Episode2
『窃盗事件と練炭自殺
今夜も密室事件です』
「このようにドアには鍵がかけられ、
更に目張りがしてあります。
コンロの中には練炭の燃えカスがあり、
壁にはサヨナラのメッセージ。
状況から見て、練炭自殺と考えるのが普通でしょう。
ただ、最近の住宅は機密性が高いので、
必ずしも目張りをする必要はありません。
まして窓にまで目張りをするというのは少々やり過ぎです。
では問題です。
彼は何故こんなにも厳重に部屋を密閉したんでしょうか?
用心深く完ぺき主義の人間だったからなのか。
それとも・・・・・」
朝、自宅でコーヒーを飲み着替えをしようとした芹沢は、
部屋の窓の異変に気づいた。
窓には空き巣に入られた跡が・・・
榎本に来てもらった芹沢。
腕時計のコレクションが根こそぎ持ってかれたよう。
榎本曰く、最上階は1、2階についで狙われやすいらしい。
防犯方法の説明を聞くが長い。
「説明はいいからさ、完璧にやってくれよ。
金はいくらでも出すから。」
「分かりました。 300万程かかると思います。」
「300万!?」
「それでも時計のコレクションに比べれば安いもんです。
では。」
榎本を呼び止める純子。
この前の密室殺人事件の報酬の話をすると、
会社の業務と関係ないからいらないと榎本。
そのうち困ったことがあった時に
相談に乗ってくれと言い、帰って行った。
芹沢は色んな人の腕時計が目に入ってしまう。
「どいつもこいつも泥棒に見える・・・」
その時、純子の携帯に榎本から電話。
法律事務所で待つ榎本と会田愛一郎。
そこへ戻って来た芹沢と純子。
早速相談に乗って欲しいと言う榎本。
会田の甥が亡くなり、死因は練炭による一酸化中毒だと。
「目張りをした部屋で練炭を焚いたんです。
痛いからは睡眠薬も検出されています。」
「つまり練炭自殺ということですね。」
「いえ。 会田さんは自殺だとは思っていないようです。」
「大樹はホントに妹思いの子だったんです。
美樹1人を残して死ぬなんて絶対にありえない。
自殺なんてするはずがないんです。」
2人は3年前に母を亡くし、
美樹が頼れるのは大樹だけだったと。
2人の母は会田に姉で、父は美樹が生まれてすぐに事故死。
姉はその後、高澤という中学校教師と再婚。
しかし姉は3年前に病死。
高澤が子供たちを引き取ったとのこと。
「あの日は高澤さんから、大樹の引きこもりについて
相談があると言われて家に行ってみたんです。」
美樹が部屋のドアを叩き大樹を呼ぶが返事がない。
高澤はいつものことだと言うが、
自分には絶対返事をしてくれると美樹。
そこに会田もやって来て、
大樹に声をかけるがやはり返事はない。
力ずくでドアを開けようとするが、無理だと高澤。
高澤がドリルでドアに穴を開ける。
「鍵はこの穴のすぐ上だったはずだ。
何か、何か曲がった棒のようなもんがあれば、
つまみ回して開けられるんだが。」
会田は自分がやると言い、棒を使って鍵を開けた。
ドアを体当たりで開けると、
天井からは紙テープがぶら下がり、
エアコンはついたまま。
壁には紙テープで『サヨナラ』の文字が。
窓には目張りがしてあり、大樹はベッドの上で死んでいた。
会田が鍵を開けたと聞いて疑う芹沢。
「すいません。 こないだ空き巣に入られたばかりで、
疑り深くなってるんです。
もうみんなが泥棒に見えるみたいで、
ホント申し訳ございません。」
余計なことを言うなと芹沢に言われる純子。
「そうですよ。
僕は窃盗の常習犯で5年間服役して、
半年前に出所しました。」
けど今は足を洗ったと会田。
状況を聞く限り事故死とは思えないと純子。
「自殺でも事故死でもないとすると、
誰かに殺されたと考えているんですか?」
「高澤さんはあの日ずっと家にいました。
美樹は友達と出かけていたし。
他の誰かが彼に知られないように家に入って
大樹を殺すのは不可能です。」
会田は高澤が殺したと思っているが、
警察は自殺としか考えられないと言っていたと。
「何故ならあの部屋は大樹意外は
誰も入れない密室だからだと。」
「密室。」
純子と芹沢は榎本を見る。
高澤に殺人の動機があったかどうかを
弁護士の職権で調べてもらいたいと榎本。
会田の姉は両親から多額の遺産を受け継いでるはず。
もしかしたら大樹が亡くなったことで、
高澤が利益を得る立場にいる可能性があると。
会田は犯罪に手を染めたため権利は剥奪されたよう。
あと、榎本が大樹の部屋を見られるよう、
美樹に頼んでもらえないかとのこと。
会田は美樹に避けられているため頼めないそう。
しかし、警察が自殺と判断した以上、
自分たちがどうこう言ってもと芹沢。
「お願いします!!
