Xデーは4月1日!中国「天宮1号」の落下確率は?追跡チームが姿をとらえた!
制御不能になった中国版宇宙ステーション「天宮1号」が、地球の大気圏に向かって突入する日が近づいている。日本を含む北緯43°からオーストラリア大陸南端の南緯43°にかけて、どこに落ちてもおかしくない状況だが、米国の宇宙研究機関によると、わたしたちの頭上に破片が落ちる確率は「1兆分の1」だという。
「天宮1号」は、中国の「国家航天局(CNSA)」が2011年に打ち上げた同国初の宇宙ステーションの実験機。直径3.4メートル、長さ10.5メートルの円筒形で総重量は8.5トン(推定)だ。
もともと稼働寿命で設計されていた天宮1号は、運用停止後に「スリープ・モード」に入った。CNSAの当初の計画ではエンジンを逆噴射させて本来の軌道から逸脱させ、地球の大気圏に突入させて機体が燃え尽きるようコントロールする予定だったが、2016年3月、天宮1号からの通信が途絶え、制御不能に陥った。
現在各国の研究機関が1号機の動向を追跡しているが、スペイン・マドリードの「デイモス・スカイ・サーベイ(DeSS)」のチームが、光学望遠鏡を使った観測で今年1月、地球に接近する天宮1号の姿をとらえるのに成功した。
イタリアの人工衛星監視組織「SATFLARE」によると、天宮1号はすでに地上から200キロ近くまで高度を下げており、米国の「エアロスペース・コーポレーション」と共に、大気圏突入予定日を4月1日前後と予測している。一方、ブラジルの「Satview.org」は4月2日正午過ぎ(±8時間)と発表した。
天宮1号は大気圏突入でほとんど燃え尽きるため、機体の破片が頭上に直撃する確率はかなり低いが、気になるのは落下した後だ。
万が一、近くの海岸で天宮1号の機体の一部だと思われるガレキや破片を見つけた場合、機体には「ヒドラジン」というロケットや人工衛星の姿勢制御用推進燃料が付着している場合があるので、絶対に触れてはならない。ヒドラジンはアンモニアに似た刺激臭のある無色の液体で、強い毒性を持ち、皮膚と粘膜を腐食し、肝臓などへ影響を及ぼすおそれがあるからだ。
さらに、1967年に結ばれた宇宙条約によって、中国政府が所有権を放棄するまでは、天宮1号が地球上のどこに落下しても中国の財産であると定められていることから、下手に手を出すと「窃盗」の罪に問われかねない。
仮に天宮1号らしき残骸を発見した場合は、最寄りの地方自治体や警察に届けるべきだという。
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