夕暮れ迄に芽吹いた梢の萌黄なれど半笑いして年月待つべく重苦しき半生の線と許さるれば朔日の欠けと年老いて季節昇る憔悴の瞼啄木の音濡れ髪頚に身を委ねつつ中風吹く手もなよよかに衰褪行程呵責ありてたよりなき春高楼翠肥ゆれども刺青の術を癖とせし死期を待つはえらい心地
調子の悪さと体調不良に加え、季節の変わり目の寒暖差にも悩まされながらも、なんとか前を向いて歩まねばならない毎日です。年齢を重ねるごとに体力の大切さを実感しつつ、少しずつでも前に進みたいと願っています。小さな喜びを感じられる瞬間に支えられながら、これからも歩んでいきたいと思っています。
忘れし日甦るはカフェの灯一息つきて明日への橋混じる音ジャズの波間に安寧の海カフェラテの香りに浮かぶひびの疲れ溶かすはカフェのぬくもりかなふと見上げりゃ時は流れゆく変わらぬ店色褪せぬ思い凝りに凝り過去と現在交差する場道すがら逢瀬を重ねしカフェの扉今日もまた開き時を紡ぐよ
変わらぬ安らぎを与えるカフェに、久しぶりに訪れたことで過去の日常と再会し、忙しさに忘れていた大切な時間の価値を思い出した。カフェラテの変わらぬ味わいと、店主の温かな迎えが懐かしさと安心感を与え、変化する日々の中での一貫した存在の重要性を再認識させた。
被災地へと旅立った友よ誕生日は笑顔で過ごせるかなしみをこらえてあの日から十年も経てど揺れる心君に伝えられず机に置くケーキ君の夢応援している私だけど会いたいと思うのはわがままだろうか復興のために尽くす君素晴らしく尊敬する私でも愛している遠くても近くてもいつも君を想う言葉にできない切なさがここにある
3月11日は東日本大震災の記念日であり、親友の誕生日でもあった。あの日、私は5階のオフィスで仕事をしていたが、地震に驚いて外に逃げた。寒さと恐怖と混乱が体に染みた。親友は被災地の復興に貢献するために、自分の仕事を活かして革新的なプロジェクトを立ち上げた。私は彼の行動に感動し、尊敬した。自分にもそんな力があるのだろうか。
虚無の海に漂うペン先いつか再び紡ぎ出す物語葛藤の炎燃え尽きぬ夢希望の光射す夜明けまで深淵の闇響き渡る声抑えきれない創作への祈り閉ざされた心静寂の語り書きたい言葉溢れ出す夜夜明け前微かな光に手を伸ばす凍てついた心解き放つ瞬間
仕事で文章を書くことは多いが、プライベートでは時間や気力、体力不足のために思うように書けていない。書きたい気持ちと葛藤しながらも、希望を捨てずに、心の声を紡ぎ出す日を夢見ている。
ひな飾る母が願った少女の夢虚構の花散りゆく春祖父の笑顔ひな祭りの日重なる記憶愛と孤独玻璃の影色褪せない雛人形指先触れる幼き日の夢消えぬ祈り孤独の春命日とひな祭り重なる影愛の欠片胸に沈む五月雨降るひな人形拭き清め新たな旅立ち未来へ繋ぐ
40代後半の独身ゲイ男性である私は、日々の暮らしに少し疲れていた。3月3日はひな祭り。男兄弟しかいない私には馴染みのない行事だったが、母親は女の子が欲しかったらしい。そのせいか、毎年実家ではひな人形が飾られていた。この日でもあるのは、亡くなった祖父の誕生日。ひな祭りという華やかな日と、命日の重なりが、私にはどこか不思議で特別な感覚をもたらす。
