父と私の間の広さ

我が家は玄関が広い
私の父との同居で
建てた家だったから
玄関は父の存在が分かるけど
お互いのプライベートが保てる距離
本当に部屋並みの広さがあるけど
この広さが私にとって
とても大事だった

余りにも近いと音が聞こえ過ぎて
私のストレスになると思ったから
玄関は贅沢だけど広く取った
それが玄関の部屋の広さだった
玄関の扉も２枚の大きいのを付けた

これは父が車椅子になったり
救急車で搬送されたりした時を
想定しての扉の広さでした

本当は小さい扉で良かったんだけど
父との同居の家だったから
設計する時に
父が年齢を重ねても良いように
家を作った

そんな事を
玄関を掃きながら
家を建てるようになった時のことや
父を思い出した

父は歩けなくなり
私が家で
父を介護出来なくなって
父は施設に入った
父の事大嫌いだけど
死ぬまで面倒みてあげようと
思ってたから…
嫌いだけど
施設に入ってもらった事は
本当に感謝してる
私の精神や体が
父の施設入所で
どれだけ楽になったか！
本当にありがたいです
本当に駄目な親だった父
でも施設入所には感謝してる
本当に私の生活が
それで穏やかになったから…

普通と書いたら
普通って何なのだろうと思うけど
私の父はアルコール依存症だった
私が幼少時代から
父には迷惑掛けられてきたので
本当に心から父の事が大嫌いです
それは今でも変わらないけど
父が私の親だから
私は子供としての義務を果たしてる
父の事が大嫌いだけど
私に残った家族は父しか居ないから
今は大嫌いでも
少し長生きして良いよって思う
思えるようになった

父と娘って
仲が良いと会話もあるのだろうけど
私が小さい時から
父は呑んだくれて
仕事もしなくて
母が苦労した姿しか見たことなかった
小さい時から父が大嫌いだった

今だに父との会話は無くて困る
父に会いに行って
時間が過ぎるのが
本当に苦痛だけど
会話を見つけては
父と会話をする様にしてる
その根底には
やっぱり
入りたくなかっただろう父が
施設に大人しく
居てくれるっていう事への
私の感謝の気持ちの表れでもある

どこに行っても
トラブルメーカーだった父が
今は大人しく施設で生活してくれてる
それは本当にありがたいです！

いつも
玄関を掃きながら
そうやって
父を思い出す