あるいは伝染性の病気について。これは数種あって、最恐の奴を最後に解説します。ウサギという家畜については、家畜伝染病予防法内での「届出伝染病」に含まれる伝染病が2種ある。怖いのは野兎病(人にも感染する)なんですが、とりあえず日本では散発程度に収まっているようなので。
20年以上前のことだが、プレーリードッグという野生動物がアメリカから輸入されて一時期ペットとしてはやりかけたことがある。そのうち政府が全面輸入禁止にしたのだが、その大きな理由が野兎病。なんか禁止に反対してた人達がいてねえ、理由は「可愛いのに~~」でしたっけ。たわけてますよ。3歳児じゃあるまいし、なんの根拠にもならない。そもそもプレーリードッグはひろ~~いサバンナで生活している生き物。病気以前に狭いケージなんかで飼えるような動物じゃありません。ケージ飼い=虐待行為だっての。
ペットのウサギにやたら多い伝染性疾患はこの手のウイルスや細菌病ではない。寄生虫病です。いくつかあるんですが、そのうち命にかかわりかねないものは
1.ウサギ蟯虫
2.エンセファリトゾーン症
ですね。
1.は、あまり有名ではないけれど、大量寄生例も診ているので、侮れんぞと思ってる。蟯虫は、まあ、人では、いわゆる「蟯虫検査」で引掛ける寄生虫ですね。ヤダヤダ、と思い出す方は年配群に属している方でしょう。ハハ。
ウサギ蟯虫は盲腸内に寄生している。大量になると、気味の悪い小さい白い線虫が糞便に引っ付いて出てくる。ウゴウゴ動くもんで、もう薄気味悪い、となる方が慌てて便を持ってくるのだけど、その時は既に干からびてよく分からなくなっている事多し。こういう線虫を持ってくる場合は、乾燥しないように便ごとラップでくるむか、虫をセロハンテープに挟み込んで持ってきていただくと有難いんです。
蟯虫は子ウサギに多いのだが、大量寄生例では死亡したケースも診ている。盲腸内に虫体ぎっしり(盲腸の中にそうめんが詰まってるように見えましたっけ)、という特異なケースではありましたけど、そのせいでうっ滞が起きて死亡という。一種の盲腸閉塞だったと思われますが。
当時はなかなかいい薬がなかったが、今は色々あるので、とにかく駆虫、が最強で最善の選択になります。で、付随して出てくる症状について対応すると。
最恐の虫、エンセファリトゾーンについては次回。
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