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しーさるの鉄日記

留辺蘂と西留辺蘂を駅巡り

西女満別発9時06分の列車に普通北見行に乗車、次の美幌で学生がいっぱい乗り込んで、席が半分くらい埋まった。美幌の乗車人員は264人、504人の北見、268人の網走に次いで、石北本線で3番目に利用者が多い。JR東日本なら、遠野や久留里クラスだ。停車本数は普通10本特急4本なので、普通8本快速3本の遠野よりは多い。美幌を出てしばらく走ると、国道から離れて小さい峠越えに入る。周辺の集落がなくなるためか、美幌から緋牛内までは駅間距離が11.5キロもあり、北見~網走間で最も長い。美幌駅は標高12mほどだが、峠の辺りでは80mの標高となるので、62mの標高まで上がって全長271mの緋牛内トンネルで峠を抜ける。一方、数キロ遠回りする国道は100m以上まで登る。緋牛内トンネルを抜けて3キロほど走ると、緋牛内に着く。緋牛内、端野と巡ってない駅が続くが、北見から先を優先させることにした。緋牛内を出ると、常呂川沿いを走行、北見の市街地に入っていく。

北見着9時43分、北見盆地の中にあり、常呂川を上流へ向かう形になるので、標高は70mと緋牛内トンネルより高くなる。接続相手の特快『きたみ』まで40分以上あったので、駅周辺を散策することにした。駅を出て左側、旧東急百貨店のパラボの隣には北見市役所が2020年にオープン、パラボの2階とはスカイラウンジと繋がる形になった。以前は駅前の通りを数分歩いた後右折、駅から400mくらいのところがあったが、2011年に取り壊されたあとは隣の赤十字病院が拡大した。パラボの向いのセイコーマートで買い物したあとも少し散策して、10時10分くらいに駅が向かった。『きたみ』に乗ったのは発車直前だったため、ボックスは確保できなかったが、留辺蘂までは24分なので座ることができれば十分だ。

北見からは以下の順序で巡ることにした。
北見1026-1050(56)留辺蘂(歩)(55)西留辺蘂1204-(53)1224生田原1331-1514(64)緋牛内1540-1620(57)相内1706-1753(63)端野1836-1839(62)愛し野1913-1957(68)呼人

一昨年に白滝~安国間、それ以前に北見近郊の東相内~愛し野間をつぶしていたが、巡ってない駅も結構あった。今回はその埋め合わせという形になった。駅で過ごす時間を減らすために、北見を境に端野~相内間を2往復するスケジュールとなった。

北見発10時32分の特快『きたみ』は、西北見方面へは3時間ぶりの料金不要列車、しかも3時間前の朝一番の普通は西留辺蘂止なので、生田原から先へは朝一番の料金不要列車となる。種別は特快だが、上川までの通過駅は、西留辺蘂と瀬戸瀬だけになる。

留辺蘂は、網走に向かって左側に駅舎のある2面3線、以前は島式だったが、昭和30年代に駅舎の旭川寄りに上屋なしの短い片面ホームの1番線を新設、普通列車の専用ホームとなった。それにに合わせて、島式ホームも遠軽寄りに延伸されて、長編成の急行や特急が発着を続けていた。今でもそれは変わらず、普通と特快が1番線、網走行の特急が2番線、札幌行・旭川行が3番線の発着となっている。但し、17時38分と20時13分の遠軽行は北見行と交換するため、3番線の発着となる。18時07分着の網走からの列車は留辺蘂止で、折り返し36分の北見行となる。21時40分着の最終留辺蘂止は北見へ折り返さずに、遠軽まで40分かけて回送して停泊となる。

片面ホーム側からは階段を7段降りるだけで駅舎前のスペースに出れるが、島式ホームからは網走寄りの跨線橋を経由することになる。つまり、特急を使うには跨線橋を上り下りする必要があり、普通列車を利用するより面倒になる。島式ホームには古くからの待合室があり、特急利用者は跨線橋を上り下りした後に、ここで待つこともある。上屋付きの島式ホームと、駅舎に近い短い片面ホームというと音威子府も同じ構造だ。特急の交換をしながら、簡素な片面ホームの普通が待避したり折り返せる便利な構造だが、留辺蘂と音威子府しかない。元々2面3線の駅がほとんどだったからだろう。駅舎は平屋建て、以前は有人駅でみどりの窓口もあったが2016年4月末に廃止に、改札口付近の窓口は壁とホワイトボードで閉ざされ、運賃表だけが残った。駅が無人になったあとは歩いて数分のところにある坂口呉服店への委託となったが、定期券と札幌への往復きっぷと販売するものは限定され、前もて申し込む必要がある。広い待合室にはベンチと自動販売機があり、トイレも整備されている。