僕はなんとしても事の真相を知りたいんです!
もし、もし大樹が殺されたんだとしたら、
このままじゃあまりにもかわいそすぎます。
それに美樹の身にも危険が及ぶかもしれません。
それだけはなんとしても阻止しないと。」
「分かりました」と純子が承諾。
学校にやって来た芹沢と純子。
純子は美樹を見つけて呼び止める。
会田から大樹の部屋を調べて欲しいと頼まれたので、
家の中に入ることを許可して欲しいと頼むが、
もし自殺だったとしても会田には関係ないと言われてしまう。
純子は誰かに電話。
榎本も一緒に高澤の家へ向かう。
家に行ったって美樹は入れてくれないと思うと純子。
すると榎本は高澤に頼むと言う。
そして高澤に説明すると会田の気持ちも分かるから、
気の済むまで調査して下さいと、すんなり家に上がれた。
大樹の部屋に入った3人。
芹沢はあんな人が子供を殺すと思えないと、
間違いなく自殺だと言い帰りたがる。
榎本と純子が大樹について話す。
食事は美樹が運んでいたよう。
当日の朝も美樹が作った食事と、
高澤が淹れたコーヒーをキレイに平らげたらしい。
大樹の体内からは睡眠薬が検出され、
ゴミ箱に薬剤シートも残っていたとのこと。
もしかして高澤がコーヒーに
睡眠薬を入れたんじゃないかと純子。
しかし練炭自殺する時は睡眠薬を服用すんのが普通だと芹沢。
朝食の食器は調べる前に高澤が洗ってしまったらしい。
「大樹くんって、ホントに引きこもりだったんでしょうか?」
「どういう意味ですか?」
「弾き子守りって、生きることに無気力で
社会との繋がりを一切拒否して、
ひたすら現実逃避するものだと思うんですけど、
ここに並んでいる本からは、
そういうイメージが湧かないんですよね。」
部屋を調べ終わり、高澤のところへ。
高澤は科学トリックショーのチラシを作っていた。
科学の実験にマジックを取り入れたショーをやると。
一般にも公開されているらしい。
「またこれかよ・・・」
榎本のところへ行った芹沢と純子は、
大樹の部屋の模型を見ていた。
榎本が説明をし始める。
ドアには鍵、更に目張りがしてある。
目張りに使われたのは普通のガムテープではなく、
もっと幅が広くて薄いタイプのビニールテープだった。
何故このテープを使ったのか・・・
芹沢が何か思いつき言ってみるが、榎本に無理だと言われる。
そしてまた思いつくが、また無理だと言われ、
何も解決しないまま終わった。
事務所に戻って来た芹沢と純子。
会田家の遺産がどうなってるか分かったと。
亡くなった両親から娘・みどりと会田を飛び越え、
孫の待機と美樹に2億ずつ相続されていたよう。
みどりは高澤と再婚したが、
子供たちと養子縁組はしてなかったが、
何故か亡くなる直前になり急に手続きが行われたらしい。
これにより、子供たちが亡くなった場合、
全ての遺産が高澤に入ることになったと。
殺人の動機になると言う純子を否定する芹沢。
高澤と美樹が朝食中。
高澤の淹れたコーヒーに手をつけない美樹。
美樹が学校へ行った後、コーヒーを捨てる高澤。
高澤のマジックショーを見に来た榎本と純子。
生徒にも評判が良さそうだ。
ボイル・シャルルの法則の説明をする高澤。
その様子を外から見ていた美樹。
榎本と純子が帰ろうとしていた時、
声をかける美樹。
「あの、あなたは叔父さんの友達なんですか?
