年の『SE』車から8度目のロマンスカーのブルーリボン賞受賞、唯一の特急車候補だから、他に張り合う車両がなく断トツといった感じがする。60年以上に渡って、受賞し続けるというのは、観光特急としての伝統があるのだな。『EXE』がまともな観光特急としてデビューしてれば、1997年のブルーリボン賞が空白じゃなかったのに。その唯一受賞してない『EXE』については、ロマンスカー初のリニューアル改造中、いつの間にか一番古いロマンスカーになっているのか。
相鉄は初めてのローレル賞受賞となる。ここ最近は209、E233ベースの味気ないステンレス車が続いたけど、2015年にデザインブランドアッププロジェクトを始動して、翌年に9000系の大幅リニューアルを行なうようになってからは、車両に対する姿勢が大きく変わった。今回受賞した20000系は、相鉄では初の日立のA-TRAIN、前面は貫通型になっているものの、他の地下鉄直通車にない斬新なものになった。3年後には東急を経由して、埼玉方面まで乗り入れるようになるわけだが、どこまで乗り入れるか気になるところだ。
叡山電鉄は、1998年の900系『きらら』に次いでのローレル賞受賞となる。改造車のローレル賞受賞は、3年前に四日市あすなろう鉄道新260系があるけど、あれは新造車も組み込んでいるからな。あのインパクトある外観に目が行きがちだけど、実際乗ると内装も凝っていることも実感する。座ることができればの話だけど。
1976年度ローレル賞を受賞した東急8500系の置き換え車両、2020系は受賞ならず。静岡鉄道のA3000の色違いみたいなものだからな。都営5500は都営地下鉄久々の新車であのデザインという割には意外と票を集めなかった。デザインの斬新さでは六甲ライナー3000もだけど、デザイン以外はありきたりといった感じなのだろう。路面電車はそろそろ飽きてきたのだろうか、去年は鹿児島市電の7500が持っていたけど。209系2200番台は通勤車両に自転車を乗せられるという意味では斬新なんだけど、2000年に950番台がローレルをもらっているからな。
来年のブルーリボンは、池袋から発着する私鉄特急車両、ローレルも池袋から発着する地下鉄車両になるだろう。多分。
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