乗車人員は56人、女満別の83人より少なく、JR東日本の特急停車駅だと碇ヶ関の65人に匹敵する。列車本数が少ないから北見へはマイカー利用が多いのだろう。ただ、街が隣の西留辺蘂の辺りまで広がっているから、それを含めれば女満別と変わらないのかもしれない。
駅前広場は、ロータリーとはなってないので、駅舎側の車線からしかクルマを停めることができない。温根湯温泉への玄関口のためか、タクシーが止まっていた。駅前広場に隣接してバス待合所の建物がある。一時期は窓口業務を行っていたが、一昨年5月に窓口を閉めている。留辺蘂と北見の間にはバスが毎時1本設定されており、昼間は列車より多い。その半分以上が温根湯温泉へ向かうが、通学需要の高い午前などは後述の留辺蘂高校方面へと向かう。それ以外に旭川へのバスが層雲峡経由で設定されている。遠軽経由の鉄道とルートが違うものの、上川までの所要時間は特急と大差ない。

駅周辺は古くからの商店や民家が混在、駅近くには郵便局やスーパー、図書館がある。民家が多いものの、コンビニはなく、一番近いセイコマでも駅反対側の国道沿いまで20分以上歩くことになる。スーパー営業時間外の朝夜の調達は厳しいところだ。温根湯温泉は駅から10キロ以上離れており、バスで20分前後かかる。宿が6軒しかないが、大江本家というホテルは1000人以上が泊まることができる。北見からだったら鉄道でなくバスの方がいいが、札幌、旭川方面からだったら、留辺蘂駅でバスやタクシーに乗り継ぐ形となる。道の駅やキタキツネ牧場があるから、レンタサイクルの需要はありそうだが、駅は終日無人だし、観光案内所もない。昔は、留辺蘂駅から森林鉄道が伸びていたが、1960年までに廃止となっている。

駅近くのスーパーで昼食を買った後、隣の西留辺蘂駅まで30分近くかけて徒歩移動、留辺蘂~西留辺蘂間の駅間距離は2.0キロ、石北本線では夕方に寄る端野~愛し野間の1.4キロに次いで短い。先述した通り道路沿いに民家が続き、街が広がっている。

西留辺蘂は、網走方面に向かって右側に片面ホームのある構造、ホーム中程に新しめの待合室があり、その隣から網走寄りへとスロープが降りている。ホーム、スロープともに点字ブロックが整備されているバリアフリー構造が特徴だ。スロープを降りると、未舗装の小さ道を経由して、ホームと中学校の間の未舗装の道路につながっている。網走寄りでは舗装された道路が交差している。留辺蘂高校への通学需要のために、2000年に新設された。2022年新設のロイズタウン、2002年新設の流山温泉に続いて、北海道では3番目に新しい駅になるが、流山温泉は一昨年廃止となってので、現存する駅では2番目の新駅となる。そのため、待合室やスロープが他の無人駅と違っている。西留辺蘂と同じく学校の為の請願駅の名寄高校前駅は東風連駅を移転したものだから、新駅とは考えない。

通学需要があるので、8時02分の網走からの列車は20分の北見行として、16時33分の網走からの列車は53分の網走行として折り返す。ただし、折り返すのは西留辺蘂駅構内でなく、3.5キロ離れた金華信号場だ。西留辺蘂駅の開業と同時に、留辺蘂止の一部列車を金華まで延長運転することになった。金華駅の利用客数は少なかったが、西留辺蘂が棒線のだめ金華まで運転せざるを得なかった。2016年に金華は駅から信号場に格下げとなり、今の信号場で折り返す形となった。西留辺蘂で折り返せるように信号を改造しても良さそうだが、そのためのコストが2往復回送のコストを上回るのだろう。

乗車人員数は49人、留辺蘂駅とあまり変わらないが、利用者の大半は学生だと思われる。ただ、国道が近く民家が多いから、学生以外の利用も西女満別よりはあると思われる。同じく学生の利用の多い柏陽は155人と西留辺蘂の3倍以上の乗車人員となっている。

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