教えて下さい。 叔父さんはどんな人なんですか?」
「高澤さんはどんな人ですか?」
「えっ?」
「教育熱心でユーモアもあって、
生徒からも婦警からも絶大な信頼を得ている。
言わば教師の鑑ですよね。
それに比べて会田さんは、
窃盗を繰り返したあげくに傷害事件を起こし、
刑務所に入った前科者。 最低な男だ。」
「ちょっと榎本さん。」
「世間的には。
会田さんがどんな人かは、
あなたが自分で確かめた方がいいんじゃないですか?
人の評価なんてどうせ当てにならないから。」
家に帰りアルバムを開く美樹。
優しかった会田を思い出す。
榎本のところへやって来た美樹。
「これ、何かの役に立ちますか?
窓とドアに貼ってあったテープです。
私が剥がすって言って
捨てた振りして隠しておいたんです。
何かの証拠になると思って。」
高澤の家へやって来た榎本たち。
早速テープを貼ってみる。
窓の目張りにはしわがないのに対し、
ドアの目張りには細かいしわが出来ていた。
窓はロールから引っ張って貼ったんだろうけど、
ドアの法は半分はみ出すように貼り、
後は自然に貼り付いたのだろうと。
静電気を使ったんだと榎本。
けど自殺に見せかけるためだけなら、
窓にまで目張りをする必要はない。
アルミサッシは機密性が高いから、
そのままでも練炭自殺は出来ると。
「じゃあ、窓の目張りには部屋を密閉する以外の
役割があったってことですか?」
「いえ。 目張りというのはやっぱり
機密性を高めるために行うものでしょう。」
「というと?」
「要するに犯人は練炭自殺で要求される以上の
完璧な機密性を必要としていたんです。」
「なんで俺見んだよ。」
「だって分かりましたか? 今の。」
「分かる訳ないだろうが!」
「あれ? 何かついてますよ。」
芹沢についていた紙に
ボイル・シャルルの法則と書いてあった。
その紙を見て会田がポケットから紙を出した。
大樹の部屋に踏み込んだ時に紙切れが風で舞い上がり、
その1つが服にかかったみたいだと。
それを見て、部屋にあった紙テープは
いつ片付けられたのかと榎本。
目張りを外す前で、気づいたら高澤が捨ててたと美樹。
「ということは、目張りに使われたビニールテープより、
紙テープの始末を急いだということですか。」
そこへ高澤が帰って来た。
「大丈夫」と美樹の肩に手を置く会田。
榎本は指を磨り合わせ中。
そして鍵が開いた。
「そうか、そうだったのか。
密室は、破れました。」
部屋へ入って来る高澤。
会田が大樹を殺したことは分かってると高澤に詰め寄る。
「私を殺人犯に仕立て上げてまで、
そんなに美樹を手に入れたいんですか?
こんなこと言いたくなかったんですが、
彼h美樹のことを一人の女として愛してるんです。
みどりから生前に彼の性癖について打ち明けられて、
私が守ってやるしかないってそう決めました。
それでみどりを安心させるために養子縁組をしたんです。」
「嘘つき! あんたの言うことなんて信じない!!」
「美樹・・・じゃあ一体どうやって
私が大樹を殺したっていうんだい?
静電気を使って目張り出来たかもしれないけど、
でもドアには内側から鍵がかかってたじゃないか!」
「かかっていませんよ。
この部屋には鍵なんてかかっていなかったんです。」
ドアが開かなかったのは気圧差のため。
中の気圧はエアコンを設定して温度を2~3度上げればいい。
ボイル・シャルルの法則だとそれぐらいの計算らしい。
練炭焚いてたら軽く10度は上がるだろと芹沢。
普通は上がりすぎてドアが吹っ飛ぶか、
少なくとも亀裂ぐらいは生じるはずだと。
普段生活している部屋には必ず僅かな隙間が生じる。
空気が膨張しても逃げ場があるから、
普段暖房を使っても問題ないとのこと。
だから窓にも目張りが必要だった。
練炭を焚いた時にはまだ目張りはされてなかった。
犯人はおそらく大樹が死亡したのを確認してから、
燃えている練炭を燃えカスと入れ替え、
その後で目張りをしたんだろうと。
なら何故ドアは開いたのか。
高澤がドアに穴を開けたから、
空気が逃げて室内の気圧が戻ったことで、
ドアを押さえつけていた圧力が消失。
「面白いこと言うね。
でもそんなこと問題じゃないだろう!
愛一郎くん。君だって知ってるはずだ!
このドアには確かに鍵がかかっていたじゃないか!!」
「クロースアップマジックですよ。
高澤さん、手品がお得意でしたよね?」
何年か振りに会田が訪ねて来る日に、
大樹が亡くなったのは偶然じゃない。
犯人は最初から間を利用するつもりだったのだと。
「犯行現場が密室だったと警察に思わせるために、
わざと会田さんに開錠させるよう仕向け、
確かに鍵がかかっていたことを証言させたんです。
会田さん。
鍵を開けるのに手こずったと言っていましたよね。」
「ああ。 妙に滑るっていうか。 緊張してたのかな。」
「いくら緊張していても、あなたがこの程度の補助錠に
手こずるなんておかしいです。」
サムターンに何か細工してなかったかと。
例えば紙テープのようなものを巻きつけてなかったか。
そう言われてみれば・・・と会田。
「さて、そろそろマジックの種明かしをしましょう。
高澤さんは穴の位置が補助錠の下にくるように
予めドアに印をつけておきました。
サムターンには紙テープが
分厚く巻きつけてあったんだと思います。
テープをサムターンの施錠方向と同じ右回りに巻いておき、
ドリルの先端を接触させて低速回転させると、
歯車のようにサムターンに回転が伝わり
施錠されるという訳です。」
サムターンに巻きつけた紙テープは、
ドリルによって切断され自然に緩んで落下。
しかし一部が残ってたため、
棒が滑りなかなか鍵を開けることが出来なかった。
部屋中を紙テープで飾ったのは、
テープの切れ端が床に落ちていても
不審に思われないようにするため。
「面白い話だが全ては憶測にすぎない。
証明が出来ない限り、
憶測にはなんの価値もないんだ!!」
「そうでしょうか。
証拠は、警察が本気で調べれば
続々と出て来るはずですよ。
それに、これ1つでも恐らく致命傷になるでしょうね。
奇跡的に残った紙テープの切れ端です。
両端にドリルピットで切断された跡があることは
すぐに分かると思います。
大樹くんが自殺したんじゃないとすると、
誰かが彼を殺害したことになります。
最早、あなたを守る盾はありませんよ。
密室は、破れたんですから。」
崩れ落ちる高澤。
事件は解決。
芹沢と純子は事務所で仕事。
「そういやさ、榎本と会田ってのは
どういう知り合いなんだよ。」
「さあ。 古い知人とかって言ってましたけど。」
「まさか空き巣仲間だったりしてな。」
「まさか! そんなことある訳ないじゃないですか。」
ドアの鍵を開けている榎本。
鍵が開き部屋の中を覗く。
「あ、開いた~!! スゴ~イ。
絶対にピッキング出来ない鍵だって言ってたから、
どうしようかと思ってたんです。」
「こんなの余裕です。
鍵を落としたなら、
新しいものに取り替えることをお勧めします。
では。」
榎本はもはや探偵だよね(笑)
鍵オタクってだけではない気がする。
そして芹沢がいいキャラで面白い。
純子は偶に当麻に見える(‐∀‐;)
あの地味スーツがいけないのか?
Episode1
今回も面白かったですね。
>榎本はもはや探偵だよね(笑)
そうそう!だから「執事」と組んで、
探偵事務所やったらイイのに(笑)
アクション部隊に「ラキセ」の子をスカウトして(笑)
ああ~…そんな図が見てみたい
>純子は偶に当麻に見える(‐∀‐;)
見えないように頑張ってキビキビ
清潔感漂わせてんですけどね…
>あの地味スーツがいけないのか?
まあ…同一人物ですからね(笑)
>そうそう!だから「執事」と組んで、
探偵事務所やったらイイのに(笑)
見たいですね~。
執事とのコンビ!!
チャンネル同じだしやって欲しいです(笑)
>見えないように頑張ってキビキビ
清潔感漂わせてんですけどね…
そうなんですよね~。
違う風に見せようとしてるんですけど・・・
>まあ…同一人物ですからね(笑)
そこなんですよね(‐∀‐;)
時々台詞回しが当麻と同じに聞こえるんです。
ちょっとSPACの印象が強すぎるから、
戸田ちゃんじゃない方が
良かったような気がします。